ネットショッピングって楽しいけれど…。
ネットショッピングの割合はどれぐらいですか?SNS上から購入が可能になったこともあり、魅力的な写真や紹介文が店舗以外でも見かけられるようになりました。でも、せっかくのお金のいくらかを使って、何かを購入したとしても…。「何か違う」「結局使わなかった」「特段嬉しかったのは買った時だけ」。次から次に物を欲しくなってしまうのであれば、その買い物は必要だったのでしょうか。本当のお気に入りを自分で見つけるためには、どうするべきでしょうか。
お金を払うことを楽しんでいるだけの私たち
まずは、買い物についての前提から考えてみましょう。お金を払うこと、買い物をすること、それを選ぶのが実店舗ではなくインターネット上であること。「どうして買い物が上手くなれないんだろう?」と悩む前に、確認すべきことがあります。
1「最高」なのは当たり前
口コミについて考えてみましょう。自分自身の買ったものをどのタイミングで紹介したいと思いますか?「これ買ったんだ〜」と言いたくなるのかも考えましょう。大抵の場合、使い始めて「すぐ」の頃です。新しいものは、全て便利で、新鮮です。これを買ってよかったと思いたい心理もあります。それにほとんどの商品は、これを生み出すべきだと考えて、「最高」と思って世に出した人が必ずいます。誰かは最高の商品だと紹介するのは当たり前です。
2 消費にはきりがない
美しいものや人気なものについては、「これしかない」と売り切れを心配してしまいますが、必ず杞憂に終わります。なぜなら、心惹かれるプロダクトがまた違う形で現れるからです。私たちの、生きるために必要な最低限の物質以外の買い物は、全て《娯楽》なのです。それがまな板であっても、爪切りであっても。お金を払って便利さや楽しさを追求する私たちは、自分からアトラクションに乗って、楽しんでいるだけだと理解しましょう。
3 買い物は半分以上は失敗するものと心得る
本当に全員が満足できる買い物をできてしまったら、メーカーや商社は商売上がったりです。だから新しい物をすぐに私たちに差し出します。意地悪な意図は全くありません。経済を回すため、売り上げを伸ばすため…それだけです。私たちはふと商品を見るだけ。彼らは仕事として1日中、「どうすれば欲しがってもらえるか」を考え続けてお給料をもらっています。勝てるはずがないということをまず受け止めましょう。買った物全てに私たちが満足できるなんて、あり得ません。
どう買い物をすれば満足できる?
抽象的な「自分目線でものを選ぶ」「自分の軸を作る」なんて耳障りのいい言葉で、背骨が作れるわけはありません。ふわふわとした言葉を読んで満足して、財布を引き締めた気でいても、すぐに緩みます。必要なのは知恵を仕入れることではなく、実行することです。
4 一番ほしい物以外見ない
溢れてくる物欲。実際、買わないと生活もお洒落も何もかも、やっていけません。これもまた事実です。ミニマリストではなく、マキシマリストの発言にも耳を傾けてみると、ヒントが見えてきます。「ほしいものが見つかったら、それ以外見ちゃいけない」。何か買いたいものが見つかれば、それを手に入れるまで、他のものを買わないと決めてみることです。もっと良いものが見つかったのなら、目標を変更して、それを買うまで何も買わないことです。そうすれば、満足できます。一番ほしかったのですから、当たり前ですが。
5 優先順位のリストを作って毎日見直す
リストを作ることは大切です。(作ることも楽しみのひとつになるかと思います。)もちろん、1位のものから買っていくために作成するものです。欲しい上に必要なものを買えば、文句なしに満足できます。このリストへの急な割り込みを許すことが、買った後の「お金を使ってしまった」「買った割に満たされない」に繋がってしまいます。きちんとストップをかけて、リストに新たに加えていく作業に慣れてください。新規のエントリーで1位に躍り出られることはほとんどないとわかるはずです。
6 セール中に物を選ばない
