わたしが買った「家」と「暮らし」
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わたしが買った「家」と「暮らし」 vol.4-澤麻紀さん

写真:きくちよしみ 協力:cowcamo  文:キナリノ編集部

新築にはない味わいを持つ、「一点もの」の中古物件を紹介するサイト『cowcamo(カウカモ)』。ここで物件を購入した女性に、なぜ家を持とうと思ったのか、どんな暮らしをしているのかを伺う連載です。今回は、約1年かけて家を購入、リノベーションした女性の家にお邪魔しました。理想の暮らしを求めて購入した住まいで暮らしを楽しむ人の、過去・現在・未来の暮らしをご紹介します。

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2019年12月06日作成
【連載】わたしが買った「家」と「暮らし」 vol.4-澤麻紀さん
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【連載】わたしが買った「家」と「暮らし」 vol.4-澤麻紀さん
【連載】わたしが買った「家」と「暮らし」 vol.4-澤麻紀さん
おしゃれで、気取らずに余裕のある雰囲気が心地良い街・渋谷区富ヶ谷。おいしい飲食店やパン屋さんも多いので、食べることが好きな人にはたまらない街です。
好きな世界観を突き詰めて、ほぼフルリノベーションした部屋で暮らす澤さんのお家にお邪魔しました。
【連載】わたしが買った「家」と「暮らし」 vol.4-澤麻紀さん
〈profile〉
名前:澤麻紀
年齢:44歳
仕事:ITマーケター
通勤時間:会社が「出社しない働き方」を推奨しているため、通勤は週1回片道40分
家を買うこと
――家を買うことになった経緯を教えてください。

人形町のマンションに賃貸で住んでいたのですが、ある日突然大家さんから家賃を1万円上げます、という内容証明が届きました。1万円は生活に関わる金額ですし、いきなり内容証明を送ってくる、ということにも腹が立ちました。でも、その頃母親が病気になって、東京と地元の大阪を行き来する忙しい生活の中で戦い続けるのに疲れてしまって、泣く泣く更新することに。その出来事をきっかけに家を買うことを決めて、いろいろ探し始めました。
――探し始めてからは、スムーズに進みましたか?

最初は大手住宅サイトから見ていたのですが、ちょっと怖くて「問い合わせる」ボタンを押す勇気がなかなか出ませんでした。そんな状況のときに、ランチをしていた友人が「わたし、家を買ったの」と突然言い出して(笑)。その友人はcowcamoで家を買ったんですけど、これから書類に判子を押しに行くというのでついていってみました。そのときにエージェントさんと話をして、後日セミナーに参加したりした後にcowcamoで家を探すことに。そこからは母の病気のこともあってインターバルもありつつ、1年ほどかけて家を探しました。
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――大阪にいるお母さんのサポートを東京からするのはすごく大変そうです。

ここ3年くらいは本当に激動でした。母が去年の6月に亡くなって、その後しばらくは大阪に残って手続きや整理をしていたのですがすごく大変で。でも、母の人徳のおかげなのか近所の人が助けてくれて、優しさに感謝することを知りました。他人のつらい気持ちもわかるようになったし、性格がかなり変わりました。その頃は仕事も大変な時期だったので、いろいろ乗り越えて人間としてアップデートできたと思います。
実家での母との闘病生活、その後のいろいろな整理でひさしぶりに近所の方々と交流して助けられたことで、きちんと根を張って生きることの良さも知りました。そんな中でエージェントさんから連絡をいただき、家探しを再開しました。

――大変なことが重なっていたのに、家を買えたのはなぜでしょう?

すごく大変でしたけど、どうしても45歳までにローンを組みたいという気持ちがあって。金利のことなども考えると、そこまでに決めたいなと思っていました。ただ、ちょうど友達がcowcamoで家を買っていたことで家探しを始められたので、すごくタイミングも良かったです。
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――1年の家探しの期間で、エリアと家の探し方は変化しましたか?

