読み聞かせが楽しくなる絵本はいかがですか
- 寒さに負けない体を目指す!ゆらぎがちな冬のご自愛ケアキナリノ編集部
①子供と一緒にわいわい楽しんで読める絵本
『ぺんぎんたいそう』
『じゃあじゃあびりびり』
有名な『いないいないばあ』に並んでファースト絵本のラインナップにおすすめ。日常のさまざまな生活音は、大人からすると慣れて当たり前なもの。しかし、赤ちゃんは初めて聞く音ばかりでびっくり。タイトルにもある水をじゃあじゃあ出したり、紙をびりびり破いたり、彩り豊かな生活音を楽しめる一冊です。赤ちゃんが破こうとしたり齧っても安心なボードブックなのも◎。
『じゃあじゃあびりびり』まついのりこ(偕成社)
『カンカンカンでんしゃがくるよ』
電車が好きな「子鉄」におすすめの電車絵本。どんぐり村だけど、走ってる車両は実在する車両がモデルになっています。電車好きな子供なら盛り上がること間違いなし。貨物列車の車両を数えるシーンもあり、数をかぞえることにも触れられます。電車だけでなくパトカーや救急車など子供が大好きな車も登場。
『カンカンカンでんしゃがくるよ』津田光朗(柳川堂書店)
『うんちっち』
うさぎのシモンは、何を言われても返事をすべて「うんちっち」で返すやんちゃな男の子。ある日、怖いオオカミに問いかけられます…「坊やを食べてもいいかい?」。「うん…ちっち」と答えてしまったシモン。どうなってしまうのでしょうか…。大胆な線とおしゃれな色づかい、そしてインパクトのあるセリフが子供の心を鷲掴みに。うんちが大好きな子にぴったり。オチにもこの年代の子供らしさが詰まっていて「そうくるか~」と笑わせられます。
『うんちっち』ステファニー・ブレイク 著、ふしみみさを 訳(あすなろ書房)
『はみがきれっしゃしゅっぱつしんこう!』
はみがきを素直にさせてくれる子供ってなかなかいないのではないでしょうか。そんな時は、はみがき列車の登場!歯の間に残ったお肉や野菜の食べかすをはぶらしで綺麗に掃除する様子が分かりやすく表現されています。どうしてはみがきをしなきゃいけないのかも伝わりやすく男の子、女の子どちらにもおすすめ。絵柄も可愛く新しくて◎。
『はみがきれっしゃしゅっぱつしんこう!』くぼまちこ(アリス館)
②ささいな日常を愛しいと思える絵本
『くっついた』
ぞうさんが、おさるさんが、あひるさんが…くっついた!そして、ママとわたしのほっぺも。くっつくだけなのに、なんだか幸せな気持ちになる絵本。0歳から読み聞かせすると1歳頃には、子供からほっぺをくっつけてくれるとの声が多数。ほっぺをくっつけて嬉しいのは、実は子供より大人の方かもしれません。
『くっついた』三浦太郎(こぐま社)
『おててがでたよ』
ただ服を着るだけでも、小さい子には大変な作業。まだまだぎこちない姿は愛らしく映ります。服からあたまや手足が出る度にひとつずつ丁寧に「ぱっ」や「ぬう〜」という擬音で表現。自分で着替えを始めたばかりの子供から共感を呼ぶことでしょう。声掛けの参考にも◎。可愛らしくあたたかい絵柄にほっこり。
『おててがでたよ』林明子(福音館書店)
『ここは』
新進気鋭の詩人・小説家でもある作者の初の絵本。赤ちゃんが存在している場所…ママのひざの上や街の中などをさまざまな角度から、短い言葉で繰り返し表していく。読み進めていくと自分の“いま現在”が俯瞰的に捉えられ、だんだん色濃くなっていくよう。ただ存在するだけで肯定されるような感覚になる1冊です。絵は100%オレンジの及川賢治。
『ここは』最果タヒ 著、及川賢治 絵(河出書房新社)
『おべんとう』
空っぽのお弁当箱につぎつぎおかずが詰められていくストーリー。絵も色彩豊かで何よりとてもおいしそうなおかずたち。見ているだけでお腹が空いてきちゃいそう。お弁当作りは毎日の流れ作業のひとつになりがちですが、こうして素敵な絵本になっているととても尊い作業のように感じられます。文章はシンプルで歌詞のような小気味よさ、心にすっと入ってきます。
『おべんとう』小西英子(福音館書店)
『でんしゃはうたう』
なんと全編、電車の中や車窓の風景の絵、そして乗車音や走行音の擬音のみの1冊!電車のドアが閉まる音や鉄橋を渡っているときの音、次の駅に近づいて停止する時の音…。こうして絵本になったものを読んでみると、“電車ってリズムよく歌っているみたい”という事に気づく。独特でユーモラスな擬音の表現は、なかなか一筋縄でスラスラとは読めず、読み聞かせにもだんだん熱が入ってくる。電車が大好きな子供にも◎。
『でんしゃはうたう』三宮麻由子 著、みねおみつ 絵(福音館書店)
③力強い絵や言葉から元気をもらえる絵本
『はらぺこあおむし』
月夜の晩に生まれたあおむし。お腹がぺこぺこでりんごやいちご、すももを次々と食べて行き…。外国の有名絵本と思われがちですが、実は初めて出版されたのはなんと日本!しかけなどがあり採算が合わないと言われていたところ、日本の出版社が興味を持ったそう。果物をひとつ、ふたつ、みっつ…と数える練習になったり、曜日感覚も養えます。何より、あおむしの底知れぬ食欲に生命力を感じずにはいられません。
