小説『坊っちゃん』の舞台「松山」。本を片手に夏目漱石の文学を巡る旅

小説『坊っちゃん』の舞台「松山」。本を片手に夏目漱石の文学を巡る旅

明治の文豪・夏目漱石の代表作のひとつ『坊っちゃん』。漱石自身が愛媛県の松山中学に教師として赴任していた頃の体験をもとに書かれた、長く多くの人に愛読されている小説です。現在松山市には「坊っちゃん」と名のつくものがたくさんあり、市民にとって愛すべき小説。坊っちゃんが歩いた松山、漱石が暮らした松山は、どんな町だったのでしょう?小説を片手に、坊っちゃんに登場する松山の地を巡って当時に思いを馳せてみましょう。2018年10月31日作成

カテゴリ:
旅行・お出かけ
キーワード
四国愛媛県カフェ温泉小説
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文豪・夏目漱石の『坊っちゃん』と松山

明治の文豪・夏目漱石の代表作のひとつ『坊っちゃん』。愛媛県松山市を舞台に、東京からやって来た若い教師の奮闘を描いた小説で、漱石自身が松山中学に教師として赴任した際の体験をもとに書かれました。江戸っ子気質で正義感の強い坊っちゃんの生き生きとした姿は、個性的で愉快な登場人物たちとともに、時代を経ても色褪せることなく読者を魅了します。
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明治の文豪・夏目漱石の代表作のひとつ『坊っちゃん』。愛媛県松山市を舞台に、東京からやって来た若い教師の奮闘を描いた小説で、漱石自身が松山中学に教師として赴任した際の体験をもとに書かれました。江戸っ子気質で正義感の強い坊っちゃんの生き生きとした姿は、個性的で愉快な登場人物たちとともに、時代を経ても色褪せることなく読者を魅了します。

小説の中で坊っちゃんは松山を「東京の足元にも及ばない」などと嘲りますが、そこには逆に、漱石の松山への愛が見え隠れしているようです。
坊っちゃんが見た松山は、どんなところだったのでしょう?本を片手に『坊っちゃん』に登場する松山の地を巡ってみましょう。
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小説の中で坊っちゃんは松山を「東京の足元にも及ばない」などと嘲りますが、そこには逆に、漱石の松山への愛が見え隠れしているようです。
坊っちゃんが見た松山は、どんなところだったのでしょう?本を片手に『坊っちゃん』に登場する松山の地を巡ってみましょう。

道後温泉本館「泳ぐべからず」

「おれはここへ来てから、毎日住田の温泉へ行くことに極(き)めている。ほかの所は何を見ても東京の足元にも及ばないが温泉丈だけは立派なものだ。」
そう坊っちゃんも褒める「住田の温泉」とは、道後温泉のこと。道後温泉本館が完成した翌年の明治28(1895)年に松山に赴任した漱石は、知人にあてた手紙の中でも絶賛するほど道後温泉がお気に入りで、「坊っちゃん」さながら足繁く通っていたそうです。
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「おれはここへ来てから、毎日住田の温泉へ行くことに極(き)めている。ほかの所は何を見ても東京の足元にも及ばないが温泉丈だけは立派なものだ。」
そう坊っちゃんも褒める「住田の温泉」とは、道後温泉のこと。道後温泉本館が完成した翌年の明治28(1895)年に松山に赴任した漱石は、知人にあてた手紙の中でも絶賛するほど道後温泉がお気に入りで、「坊っちゃん」さながら足繁く通っていたそうです。

日本書紀にも登場し、日本最古の温泉ともいわれる道後温泉。人気アニメのモデルにもなったという話もある道後温泉本館は、公衆浴場として初めて国の重要文化財に指定されたというのも納得の重厚感です。
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日本書紀にも登場し、日本最古の温泉ともいわれる道後温泉。人気アニメのモデルにもなったという話もある道後温泉本館は、公衆浴場として初めて国の重要文化財に指定されたというのも納得の重厚感です。

