六本木駅と渋谷駅と表参道駅の真ん中あたり。人と車が行き交う大通りを一本裏に入ってみると、緑と花々に溢れた花屋がある──南青山の<Le Vésuve(ル・ベスベ)>。少しだけ見つけにくい“隠れ家”のような場所に位置するこのお店、日本全国にファンが存在し、クリエイターや業界人も贈り物をする時に御用達の老舗です。
代表の松岡龍守さんとフローリストでデザイナーの故・高橋郁代さんが1997年4月に開業。時代やトレンドに流されず、四季折々の花を届けて25年目を迎えます。少しだけ歴史を感じさせる建物と、その外観を覆うように置かれた植物、色とりどりの初春の花、それから受け継がれるブーケ。4代目の店主となる木津谷優子さんは語ります。
「久々にお店に訪れたお客さんも思わず、懐かしい!とおっしゃってくれます。ブーケを作るときは、高橋が大事にしていた“花と色の流れを大切にすること”を受け継いで、それぞれが解釈し編んでいます」
<Le Vésuve>の変わらない魅力を探しに、お店の扉を開きます。
代表の松岡龍守さんとフローリストでデザイナーの故・高橋郁代さんが1997年4月に開業。時代やトレンドに流されず、四季折々の花を届けて25年目を迎えます。少しだけ歴史を感じさせる建物と、その外観を覆うように置かれた植物、色とりどりの初春の花、それから受け継がれるブーケ。4代目の店主となる木津谷優子さんは語ります。
「久々にお店に訪れたお客さんも思わず、懐かしい!とおっしゃってくれます。ブーケを作るときは、高橋が大事にしていた“花と色の流れを大切にすること”を受け継いで、それぞれが解釈し編んでいます」
<Le Vésuve>の変わらない魅力を探しに、お店の扉を開きます。
花のグラデーションに囲まれて
お店に入りまず目に入ってきたのは、花々のグラデーション。
入り口手前から、寒色、黄色、オレンジ、ピンク、赤とグラデーションになるように配置されていました。
「お客さんが見やすいようにと始めたのがきっかけ。開業して以来、25年間この配置を守り続けています」と代表の松岡さん。
うっすらと暗い店内では花の色彩がぐっと際立って見えます。
入り口手前から、寒色、黄色、オレンジ、ピンク、赤とグラデーションになるように配置されていました。
「お客さんが見やすいようにと始めたのがきっかけ。開業して以来、25年間この配置を守り続けています」と代表の松岡さん。
うっすらと暗い店内では花の色彩がぐっと際立って見えます。
目利きが光る季節の花々
センスよく並べられた花の仕入れはすべて松岡さんが担当。取材時(1月中旬)は、みずみずしい黄房水仙が並んでいました。
「たとえば、他の店でよく売れるかすみ草や、イベントで需要が高まるカーネーションは置きません。季節の花を届けることが私たちの仕事だと考えています」(松岡さん)
「たとえば、他の店でよく売れるかすみ草や、イベントで需要が高まるカーネーションは置きません。季節の花を届けることが私たちの仕事だと考えています」(松岡さん)
日光を浴びる可憐な勿忘草(写真上)。茎を短く切ったダリア(写真左)のように、ブーケを編む際に折れた花や、売れ残った花が、小さなバケツや空き瓶(写真右)に飾られています。
白い花と緑のサンルーム
お店の奥に行くと白い光に包まれた部屋があります。
この日並んでいたのは、白と緑のコントラストが美しいカラーやラナンキュラス、マーガレット、レースフラワーなど。
「グラデーションで花を配置する中、じゃあ白い花をどこに置こうかと考えていて。その時、白い花だけの部屋を作ろうと思い立ちました」と松岡さんは話します。
日の光が部屋中に置かれた白い花を反射し、明るく気持ちの良い空間です。
この日並んでいたのは、白と緑のコントラストが美しいカラーやラナンキュラス、マーガレット、レースフラワーなど。
「グラデーションで花を配置する中、じゃあ白い花をどこに置こうかと考えていて。その時、白い花だけの部屋を作ろうと思い立ちました」と松岡さんは話します。
日の光が部屋中に置かれた白い花を反射し、明るく気持ちの良い空間です。
店頭に並ぶ鉢植えも松岡さんが手がけています。鉢植えの販売やお店や個人宅の花壇や庭を作るプロジェクト<Le Vésuve POT’S>もスタート。
店主が編む春のブーケ
雑誌『&Premium』の連載「&days」でフラワースタイリングも担当する木津谷さん。彼女のブーケのファンも多い。
「ブーケを作るとき、贈る方の性別やお洋服の趣味が分かると想像しやすいです。お店に来ていただいて、お客さんと一緒に作るのも楽しいひとときです」
今回の取材では、春をテーマにブーケを編んでくれました。
「ブーケを作るとき、贈る方の性別やお洋服の趣味が分かると想像しやすいです。お店に来ていただいて、お客さんと一緒に作るのも楽しいひとときです」
今回の取材では、春をテーマにブーケを編んでくれました。
選んだ花はピンクやオレンジのチューリップ、ラナンキュラス、クリスマスローズなど。青々としているのはケールの葉。
春の花と緑をふんだんに使った春のブーケが完成。季節や仕入れの状況で変動はありますが、こちらのブーケで8,000円+税。
SHOP DATA
Le Vésuve │ル・ベスべ
東京都港区南青山7丁目9-3
☎︎03-5469-5438
営業時間:11時~17時/火曜日休
店内ではブーケはもちろん、花を1本から購入可能。店先にはさまざまな鉢植えが並び、お店に併設する<Le Vésuve POT’S>で販売中。ブーケは店頭オーダー、電話、ネットでの注文ができ、全国配送も対応している。
東京都港区南青山7丁目9-3
☎︎03-5469-5438
営業時間:11時~17時/火曜日休
店内ではブーケはもちろん、花を1本から購入可能。店先にはさまざまな鉢植えが並び、お店に併設する<Le Vésuve POT’S>で販売中。ブーケは店頭オーダー、電話、ネットでの注文ができ、全国配送も対応している。
<Le Vésuve>を訪ねて
森の中のようなル・ベスべでお花を探すときは、いつもじっくり時間をかけてしまいます。入口付近に色のグラデーションで飾られているお花たちはもちろん、並んでいる花瓶の間にちょこんと小さく飾られている数輪のお花がとっても可愛らしいです。家に帰ったらこんな風に小さいグラスに飾ろうと思いながらお花を選べるお店です。(石田)
写真:石田真澄
編集・文:恩田栄佑
編集・文:恩田栄佑
上品な桃色のラナンキュラスが、暖かい春の気配を感じさせてくれます。