リストに載っているものの内のどれかがセールになったのであれば、購入すべきでしょう。お得な期間まで待って良かったですね。しかし、セール中に品物を物色するのはやめておいた方がいいでしょう。リストを無視する…要するにあなた自身の本当の望みを無視してお金を使う羽目になりかねないからです。オンラインショップのセール中に見るべきは、ウィッシュリストです。安くなっていたとしても、お金を払うことには変わりはないのですから。そして、その額は、最もほしいものを買うための足しにできます。
買う前に自分にかけるべき質問3つ
それでも日常シーンで、買うことは必要になってきます。ウィッシュリストのもの以外でも、買わなくてはいけないものはたくさんありますね。例えば、もうすぐ切らしてしまいそうな化粧水、どうしても欲しくなった限定品のアイシャドウ。全て我慢するわけにはいきません。ただ、それらを選んで買う時も、お金を使ってしまうだけに終わらない選び方をするため、これらの問いかけをしてみてください。
7 「そのおすすめって、本物?」
「商品の宣伝よりも、一般人の口コミの方が信頼ができる」…というのは、もう過去の話だと思います。商品をおすすめすること、それが広まっていくこと、要するに人々に影響を与えることへの快感を覚えた人があまりにも増えてしまいました。大抵の一般人のおすすめは、勧めているのではなく、買ったことを報告しているだけです。「買って良かった」のは当たり前だと思ってください。そう感じるために、わざわざお金を払ったのです。
8 「それ、ごちゃつくだけじゃない?」
映画のセットを作るとき、裕福で豊かな家を演出する際は、高級品を揃えつつも、物を置きすぎないようにします。逆に、貧しい家を演出する際は、多くの物を雑多に配置します。物が少なく、余白が多く、ひとつひとつが上質であることが、豊かさや満たされていることの表現になるということです。もちろん、人に見せびらかすための豊かさは諸刃の剣なので推奨できませんが、物を選ぶための基準として、この“印象”は参考にできると思います。煩雑になる印象を加えるよりかは、無い方がマシです。今まで無くても問題はなかったことも思い出してください。
9 「誰かに否定されても買いたい?」
私たちは、誰かに見せるために、何かを買うことに慣れてきました。それも、顔も知らない人たちのためが大半です。もし、その人たちの目が、すべて批判的であったとしても、それを欲しがることができるかどうか考えてみてほしいのです。そもそも買い物は自分自身のためにすることです。自分が満足すれば、誰に何を言われても構わないはずなのですが…。そう思えないのであれば、買わない方がいいと思います。「私はこれがいいと思った」と立ち向かえる物以外、買ってはいけないのです。
最後に
ある日、誰もが憧れるブランドの高価なワンピースを試着して、鏡の前で心が冷えました。その日私が家から着てきた服は、試着したワンピースの3分の1の値段でした。しかし、ワンピースの試着と購入への喜びが、今日着ている服の3倍かどうかと考えると、答えが出なくなりました。結局、そのワンピースを買いませんでした。きっと購入報告とともに写真をインターネット上にアップすれば、誰かが褒めてくれたでしょう。しかし、買う必要はありませんでした。私は欲しくなかったので、それで良かったんです。
10 自分のために買い物をすること
「お金で幸せは買えない」という台詞に、「デパートで買い物をしたことがないのね?」と返すドラマのワンシーンがあります。このシーンには、会話をする2人の間に認識の溝がありました。前者は、「お金の有無よりも、自分自身の気持ちと行動次第だ」と言っています。そして後者は、「買い物で充足感を得ることは可能だ」と言っています。この2つの意見は矛盾しないと私は思います。使い道や選び方の話です。買い物をするために生きるよりも、より豊かに生きるために買い物をすること。買い物をするから楽しい状況よりも、より大きな楽しみのために買い物をする状況を。これらを実現するのは自分自身です。社会でも他人でも誰でもなく。