道後温泉本館には、「霊の湯」と「神の湯」の2つの浴室があります。高額な方から順に、「霊の湯 三階個室」「霊の湯 二階席」「神の湯 二階席」「神の湯 階下」4つの入浴コースがあり、玄関口にある札場で入浴券を購入して入場します。
ちなみに坊っちゃんは、「おれはいつでも上等へはいった」と言っているので、どうやら「霊の湯 三階個室」を愛用していたようです。その部屋の様子は後でご紹介するとして、まず館内へ。
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道後温泉本館には、「霊の湯」と「神の湯」の2つの浴室があります。高額な方から順に、「霊の湯 三階個室」「霊の湯 二階席」「神の湯 二階席」「神の湯 階下」4つの入浴コースがあり、玄関口にある札場で入浴券を購入して入場します。
ちなみに坊っちゃんは、「おれはいつでも上等へはいった」と言っているので、どうやら「霊の湯 三階個室」を愛用していたようです。その部屋の様子は後でご紹介するとして、まず館内へ。

下駄箱、改札口、何もかもがレトロな風情。坊っちゃんと同じ景色を見ているようで嬉しくなります。
道後温泉本館の浴槽は、ちょっと深めなのが特徴です。坊っちゃん曰く「深さは立って乳の辺まで」。現在は立つと腰のあたりまでですが、座れば肩までしっかりお湯に浸かれます。
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下駄箱、改札口、何もかもがレトロな風情。坊っちゃんと同じ景色を見ているようで嬉しくなります。
道後温泉本館の浴槽は、ちょっと深めなのが特徴です。坊っちゃん曰く「深さは立って乳の辺まで」。現在は立つと腰のあたりまでですが、座れば肩までしっかりお湯に浸かれます。

その深さゆえに坊っちゃんは、「湯の中を泳ぐのはなかなか愉快だ。おれは人の居ないのを見済(みすま)しては十五畳の湯壺を泳ぎ巡って喜んでいた」。しかしある日のこと「大きな札へ黒々と湯の中で泳ぐべからずとかいて貼りつけてある」のを見付けます。自分への警告と悟った坊っちゃんは以来泳ぐのを断念するという顛末。
このエピソードにちなんで、神の湯男子東浴室には「坊っちゃん泳ぐべからず」の木札が貼ってあります。写真は館内の掲示板ですが、浴室にあるのもこれと同様の木札。男湯にしかないので女性は見ることができないのは残念ですが、小説の世界を現実にしてしまう、なんとも粋な遊び心。
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その深さゆえに坊っちゃんは、「湯の中を泳ぐのはなかなか愉快だ。おれは人の居ないのを見済(みすま)しては十五畳の湯壺を泳ぎ巡って喜んでいた」。しかしある日のこと「大きな札へ黒々と湯の中で泳ぐべからずとかいて貼りつけてある」のを見付けます。自分への警告と悟った坊っちゃんは以来泳ぐのを断念するという顛末。
このエピソードにちなんで、神の湯男子東浴室には「坊っちゃん泳ぐべからず」の木札が貼ってあります。写真は館内の掲示板ですが、浴室にあるのもこれと同様の木札。男湯にしかないので女性は見ることができないのは残念ですが、小説の世界を現実にしてしまう、なんとも粋な遊び心。

「温泉は3階の新築で上等は浴衣をかして、流しをつけて8銭で済む。その上に女が天目へ茶を載せて出す」と坊っちゃんが語る通り、現在も2階、3階の休憩室では浴衣が借りられ、天目台(大きな台座のついた茶托)に乗せたお茶が出されます。
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「温泉は3階の新築で上等は浴衣をかして、流しをつけて8銭で済む。その上に女が天目へ茶を載せて出す」と坊っちゃんが語る通り、現在も2階、3階の休憩室では浴衣が借りられ、天目台(大きな台座のついた茶托)に乗せたお茶が出されます。

こちらが「霊の湯 三階個室」。かつては坊っちゃんが言うように「上等」と呼ばれていた部屋です。
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こちらが「霊の湯 三階個室」。かつては坊っちゃんが言うように「上等」と呼ばれていた部屋です。

坊っちゃんもここで湯上りに窓辺の欄干に座り、街を見下ろして涼んでいたのかもしれませんね。
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坊っちゃんもここで湯上りに窓辺の欄干に座り、街を見下ろして涼んでいたのかもしれませんね。

