もともとよく泣くタイプではなかったのならなおさら、歳を重ねるごとに涙もろくなり、そんな自分に戸惑いを覚えるという方もいるのではないでしょうか。
どうして涙もろくなるの?
共感する力が高まるから
若い頃はさほど泣くことはなかったという人も、歳を重ねるにつれて涙もろくなる理由の一つは、共感する力が高まるからと言われています。
私たちは歳を重ねた分だけ多くの経験を積みますね。
経験を多く積むと自分と重ね合わせることができ、大変だろうなとか、嬉しいだろうな、といった相手の気持ちを想像しやすくなります。これが、共感する力がです。
共感できるポイントが増えるほど、自分の気持ちが動かされ、それによって涙が出てくるのです。この共感力のピークは50代と言われています。
自分の気持ちの変化を抑制する力が弱まるから
涙もろくなる理由のもう一つが、感情の変化を抑制する力が弱まることです。これは、気持ちを動かされずに平静を保とうとする力です。こちらは、20代前半をピークにどんどん弱まっていくとされています。
若い頃には涙を流すことに恥ずかしさを覚えるかもしれません。けれど、歳を重ねると嬉しい涙や感動の涙は当然なものとして、受け入れやすくなるものです。
共感力は高まるのに、気持ちの変化を抑制する力は弱まっていく。だから、歳を重ねるごとに涙もろくなってしまうのは、誰もがなりうる自然なことといえるでしょう。
涙を流すことについて
涙がもたらす良い効果
涙もろくなって何だか恥ずかしい、そんな風に思っていませんか?けれど、涙を流すことには自律神経を整えて、ストレスを軽減するという嬉しい効果があります。
また、緊張を緩めリラックスさせることから、良い眠りにつながると言われています。ストレスも不眠も大人が抱えやすい悩み。普段人前で涙を流せないという大人こそ、本当は涙を流した方がいいのかもしれません。
涙の流し方
涙にはストレス軽減の効果がありますが、無理に涙を流しても良い効果は得られません。また、泣きたいのを我慢すると反対にストレスを溜めることになってしまいます。
気持ちを動かされ、手放しで涙を流せるからこそ良い効果が得られるのです。休日前夜、一人きりでなど、思い切り涙を流せるように時間や環境を整えると良いでしょう。
自分の涙ポイントを知ろう
歳を重ねるごとに多くのことを抱え悩みも多くなりますね。だからこそ、歳を重ねるごとに涙もろくなり、涙を流すことには良い効果があるならば、涙と上手に付き合いたいですよね。
映画、音楽、瞑想あるいは思い出の写真や小説など、自分の気持ちが何によって揺さぶられるか、探ってみましょう。自分にはこれ、という涙ポイントを持つことは、疲れを感じた時にきっと役立つでしょう。
大人"だから"、涙を流そう
いつから泣くことを恥ずかしいと感じるようになるのでしょうう。歳を重ねるにつれ、人前で泣くことを自分に許さなくなっていきますね。けれど、本当は大人こそ泣くべきなのかもしれません。
特に、ストレスは感じつつもそれを解消する術や時間がない、という方は、歳を重ねるごとに涙もろくなることを上手に利用して、涙を流すことによって自分を整えましょう。
大人であれば、日常において自分の気持ちの揺れを抑え込むことも多いでしょう。だからこそ、自分の気持ちが動かされたことによって出る涙に対しては、素直でいたいですね。
映画やテレビを見て、知らない子どもが鉄棒を何度も練習する姿やスポーツ選手が懸命に取り組む姿に、なぜか自然と涙が出てしまう、という方はいませんか?