短時間に多くのポイントを巡るのではなく、目的地をシンプルに絞って地域に密着した過ごし方をするのがスローツーリズム。欲張りすぎず、やりたいことをごちゃ混ぜにしないのが、ストレスのない旅のコツです。

すでに定番化されたプログラム通りに進むより、自分のペースに合った時間の使い方をしませんか？自分で計画することで、旅を通して本当に興味があることや自分の価値観も再認識できます。

例えば、海外の街並みを走って回る「旅ラン」や、気持ちのいい風を感じられる「旅サイクリング」を楽しんでいる人たちもたくさんいます。旅のカタチは人それぞれ。誰かと同じじゃなくても、自分らしい幸せを見つけたいですよね。

地元の人たちと触れ合うこともスローツーリズムの楽しみ方です。その土地の特産物を食べるだけではなく、生産者に会いに行ったり、もの作りの環境や現場を見に行ったり。地域交流もまた普段できない貴重な体験です。

「計画を立てるのは自分」
シンプルな旅の始まりは、これが基本。観光名所にはあえて行かず、その土地のごく普通の日常に迫ってみるのもアリ。最低限のスケジュールだけ決めたら、融通が効くように余裕をもたせたプランにしておきたいところ。

「移動時間より滞在時間」
移動時間も旅の楽しみではありますが、移動を重ねるのは時間のロスにもなります。無理して短時間に複数の名所を回らなくても、急がず、スローに。

「できれば連泊」
それがスローツーリズム的な滞在法。少なくとも2泊できれば、地元に密着できるはず。もちろん、日帰りでも1泊2日でも充実した旅はできます。宿泊数の多さがポイントなのではありません。ただ、同じ場所に留まっていることで見えてくるものも多いということ。

「やっぱり定番はおさえたい……」
ガイドブックや口コミを見ると、そう思ってきてしまいますよね。でも、スローツーリストたちは定番を選ばず、人とは違う発見を求めていくのです。

「せっかくここまで来たのだから」
そう思うと、ついつい駆け足でアレもコレもと予定を多く入れてしまいがち。ハードなスケジュールによって体調を壊してしまっては残念ですよね。「せっかくだし」で現地のグルメを食べ過ぎてしまえば、最後には胃の調子を悪くすることも。お土産もいろいろ買いたくなると、結局は時間が足りなくなってしまいます。

遠い海外に出かける場合はなおさら「もう2度と来られないから」と考えてしまうかもしれませんが、だからこそ、多くを求めるより、焦点を絞るのが自分らしい旅の秘訣です。

「現地の情報は現地で収集」
事前にある程度の基本を調べておいたら、あとは現地で直接情報収集。地元の人に話しかけてみたり、評判の店を聞いてみたり。その場でしか得られない生きた情報の先には、期待を裏切らない感動が待っているものです。ローカルな人柄に触れたり、偶然の縁があるのも楽しみのうち。

「自分の目で確かめる」
それが暮らしの本質を探って生きるスローツーリストたちの視点。ご当地食材の収穫体験や、民芸品作りの体験。または、ファッションアイテムや器などが作られているアトリエを訪ねてみる、もしくは好きな小説の舞台を巡ってみるなど。興味をとことん掘り下げていくと、思わぬところに出合いがあるかも。

スローライフ、スローフード、スローファッションと、各分野でシンプルな魅力が注目されていますね。旅行でもまた、ゆっくりと過ごすことを意識する人が多くなってきています。

ツアーでもなく、流行りだからでもなく、自分で決めていく。本当に心を休めたい時、新しいアイデアを見つけたい時こそ、自発的でシンプルな旅が必要なのかもしれません。