坊っちゃんの間

3階北西角の個室は、漱石が松山に住む友人の正岡子規と一緒に利用したといわれる部屋です。昭和41(1966)年に漱石の娘婿である文人・松岡譲氏により「坊っちゃんの間」と命名され、来館者に無料公開されています。
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3階北西角の個室は、漱石が松山に住む友人の正岡子規と一緒に利用したといわれる部屋です。昭和41(1966)年に漱石の娘婿である文人・松岡譲氏により「坊っちゃんの間」と命名され、来館者に無料公開されています。

ダンディーな漱石の写真も飾られています。出入口上部に3枚並ぶ写真は、左が小説『坊っちゃん』に登場するマドンナのモデルとされる女性、真ん中が漱石のお見合い写真、右は漱石の妻・鏡子さんのお見合い写真だそうですよ。
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ダンディーな漱石の写真も飾られています。出入口上部に3枚並ぶ写真は、左が小説『坊っちゃん』に登場するマドンナのモデルとされる女性、真ん中が漱石のお見合い写真、右は漱石の妻・鏡子さんのお見合い写真だそうですよ。

「温泉に行った帰りがけに」坊っちゃん団子

「おれのはいった団子屋は遊廓の入口にあって、大変うまいという評判だから、温泉に行った帰りがけにちょっと食ってみた。」
坊っちゃんも立ち寄った団子屋はここ、「つぼや菓子舗」です。
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「おれのはいった団子屋は遊廓の入口にあって、大変うまいという評判だから、温泉に行った帰りがけにちょっと食ってみた。」
坊っちゃんも立ち寄った団子屋はここ、「つぼや菓子舗」です。

道後温泉本館の正面から伊予鉄道道後温泉駅へと続く商店街「道後ハイカラ通り」の中にある、明治16(1883)年創業の老舗菓子舗です。
看板にも歴史と風格がにじんでいますね。
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道後温泉本館の正面から伊予鉄道道後温泉駅へと続く商店街「道後ハイカラ通り」の中にある、明治16(1883)年創業の老舗菓子舗です。
看板にも歴史と風格がにじんでいますね。

松山銘菓として現在はたくさんの店で作られている「坊っちゃん団子」。坊っちゃん由来の団子の「元祖」はこの店です。柔らかな求肥が三色餡にくるまれた、とても上品な味の団子です。北海道産の小豆だけで作る小豆餡、やはり北海道産の手亡豆(てぼまめ)を使った白餡、そして抹茶だけでその色を出す緑の餡の三色の団子が、かわいらしく3つ並んで串に刺さっています。
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松山銘菓として現在はたくさんの店で作られている「坊っちゃん団子」。坊っちゃん由来の団子の「元祖」はこの店です。柔らかな求肥が三色餡にくるまれた、とても上品な味の団子です。北海道産の小豆だけで作る小豆餡、やはり北海道産の手亡豆(てぼまめ)を使った白餡、そして抹茶だけでその色を出す緑の餡の三色の団子が、かわいらしく3つ並んで串に刺さっています。

お土産に持ち帰れるようにと「つぼや菓子舗」で現在の三色の団子が発案されたのは大正時代のこと。坊っちゃんがいた明治時代はこちらの「湯晒(ゆざらし)団子」でした。いわゆる「あんころもち」で、上新粉の餅を小豆餡でくるんだ団子です。
「つぼや菓子舗」では当時の「湯晒団子」を再現。日持ちがしないので、お店奥のイートインコーナーでいただくのがよさそうです。湯上りに坊っちゃん気分で、できたての味を堪能!
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お土産に持ち帰れるようにと「つぼや菓子舗」で現在の三色の団子が発案されたのは大正時代のこと。坊っちゃんがいた明治時代はこちらの「湯晒(ゆざらし)団子」でした。いわゆる「あんころもち」で、上新粉の餅を小豆餡でくるんだ団子です。
「つぼや菓子舗」では当時の「湯晒団子」を再現。日持ちがしないので、お店奥のイートインコーナーでいただくのがよさそうです。湯上りに坊っちゃん気分で、できたての味を堪能!

