都内でもひときわセンスの良い飲食店や古着屋、雑貨屋などが並ぶ代々木上原の商店街。その通りの“ふつうのビル”を3階まで上がると、週末限定の花屋<edenworks bedroom(エデンワークス ベッドルーム)>があります。
花屋といえば路面店で季節の花々を軒先にディスプレイする、そんなイメージを覆すたたずまい。中に入ると、ワンルームの中央に大きなベッドがあり、その上に置かれた花々をフローリストと花を求める人たちが囲んでいます。みんな温かい表情で花について語り合う──ここはまるで秘密の花園です。
お店を立ち上げたのはCharaや米津玄師といったそうそうたるミュージシャンのアートワークを花で彩るフラワークリエイター・篠崎恵美さん。店名に“bedroom”と名付けたのには理由があります。
「花の仕事に就く前は引っ込み思案で、うまくコミュニケーションを取れない時期がありました。花に携わっていく中で、シャイな部分が解き放たれ、接客するのが好きになったんです。
だからこそ、プライベートな空間である“寝室”に招き、花を持ち帰ってもらうというコンセプトでお店を作りました。一人ひとりのお客様と花を通して繋がる関係性を大切にしています」
休日の昼下がり、友達の家を訪れるような気持ちで<edenworks bedroom>へ。
花屋といえば路面店で季節の花々を軒先にディスプレイする、そんなイメージを覆すたたずまい。中に入ると、ワンルームの中央に大きなベッドがあり、その上に置かれた花々をフローリストと花を求める人たちが囲んでいます。みんな温かい表情で花について語り合う──ここはまるで秘密の花園です。
お店を立ち上げたのはCharaや米津玄師といったそうそうたるミュージシャンのアートワークを花で彩るフラワークリエイター・篠崎恵美さん。店名に“bedroom”と名付けたのには理由があります。
「花の仕事に就く前は引っ込み思案で、うまくコミュニケーションを取れない時期がありました。花に携わっていく中で、シャイな部分が解き放たれ、接客するのが好きになったんです。
だからこそ、プライベートな空間である“寝室”に招き、花を持ち帰ってもらうというコンセプトでお店を作りました。一人ひとりのお客様と花を通して繋がる関係性を大切にしています」
休日の昼下がり、友達の家を訪れるような気持ちで<edenworks bedroom>へ。
白を基調にしたベッドルーム
微かに日差しが入る寝室のような店内には、新鮮な花々の“色”が眩しいほど際立ちます。
「この空間の中で、有機的なものは花だけでいい。花が引き立つよう、他は無機質にしています。花にしか色彩のない部屋にしたかったので、インテリアや花瓶に色素を入れないようにしました」と篠崎さん。
たしかに周りを見渡せば、置かれているインテリアは白やグレーに統一されています。黒いイメージが強いピアノまでも淡い色に。花瓶も全て透明なので、花だけが存在感を放ちます。
「この空間の中で、有機的なものは花だけでいい。花が引き立つよう、他は無機質にしています。花にしか色彩のない部屋にしたかったので、インテリアや花瓶に色素を入れないようにしました」と篠崎さん。
たしかに周りを見渡せば、置かれているインテリアは白やグレーに統一されています。黒いイメージが強いピアノまでも淡い色に。花瓶も全て透明なので、花だけが存在感を放ちます。
目が合って惹かれた大切な花々
ベッドの上に並ぶのは、ユニークな形をしている珍しい品種や、発色が美しい染め花など個性豊かな花々。花を仕入れる中で、篠崎さんが大切にしていることを教えてくれました。
「市場に行くと、花と目が合って“ドキッ”とする瞬間があるんです。花も人間と同じ生き物。自分自身の直感を大切にして仕入れています。惹かれた花だからこそ、売れ残って廃棄するのはどうしても抵抗がある。週末営業なのも、仕入れと廃棄のバランスをとるためです」
「市場に行くと、花と目が合って“ドキッ”とする瞬間があるんです。花も人間と同じ生き物。自分自身の直感を大切にして仕入れています。惹かれた花だからこそ、売れ残って廃棄するのはどうしても抵抗がある。週末営業なのも、仕入れと廃棄のバランスをとるためです」
(写真左上)小ぶりで可愛いチューリップは球根付きのポリクローム。(写真右上)花弁のグラデーションが綺麗なデルフィニウム ハイランダ。(写真下)お店で染めたオンシジウム コンパレティア。