前に住んでいた人形町を気に入っていたので、最初は東京の東側で探していました。でも、そのあたりって物件がすごく少ないんです。そこからエリアを少し広げたら気に入った物件を見つけて決めかけていたのですが、猫を飼えないことが発覚してやめました。それから家探しを少し中断していたのですが、再開後に参宮橋に行ってみたら街の雰囲気が気に入って、このあたりで探そう!ということになりました。参宮橋は単身者でもアウェー感がなくて、一人でもコミュニティに入っていけそうな大人の感じが気に入ったんです。結局、明るくて間取りが気に入った家が富ヶ谷で見つかったのでここに決めたのですが、今のマンションもアウェー感はなくて居心地が良いですね。

賃貸で住んでいた頃はとにかく便利であることが重要で、駅近で食洗機がついていてハイスペックなものを求めていました。でも、人形町の家は北向きで、寒くて暗くて植物も育たないから悲しくなってしまって。それがあったので、家を買うときには日当たりを重視しました。大事にしたいポイントが全然違いましたね。
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――最初から中古物件を探していたのですか?

そうですね。新築は高くて、そこから価値が下がってしまうのが嫌だったので中古物件で考えていました。でも、最初イメージしていたのは新築のような見た目の家で、自分の好きなようにリノベーションできることは知らなかったです。cowcamoで家探しをしていく過程で、意外と自分の予算内で好きなようにできるとわかったので良かったです。今までたくさん引越しをして色んな家に住んできたし、探している過程でたくさんの家を見ていたらだんだんと自分の希望がわかってきて、結果的にリノベーションをすることになりました。家探しとリノベーションが、今まで住んできた・見てきた家の集大成のような感じです。

――リノベーションにはどれくらい時間がかかっていますか?

2ヶ月くらいですね。家を買って、リノベーションの期間は家賃とローン、両方の支払いがあったので初期費用にそれも考慮しなきゃいけないものなんだなと思いました。でも、いざ決心してしまえば払えるものですね(笑)。
リノベーション/インテリアについて
【連載】わたしが買った「家」と「暮らし」 vol.4-澤麻紀さん
玄関の土間は、廊下とシューズクローゼットの両方から出入り可能。

玄関の土間は、廊下とシューズクローゼットの両方から出入り可能。

――リノベーションのイメージが、「フランス人の実家」だったとcowcamo graphでのインタビューにありましたが、どんなイメージなのでしょう?

実は、フランスの田舎には行ったことがないんです(笑)。10年以上前にテレビで一瞬見たフランスの田舎のイメージが刷り込まれています。検索してもなかなか出てこないので、リノベーション会社さんにイメージをわかってもらうのが難しかったです。

――どうやって進めていったのですか?

イメージの言語化が難しかったので、まずは「Pinterest(ピンタレスト)」*でだいたいの方向性を一緒に考えて、細かな部分は自分で決めました。タイルはガサガサした感じがいい、とか壁はクリーム色、天井はむき出し、アイアンっぽい、無骨な感じがいいですとか。北欧っぽい雰囲気になりそうな気がしたので、いろいろアドバイスをいただきながら、こだわりのある部分はしっかり自分で決めていきました。
*WEB上の画像を集めてブックマークできるサービス
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――インテリアでの「フランス人の実家」はどんな感じなのでしょう?

実家のごちゃっとした生活感が好きなんです。何でも隠してすっきりきれいにするよりは、ごちゃごちゃしているけれど生活しやすそうな感じがいいです。自分の実家も古くて、決しておしゃれではなかったけれど落ち着く感じが好きだったので、今の家では実家のような居心地の良さを出したい気持ちがあります。引き出しや見えない所に隠してしまうと収納の中を散らかしてしまうタイプなので、あえてオープンにして生活感を出しつつも整えるように心がけています。

ソーイングボックスは、ドイツのヴィンテージ。ヴィンテージ家具店のInstagramで一目ぼれし、問い合わせて買ったものだそう。

ソーイングボックスは、ドイツのヴィンテージ。ヴィンテージ家具店のInstagramで一目ぼれし、問い合わせて買ったものだそう。

長野の古材や古道具を販売するお店、「リビルディングセンタージャパン」が東京でイベント出店していたときに見つけたランプシェード。

長野の古材や古道具を販売するお店、「リビルディングセンタージャパン」が東京でイベント出店していたときに見つけたランプシェード。

――インテリアはイメージ通りになりましたか?