「マッチ箱のような」坊っちゃん列車

さて、道後温泉と坊っちゃん団子を楽しんだ後は、列車で松山観光へ出かけてみましょう。
伊予鉄道道後温泉駅の駅舎は、明治の洋館風のレトロな佇まい。明治44年に建てられた駅舎の姿を引き継いでいます。
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さて、道後温泉と坊っちゃん団子を楽しんだ後は、列車で松山観光へ出かけてみましょう。
伊予鉄道道後温泉駅の駅舎は、明治の洋館風のレトロな佇まい。明治44年に建てられた駅舎の姿を引き継いでいます。

そばに停車中のレトロな列車。坊っちゃん曰く「マッチ箱の様な汽車」です。
明治21(1888)年から67年間にわたり活躍した蒸気機関車を平成13(2001)年に復元、『坊っちゃん』に登場したことにちなんで「坊っちゃん列車」と名付けられました。
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そばに停車中のレトロな列車。坊っちゃん曰く「マッチ箱の様な汽車」です。
明治21(1888)年から67年間にわたり活躍した蒸気機関車を平成13(2001)年に復元、『坊っちゃん』に登場したことにちなんで「坊っちゃん列車」と名付けられました。

当時は石炭を使った蒸気機関車でしたが、現在は環境問題に配慮したディーゼルエンジンの機関車。でもそれ以外は、限りなく忠実に復元しているそうです。煙突からは煙に見立てた蒸気が上がり、汽笛も「ポッポー」と可愛らしい音。案内をしてくれる車掌さんの制服も、当時のものを復元しています。
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当時は石炭を使った蒸気機関車でしたが、現在は環境問題に配慮したディーゼルエンジンの機関車。でもそれ以外は、限りなく忠実に復元しているそうです。煙突からは煙に見立てた蒸気が上がり、汽笛も「ポッポー」と可愛らしい音。案内をしてくれる車掌さんの制服も、当時のものを復元しています。

車内は木造で、座席、床、天井、窓枠やドアも木。丸みを帯びた天井のフォルムまで明治の風情が漂います。
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車内は木造で、座席、床、天井、窓枠やドアも木。丸みを帯びた天井のフォルムまで明治の風情が漂います。

始点と終点の駅では、列車の方向転換を手動で行います。先頭の機関車と後ろの客車を切り離して、車掌さんたち手で押し回す様子は必見ですよ。
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始点と終点の駅では、列車の方向転換を手動で行います。先頭の機関車と後ろの客車を切り離して、車掌さんたち手で押し回す様子は必見ですよ。

「ターナーの画にありそうな」四十島(しじゅうしま/ターナー島)

ガタゴトと坊っちゃん列車に揺られて松山市駅まで行ったら、今度は伊予鉄道高浜線に乗り換えて、高浜駅で下車。お目当ては「ターナー島」ですが、この高浜駅の駅舎も、実は隠れた名所なのです。昭和初期の建築といわれる木造の大変趣のある駅で、窓の桟などとても繊細な洋風の細工も見られます。
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ガタゴトと坊っちゃん列車に揺られて松山市駅まで行ったら、今度は伊予鉄道高浜線に乗り換えて、高浜駅で下車。お目当ては「ターナー島」ですが、この高浜駅の駅舎も、実は隠れた名所なのです。昭和初期の建築といわれる木造の大変趣のある駅で、窓の桟などとても繊細な洋風の細工も見られます。

駅舎内部も、洋風レトロな天井の設えなど、隅々まで見ごたえがあります。
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駅舎内部も、洋風レトロな天井の設えなど、隅々まで見ごたえがあります。

見惚れるような風情ですが、通勤・通学など毎日たくさんの市民が利用する、しっかり現役の駅舎です。
平成25(2013)年に公開された映画のロケ地としても使われ、その時に撮影で使われた駅名の看板などが今も駅舎内に飾られています。
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見惚れるような風情ですが、通勤・通学など毎日たくさんの市民が利用する、しっかり現役の駅舎です。
平成25(2013)年に公開された映画のロケ地としても使われ、その時に撮影で使われた駅名の看板などが今も駅舎内に飾られています。

駅を出てターナー島へ向かいましょう。駅の正面にフェリー乗り場と海が見えますので、海岸沿いを南下するように小道を約500m歩くと、正面沖合150mほどのところに「ターナー島」がありますよ。
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駅を出てターナー島へ向かいましょう。駅の正面にフェリー乗り場と海が見えますので、海岸沿いを南下するように小道を約500m歩くと、正面沖合150mほどのところに「ターナー島」がありますよ。