黄色い小さな花と、自由に伸びる茎の姿が優雅な南アフリカ原産のメラスフェルラ。
ぬくもりを感じる枯れない花
お店の一角には紙の花<PAPER EDEN>も販売。一つひとつフリーハンドで紙に線を引き、切り取り、組み立ているのだそう。愛らしい作品からは作り手のぬくもりを感じられます。
「きっかけは母が作っていた紙の花。当時フラワーアーティストとして何を創作するべきか悩んでいた時に、母の作品を思い出しました。手作りの温かみは残し、新しい感覚を用いてグラフィカルに構成した作品です」
「きっかけは母が作っていた紙の花。当時フラワーアーティストとして何を創作するべきか悩んでいた時に、母の作品を思い出しました。手作りの温かみは残し、新しい感覚を用いてグラフィカルに構成した作品です」
(写真上)POST FLOWERシリーズのカーネーション。パッケージに切手を貼ればポスト投函も可能。1個3,500円+税。(写真下)新作stone vaseのフリチラリア。
花畑のような生命力溢れるブーケ
篠崎さんにはブーケを編む際に、大切にしているイメージがあります。それは、花畑のように自然な状態に束ねること。
「例えば、自然界の花畑に主役と脇役という概念はありません。葉っぱも、小さな花も、大きな花もみんな主役。そんな一つの世界をブーケで表現することが私の理想です。私たちが束ねた生命力溢れるブーケを家に飾ることで、パワーをチャージしてくれたらなと思っています」
「例えば、自然界の花畑に主役と脇役という概念はありません。葉っぱも、小さな花も、大きな花もみんな主役。そんな一つの世界をブーケで表現することが私の理想です。私たちが束ねた生命力溢れるブーケを家に飾ることで、パワーをチャージしてくれたらなと思っています」
今回はスタッフのはなこさんにブーケを編んでいただきました。選んだ花はラナンキュラス、スイートピー、エピデンドラム、フランネルフラワーなど。花の自然なしなりは整えず、360度どこから見ても自然な状態を保ちます。
花畑のようなブーケが完成。季節や仕入れの状況で変動はありますが、こちらのブーケで8,000円+税。
系列店<PLANT by edenworks>に持っていくと、この花束を朽ちることのないドライフラワーにすることもできます。
SHOP DATA
edenworks bedroom│エデンワークス ベッドルーム
東京都渋谷区元代々木町8-8 3F
☎︎なし
営業時間:13時~20時/土日のみ営業
店内ではブーケはもちろん、花を1本から購入可能。ブーケは店頭オーダー、ネットでの注文ができ、全国配送も対応している。「大切な花だからこそ無駄にしたくない」という篠崎さんの考えから、渋谷区富ヶ谷にはドライフラワー専門店<EW.Pharmacy>も。また新宿のNEWoManには、毎日営業する花屋<ew.note>がある。
東京都渋谷区元代々木町8-8 3F
☎︎なし
営業時間:13時~20時/土日のみ営業
店内ではブーケはもちろん、花を1本から購入可能。ブーケは店頭オーダー、ネットでの注文ができ、全国配送も対応している。「大切な花だからこそ無駄にしたくない」という篠崎さんの考えから、渋谷区富ヶ谷にはドライフラワー専門店<EW.Pharmacy>も。また新宿のNEWoManには、毎日営業する花屋<ew.note>がある。
<edenworks bedroom>を訪ねて
グレーで統一されたお店の中は、入ってみるとなんだかとっても居心地がよく、ゆっくりお花を選ぶことができます。緊張感がありそうに見えて、実は穏やかで柔らかい場所だと思います。
<edenworks bedroom>のブーケは、お家で飾りながら弱ったお花からお別れをしていってもずっと物足りなさがないブーケです。減らしていっても常にバランスが取れていることが不思議だなあといつも眺めています。(石田)
<edenworks bedroom>のブーケは、お家で飾りながら弱ったお花からお別れをしていってもずっと物足りなさがないブーケです。減らしていっても常にバランスが取れていることが不思議だなあといつも眺めています。(石田)
写真:石田真澄
編集・文:恩田栄佑
編集・文:恩田栄佑
ベッドの上に置かれた切り花の他にも、観葉植物や鉢植えなども販売。