名作を本で読む
本で読みたい名作7選
アメリ|イポリト ベルナール |リトルモア
アメリも、そしてほかの登場人物もちょっと変わり者。ある日出会ったニノに初めての恋をして物語はスピードを上げますが、本ではアメリと1日1日を一緒に生きているかのようにゆっくりとストーリーを追えますよ。パリを思わせるカフェで本を開けば気分もぐんと上がって幸せな休日に*
キャッツ|T.S.エリオット|ちくま文庫
ミュージカル界の不朽の名作「キャッツ」。2020年1月に映画が公開さればかりですが、キャッツの原作が「キャッツ~ポッサムおじさんの猫とつき合う法~」という詩集。作者はイギリスの詩人、トーマス・スターンズ・エリオットで、猫への愛しさが詰まった本です。
ミュージカルや映画は猫たちが歌い踊る壮大なストーリーですが、本書はユーモアがアクセントになったリズミカルな詩集。本を読んでからミュージカルや映画を見ると物語の理解度がさらに深まっていて、より楽しめますよ。かわいらしい挿絵にも注目です。
キューティ・ブロンド|アマンダ ブラウン|ソニーマガジンズ
恋に仕事に頑張る多くの女子たちのバイブルとなった映画といえば「キューティ・ブロンド」。おしゃれで人気者のブロンドガール・エルが、恋に破れたことから猛勉強してロースクールに通い前進するサクセスストーリー。ファッションやメイクもポイントの映画ですが、こちらも同名の原作があります。
原作者のアマンダ・ブラウンもまた、オックスフォードにて法律を学んでいます。キューティ・ブロンドはアマンダの体験が元になったそう。だからか、映画はハーバードですが原作はオックスフォードで、原作のほうが法律用語が多く登場します。しかし明るくポップなのは共通のテーマ。元気とやる気をもらう1冊です。
グリーンマイル│スティーブン・キング│新潮文庫
1999年にアメリカで公開されると大きな話題となった「グリーンマイル」は、翌2000年に日本でも大ヒット。原作はスティーブン・キングの同名小説。ネタバレ防止のために1ヶ月に1冊ずつ、計6冊発表され、日本でも同じく全6巻で発売されました(その後上下巻編集もあり)。刑務所が舞台のファンタジーで、映画を見て涙した人も多いでしょう。
映画と大筋は一緒ですが、映画には登場しないキャラクターや微妙なストーリーの違いがあります。何より、本からはファンタジー要素がより強く感じられますよ。映画は3時間超えの長編映画。本になるとより長いので、原作が出たときと同じく、1ヶ月に1冊読むのがおすすめ。ファンタジーのどきどきを少しずつ味わってくださいね。
ベンジャミン・バトン 数奇な人生|スコット・フィッツジェラルド│イースト・プレス
ブラッド・ピットが主演し話題となった「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」は、スコット・フィッツジェラルドの短編小説が元になっています。「グレート・ギャッツビー(華麗なるギャッツビー)」の作者でもあります。おじいさんの風貌で生まれ、年を追うごとに若返る不思議なお話です。
ブラッド演じるベンジャミン・バトンが後の妻となるデイジーと出会うのは幼少の頃で、ベンジャミンの風貌は落ち着いた紳士。二人が恋に落ちる時どこから見てもお似合いの姿になりますが、その先は夫が若返り妻は老けていきます。映画は感動の大作に仕上がっていますが、原作は短編なので意外なほどあっさり。だからこそ、不思議な後味が心に残ります。
フォレスト・ガンプ|ウィンストン グルーム|講談社文庫
トム・ハンクスが主人公を演じてアカデミー最優秀主演男優賞を受賞した「フォレスト・ガンプ 一期一会」。これまでテレビでも何度も放送されており、見たことある人も多いでしょう。知能指数が人より少し低いけれど、素直さや実直さ、そして運の良さで人生を切り開いていく話です。
こちらにも同名の小説があります。映画とは違うお話を読む気持ちで本を開いてみて。まず、主人公やその周辺人物のキャラ設定から違いますス。トーリーも映画とはかなり異なっており、映画よりも奇想天外。どこに行っても活躍してしまうフォレストに、少し笑って大いに感動しますよ。
魔法使いハウルと火の悪魔(ハウルの動く城)|ダイアナ・ウィン・ジョーンズ|徳間書店
最後は日本アニメ、ジブリ映画から「ハウルの動く城」の原作となった「魔法使いハウルと火の悪魔」です。英国のファンタジー作家、ダイアナ・ウィン ジョーンズによる作品。宮崎駿監督は、他国の民話などに着想を得ることは多くても、原作がある映画は珍しいのだとか。
魔法によって90歳のおばあちゃんになってしまったソフィーと、彼女を手助けする魔法使いのハウル。ストーリーの大筋は同じですが、意外にも現代要素が多くてびっくり。ハウルたちのいる世界が、今いる世界の隣にあるかもしれない、そんな空想をしてしまいます。ハリー・ポッターなど英国ファンタジーに共通して、オリジナルの不思議アイテムがいろいろ出てくるのも見どころですよ。
パリが舞台のキュートな映画「アメリ」は、小説化されていて本で楽しむことができます。空想好きのまま大人になったアメリは、周りの誰かに小さな幸せを運ぶのが大好き。そんなアメリの物語が、かわいい挿絵と一緒に綴られていますよ。