同僚たちと釣りに出かけた坊っちゃん。船上で教頭の赤シャツが島の松の木を見て「ターナーの画にありそうだね」と言うと、画学教師の野だいこが「どうです教頭、これからあの島をターナー島と名づけようじゃありませんか」と返します。坊っちゃんは気取った彼らの会話に辟易しながらも、景色を「いい心持ち」だと眺めているというくだり。
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同僚たちと釣りに出かけた坊っちゃん。船上で教頭の赤シャツが島の松の木を見て「ターナーの画にありそうだね」と言うと、画学教師の野だいこが「どうです教頭、これからあの島をターナー島と名づけようじゃありませんか」と返します。坊っちゃんは気取った彼らの会話に辟易しながらも、景色を「いい心持ち」だと眺めているというくだり。

モデルになった四十島は、周囲約135mの岩できた小さな島です。島に自生していた松は昭和50年代にすべて枯れてしまいましたが、現在は市民の植樹により20本を越える松が育成し、当時の様子を再現しています。

海と空、そして島々に囲まれて、小さくぽっかり浮かぶターナー島。瀬戸内海らしい景色を眺め、海風に吹かれながら、坊っちゃん同様しばし気持ちの良い時間を過ごしてみては?
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モデルになった四十島は、周囲約135mの岩できた小さな島です。島に自生していた松は昭和50年代にすべて枯れてしまいましたが、現在は市民の植樹により20本を越える松が育成し、当時の様子を再現しています。

海と空、そして島々に囲まれて、小さくぽっかり浮かぶターナー島。瀬戸内海らしい景色を眺め、海風に吹かれながら、坊っちゃん同様しばし気持ちの良い時間を過ごしてみては?

道後のカフェで漱石の時代を感じよう

小説の世界に入り込んだような松山の旅をしてきましたが、物語の外にも素敵な場所がありますよ。道後に戻って、物語の世界観にもマッチするカフェを2件ご紹介しましょう。

「歩音(あるね)」

ひとつ目は道後温泉駅から徒歩1分ほどのところにある「歩音」。築100年という古民家を利用した店で、1階が雑貨店、2階がカフェになっています。この場所はかつて病院の庭に建てられた離れだったそうで、漱石も足を運んだことがあるのだとか。
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ひとつ目は道後温泉駅から徒歩1分ほどのところにある「歩音」。築100年という古民家を利用した店で、1階が雑貨店、2階がカフェになっています。この場所はかつて病院の庭に建てられた離れだったそうで、漱石も足を運んだことがあるのだとか。

1階には食品から雑貨まで、こだわって選んだ品々が並びます。愛媛県の素材を使ったオリジナルの調味料や、砥部焼の器、かわいいハンドメイド雑貨など、お土産にもぴったり!
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1階には食品から雑貨まで、こだわって選んだ品々が並びます。愛媛県の素材を使ったオリジナルの調味料や、砥部焼の器、かわいいハンドメイド雑貨など、お土産にもぴったり!

2階のカフェスペースは、和室にアンティークなテーブルや椅子、ソファが置かれた独特の風情。使い込まれた家具たちがなんだか懐かしい場所に帰ってきたような気持ちにさせてくれます。
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2階のカフェスペースは、和室にアンティークなテーブルや椅子、ソファが置かれた独特の風情。使い込まれた家具たちがなんだか懐かしい場所に帰ってきたような気持ちにさせてくれます。

窓から道後の町並みを眺めて、のんびりとティータイムを過ごせば、時間がゆっくり流れていくようです。こだわりのコーヒーや紅茶、季節の食材を使ったスイーツなど、素敵な食器たちも愛でながら楽しんで。
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窓から道後の町並みを眺めて、のんびりとティータイムを過ごせば、時間がゆっくり流れていくようです。こだわりのコーヒーや紅茶、季節の食材を使ったスイーツなど、素敵な食器たちも愛でながら楽しんで。

