旅行に行けていた頃が懐かしい
文章に現れるその国の文化や「らしさ」
小説を通して世界を旅しよう
イギリス
「シャーロック・ホームズの冒険」コナン・ドイル(著),えすと えむ (イラスト),石田 文子(翻訳),角川書店
フランス
「星の王子さま」サン=テグジュペリ (著),河野 万里子 (翻訳),新潮社
フランス生まれのサン=テグジュペリさんが記したこの本は、大人になってからこそ何度も読み返したくなる本です。星から星へと旅する王子さまとそこで出会った人たちとの会話を通して、「本当に大切なこと」を見つけてみませんか?独特の言い回しや表現方法に、はっと心を動かされるはず。読むたびに新しい発見がありそうです。
スペイン
「執着」ハビエル・マリアス (著),白川 貴子 (翻訳),東京創元社
マドリード生まれの作者が書いた「執着」は、主人公マリアの視点で語られていく哲学小説です。独白のような思考を根気強く読み解いていくプロセスもまた魅力のひとつとなっています。
カナダ
「青い城 」モンゴメリ(著),谷口 由美子 (翻訳),角川グループパブリッシング
「赤毛のアン」でよく知られるモンゴメリの隠れた名作、大人向けラブストーリー。主人公が、実は難しい「好きに生きていく事」をあるきっかけからどんどん実践して輝いていく過程がとても素敵で爽快です。カナダの美しい自然の描写がこの本をさらに魅力的にしています。
ロシア
「モスクワの伯爵」エイモア トールズ (著),宇佐川 晶子 (翻訳),早川書房
20世紀初頭のモスクワ。いまも世界中の名士から愛されるホテル、メトロポールを舞台に上流社会のドラマを描く長篇小説。ロシア人伯爵がその高級ホテルの屋根裏に軟禁されてずっとそこから出られないという生活がこの本には描かれます。どんな境遇でも、紳士の振る舞いを忘れない主人公が魅力的です。
インド
「ブート・バザールの少年探偵 」ディーパ・アーナパーラ (著),坂本 あおい (翻訳),早川書房
インドのスラムの貧困や宗教差別など、社会の闇の部分を舞台にした小説。旅行では決して目にすることのない側面ですが、これは現実なんだ、と思うと胸が締め付けられます。インドの一面を知るためにしっかり向き合いたい本です。
中国
「上海、かたつむりの家」六六 (著),青樹 明子 (翻訳),プレジデント社
上海といえば窓がずらりと並ぶ高層ビルを思い浮かべますよね。その、小さな家(=かたつむりの家)を手に入れるために奮闘する夫婦やその家族を描いた小説です。お隣の国とはいえ、考え方の違いを感じずにはいられない興味深い本です。
台湾
「台北プライベートアイ」紀 蔚然 (著),舩山 むつみ (翻訳),文藝春秋
台北の地名が出てくるので、行ったことがあれば街の雰囲気を思い浮かべながら読み進められます。台湾の作家さんらしい柔らかくほっこりした文章が読みやすく、探偵小説の面白さと相まってあっという間に読み終わってしまうでしょう。
オーストラリア
「少年は世界をのみこむ」トレント ダルトン (著),池田 真紀子 (翻訳),ハーパーコリンズ・ジャパン
世界の住みやすい都市によくランキングされるオーストラリア。良いイメージの裏側で、実は問題になっている麻薬密売や暴力に関する社会問題を描きながらも、最後は希望を持てる内容で読み応え充分です。
日本
「舟を編む」三浦 しをん(著),光文社
国語辞典は学生の頃によく使いますが、どんなふうに作られているのかについてはあまり知られていませんよね。映画化されたことで、よく知られている作品ですが、「言葉」や「文字」の奥深い面白さを再発見でき、何度でも読み返したくなる一冊です。
19世紀のロンドンが舞台のシャーロックホームズは子供の頃に読んだという方も多いかもしれません。でも歳を重ねてから読み直すと、また新鮮な面白さを味わえそうです。昔のロンドンでの暮らしを想像でき、話に引き込まれていきます。