『はらぺこあおむし』エリック・カール 著、もりひさし 訳(偕成社)
『フレデリック』
フレデリックは変わったねずみ。他のねずみが冬に向けて小麦や木の実を集める仕事をしているのに、何もせずずっとぼんやりしているよう。なぜ働かないの?と聞かれると僕はこれでも働いていると言うのです。そして、厳しい冬が来ました。ピンチを救ったのはなんと…。芸術として言葉のちからを感じられる作品。フレデリックの渾身のセリフをどうぞ読んでみて。
『フレデリック』レオ・レオニ 著、谷川俊太郎 訳(好学社)
『おばけのバーバパパ』
バーバパパはどこから産まれたか知っていますか。なんと庭からなんです。しかも最初は存在を持て余され、動物園に入れられることに。窮屈な檻から逃げ出すと、どこからか火事の気配がして…。バーバパパがやっかいものから人気ものになるまでが描かれています。きっかけに出会うまで、仲間を探そうと形を変えたり夜の街を彷徨ったりと、意外と苦労人。冷たくされても心やさしい姿に勇気をもらえます。最後のあいさつが明るくて◎。細い線で描かれたバンド・デシネ風のおしゃれな絵本。
『おばけのバーバパパ』アネット・チゾン/タラス・テイラー 著、山下明夫 訳(偕成社)
『オレときいろ』
とある1匹の猫が様々な“きいろ”と出会う。きいろは虫、草、生き物、桜…すべての生命を表現している。この絵本を読んでいる元気な子供たちのパワーにもきっと負けないくらいのパワフルでダイナミックな絵柄。文章は少なく、猫の唸り声や鳴き声、駆ける足音などが続く。猫の“オレ”になったつもりで子供と一緒に声に出して思いきり読んでみて。
『オレときいろ』ミロコマチコ(WAVE出版)
『サラダでげんき』
病気のお母さんのためにサラダを作るストーリー。色んな動物がおいしいサラダになるようにアドバイスをくれます。なんと最後は飛行機に乗ってアフリカからゾウが…!鮮やかな色づかいにも元気がもらえる。文章は、テンポ良く読んでいて気持ちよい。やさしいりっちゃんにじんとくる。
『サラダでげんき』角野栄子 著、長新太 絵(福音館書店)
④絵本だからこそのユーモアを楽しみたい
『きんぎょが にげた』
きんぎょが逃げて、部屋の色んなものに擬態していく絵本。現実にはあり得ないことなのに、五味太郎さんの世界観だとすんなり受け入れてしまいます。まるで魔法にかかったよう。無駄を削ぎ落とした文章は、詩のようにリズムよく読むことができます。
『きんぎょが にげた』五味太郎(福音館書店)
『おばけのてんぷら』
うさぎちゃんが天ぷらを揚げていると、匂いを嗅ぎつけたおばけがやってきた。つるっと滑って衣の中にどぼんしたおばけ。もしかして、カラッと揚げられてしまうの…?タイトルから既にユーモアに溢れている1冊。予想もつかないストーリーにページを捲るのがもどかしくなります。
『おばけのてんぷら』せなけいこ(ポプラ社)
『だるまちゃんとてんぐちゃん』
昔ながらなのに可愛くて色褪せない魅力的なキャラクターたちが登場。てんぐちゃんが持っているものが羨ましいだるまちゃん。似ているものを探すため描かれたたくさんの帽子や靴の絵は、子供も見ていてワクワク。遊び心が詰まっています。まるで幼い子供の友達とのやり取りを見ているようで、読んでいると和んできます。
『だるまちゃんとてんぐちゃん』加古里子(福音館書店)
『もう ぬげない』
服を脱ごうとしてひっかかってしまった男の子の苦悩のストーリー。脱げないまま、一体ぼくはどうなってしまうのか…。とある男の子の思考をユーモアたっぷりに描いている。ひとり言のような文章は思わず感情移入して気持ちを込めて読んでしまう。手書きの文字も味があってとても◎。最後まで何度も笑ってしまうこと請け合い。
『もうぬげない』ヨシタケシンスケ(ブロンズ新社)
『しろくまのパンツ』
パンツを無くしてしまったしろくまくんと一緒に探してあげる事にしたねずみくん。小さいパンツやしましまのパンツ、帽子のパンツ…でもしろくまくんのは見つかりません。一体どこに?赤いパンツ型の帯がついている装丁が可愛い。仕掛けのページも色鮮やかで大人でも見ていて楽しめますが、穴が開いているため子供が小さいと破いてしまうかも。思わず笑ってしまうオチは必見。2〜3歳におすすめの絵本。
『しろくまのパンツ』tupera tupera(ブロンズ新社)
とても可愛いペンギンと黄色い表紙が目を引く絵本。首を引っ込めたり伸ばしたり、ジャンプをする様子はまるで体操をしているみたい!その様子を動物園で見ていたことが絵本を描くきっかけになったそう。1ページごとのペンギンのイラストはどれも可愛くてきゅんとしてしまいます。絵本の愛らしいペンギンのように子供も一緒に体操をして楽しめる一冊です。ママパパも子供といかがですか?0歳からOK。
『ぺんぎんたいそう』齋藤槙(福音館書店)