ランチに人気の「おむすび膳」は、愛情込めて握ったおむすびに、小鉢、漬物、味噌汁とほうじ茶がセットになっています。こちらもホッと和む味ですよ。
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ランチに人気の「おむすび膳」は、愛情込めて握ったおむすびに、小鉢、漬物、味噌汁とほうじ茶がセットになっています。こちらもホッと和む味ですよ。

「道後の町屋」

ふたつ目は道後の商店街「道後ハイカラ通り」の中ほどにある「道後の町屋」。こちらは大正末年の建物で、当時は道後郵便局舎と局長宅だったそうです。
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ふたつ目は道後の商店街「道後ハイカラ通り」の中ほどにある「道後の町屋」。こちらは大正末年の建物で、当時は道後郵便局舎と局長宅だったそうです。

入り口を入ると板張りの床にテーブルと椅子が置かれたコーヒースペース。
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入り口を入ると板張りの床にテーブルと椅子が置かれたコーヒースペース。

そこを抜けると奥へと続く細長い「通り庭」が。「町屋」という名が腑に落ちます。間口はわずか2間半(4.5m)ながら、奥行きは27間(49m)もあるという、慎ましやかで味わ深い町屋造りです。
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そこを抜けると奥へと続く細長い「通り庭」が。「町屋」という名が腑に落ちます。間口はわずか2間半(4.5m)ながら、奥行きは27間(49m)もあるという、慎ましやかで味わ深い町屋造りです。

緑を眺めながら奥へ奥へと進み、たどり着いた靴脱ぎ場のスペースには、往時の生活を再現するかのように、古い家具や食器、道具類が美しく並べられています。そしてその先に広がる奥座敷。大きな窓の外にはよく手入れされた庭。入り口からは想像できないくらいゆったりとした空間に、思わず驚きと感嘆の声が上がります。落ち着いた照明に、深い色の畳や柱の色がスッと馴染み、窓からの自然光がなんとも心地よい室内です。
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緑を眺めながら奥へ奥へと進み、たどり着いた靴脱ぎ場のスペースには、往時の生活を再現するかのように、古い家具や食器、道具類が美しく並べられています。そしてその先に広がる奥座敷。大きな窓の外にはよく手入れされた庭。入り口からは想像できないくらいゆったりとした空間に、思わず驚きと感嘆の声が上がります。落ち着いた照明に、深い色の畳や柱の色がスッと馴染み、窓からの自然光がなんとも心地よい室内です。

座布団に座って庭を眺めながらいただくのはこの店ご自慢のバーガー。自家製バンズにボリュームたっぷりの具材をサンドしています。ハンバーグや魚のフライをはさんだものや、愛媛県産素材を使った季節限定のバーガー、根菜サンドウィッチなども人気です。
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座布団に座って庭を眺めながらいただくのはこの店ご自慢のバーガー。自家製バンズにボリュームたっぷりの具材をサンドしています。ハンバーグや魚のフライをはさんだものや、愛媛県産素材を使った季節限定のバーガー、根菜サンドウィッチなども人気です。

ハンドドリップで時間をかけて淹れるこだわりの珈琲、水出しのアイスコーヒー、香り高い紅茶や愛媛県産みかんのストレート果汁ジュースなど、ドリンク類もバラエティ豊富。スイーツと一緒に味わって!
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ハンドドリップで時間をかけて淹れるこだわりの珈琲、水出しのアイスコーヒー、香り高い紅茶や愛媛県産みかんのストレート果汁ジュースなど、ドリンク類もバラエティ豊富。スイーツと一緒に味わって!

物語の世界へ誘う松山の旅をたっぷり楽しんで

いかがでしたか?
坊っちゃんの目を通して漱石が描いた松山の街は、今も変わらず大切に守られ、また再現され、長い年月の中で坊っちゃんとともに生き続けています。漱石ファン、坊っちゃんファン、そしてまだ『坊っちゃん』を読んだことがない人も、本を片手に松山を訪れてみてくださいね。
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いかがでしたか?
坊っちゃんの目を通して漱石が描いた松山の街は、今も変わらず大切に守られ、また再現され、長い年月の中で坊っちゃんとともに生き続けています。漱石ファン、坊っちゃんファン、そしてまだ『坊っちゃん』を読んだことがない人も、本を片手に松山を訪れてみてくださいね。

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