家具は一気には揃わないので、前の家から持ってきたものも多いです。古ぼけたサイドボードが欲しいな、と思いつつも見つかっていないですし。家具は、Instagramで以前買ったことがあるショップをフォローして、定期的にチェックしています。

――家に絶対に置きたくないものはありますか?

ちょっと細かいのですが、猫用グッズでやたらと肉球やハートの絵が入っているものだけはどうしても受け入れられません。何で入ってるんでしょうね(笑)。
好きなもの/今とこれからの暮らし
【連載】わたしが買った「家」と「暮らし」 vol.4-澤麻紀さん
――子どもの頃から好きなものはありますか?

鳥を見ることと、編み物です。小さい頃は双眼鏡を持って鳥を見に出かけたり、図鑑を読みふけったりしていましたが、今はしていないです。実は、日本野鳥の会の会員だったこともあります。今は鳥の代わりに植物を育てるようになりました。でも、図鑑は1冊だけ残していますし、日本にいる鳥ならだいたいわかります(笑)。前に住んでいた人形町ではほとんど鳥がいなかったのですが、今は緑が多い環境で鳥の鳴き声で季節を感じたりもできるので幸福度が高いです。

編み物は今も続けていて、ソファーで編んでいることが多いです。母が編み物の仕事をしていたので、その影響もあると思います。
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――家の中にいることが多いですか?

仕事も週1~2くらいで出かければよいので、家にいることが断然多いですね。家事も結構好きで、料理もします。趣味が編み物と植物くらいなので外に出ることがあまりないので、意識的にジムに通って運動するようにしています。家では猫と遊んでいることも多いですね。

今の家で暮らし始めてから飼っている愛猫・キャスパーくんのスペース。恥ずかしがり屋さんのため、取材時は姿を見せてくれませんでした…。

今の家で暮らし始めてから飼っている愛猫・キャスパーくんのスペース。恥ずかしがり屋さんのため、取材時は姿を見せてくれませんでした…。

――この家を買うタイミングで、猫を飼うと決めていたのでしょうか?

子どもの頃に飼っていたこともあり、賃貸に住んでいるときからずっと飼いたかったです。でも、ペット可だとどうしてもコストがかかってしまうし、更新前に決めようと思うとなかなか条件に合う物件が見つからなくて決められなかったです。買うとなったら絶対に後悔したくないので猫を飼える物件にこだわりました。探していく中で、意外とヴィンテージマンションはペット不可の所が多いことを知りました。今の家はペット可ですし、細かく言われたりもしないのでよかったです。
【連載】わたしが買った「家」と「暮らし」 vol.4-澤麻紀さん
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――今の家から住み替えの予定はありますか?

ずっとここにいたいと思うくらい気に入っているし、今のところ予定は全くないですが、もし売ることなったら売りやすいか?は考えました。マンション自体は古いですが、資産価値が下がらないようにメンテナンスしていますし、富ヶ谷は人気のエリア。広さも、中途半端に広いよりはコンパクトな単身用の方が貸すときにもよいだろうとは思いました。
以前は大阪に家を買って老後を過ごすとか、神戸が好きなのでいいなとか考えていたのですが、古いマンションを買うならやっぱり東京かなと思い、骨をうずめる覚悟で買ってみました。

――20年後、どんな暮らしをしていたいですか?また、老後の過ごし方などの未来のイメージを教えてください。

今と同じくらいの幸福感を感じて生きていたいです。好きなものを買って、好きな服を着て、好きなものを食べて、趣味を楽しみながら、好きな仕事をする。そのためには健康で、体型も維持して、食生活などにも気をつけて、それ自体も楽しむ…そんな生活をできるだけ長く続けられたらと思います。

(取材・文/金美里)
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