「薫玉堂」とは
創業者である負野理右衛門は幼い頃から香木に関心を持っており、ジンチョウゲ科の代表的な香木の沈水香木の鑑定や、香材の研究に専念し、薫物商としての薫玉堂の基礎を築きました。
沈香 じんこう
ジンチョウゲ科アキラリヤ属の樹木の樹脂が様々な要因で凝結し、長年の間に熟成された、清く上品な香りの香木です。
〈東南アジア原産〉
以来、日本最古の御香調進所として伝統の調香帳(レシピ)を受け継ぎながら、儀式の場や日常の中で、その時代の香りを作り続けています。
代々受け継がれてきた伝統のレシピには、長い年月をかけて熟成した香木や漢方にも使われる植物などが、原材料として記されており、薫玉堂のお香はそれらの香木や、今も薬や食用で使われている天然香料を使用して作られています。
こちらは前述した貴重な沈水香木を丁寧に手作業で一片づつ割っている様子。
他にも、芳香と苦みがある唐木香、モクレン科の木の実で香辛料の「八角」としても知られる大茴香や、辛く刺激の強い香りが特徴の香辛料である丁字、クスノキ科の常緑樹高木の樹皮を乾燥させたシナモンの名で親しまれている桂皮、墨の香りとしても有名な龍脳など、多くの天然香料を使用して作られています。
自然からの贈り物といえるその妙なる香りは、人に優しいだけでなく、調合することにより香りの世界に深みを与え、日々の暮らしに潤いと彩りを運んできます。
薫玉堂の香りのアイテム
香の老舗ならではの、今の時代の暮らしにもやさしく溶け込んでくれる香りは、空調の中に取り入れるだけでなく、匂い袋に入れて香りを持ち歩いたり、大切な方に贈ったり、素敵な使い道がたくさんあります。
枕草子や源氏物語などの古典文学に描かれているように、
古来より香りは暮らしの中で日常的に取り入られてきました。
薫玉堂では、現代の暮らしの中で香りを楽しんでいただける様々な商品をご用意しています。
線香
一日の始まりを爽やかに、午後の気分転換に、そして就寝前のくつろぎのひと時に、京の香りでお部屋を演出してみませんか。
「醍醐の桜(画像)」や「北野の紅梅(きたののこうばい)」、「音羽の滝(おとわのたき)」など京都の名所や名物をイメージさせる香りと、さらにそれぞれの香りを連想させるお線香の色だしは、職人の方がが何カ月もかけて調合しています。
こちらの「大原のコスモス」はさわやかな秋空の下、野原一面に展開される美しいコスモスを連想させる、ほのかに甘い香りが特徴です。
他にも、カラフルで香りの良いお線香がたくさん揃っており、その日の気分や、季節に合わせて空間に心地よい香りを演出するのも素敵。また、お線香が入っている紙箱も同じ色が使われているので、そのまま紙箱を積んで見せる収納も良いかも。スッキリとしたシンプルでカラフルな箱は和洋どちらのインテリアにも似合いそう。
香立
これまで薫玉堂が使用していた沢山のロゴマークの中から、明治時代に使用していたロゴマークを少し整えて復刻し、それをあしらった金属製の香立。お皿の上に置いてお好みの香を立てて使用します。
キャンドル
和洋どちらのインテリアにもとけ込み、空間をしっとりと演出してくれるキャンドル。薫玉堂のキャンドルは京都の移り行く5つの「時代(とき)の香り」をコンセプトに作られています。
ロングマッチ
着火したときマッチ特有の刺激臭が抑えられ、キャンドルやお香の繊細な香りの邪魔をしない、シンプルなガラス製の容器に入ったロングマッチ。
頭薬にイオウが含まれていないので、着火したときの刺激臭が抑えられ、キャンドルやお香の繊細な香りの邪魔をしません。火は容器のコルク蓋の上面で擦って点けることができます。
印香
フレグランスオイル
ディフューザー
金属粒を集めたスポンジのような不思議な構造をした、見た目もオブジェのようなディフューザー。
フレグランスオイルとセットで購入したり、プレゼントにしたり、これまでにないシンプルでオシャレな見た目は、和洋どちらのインテリアにも優雅にとけ込み、部屋を心地よい香りで演出してくれそう。
香袋
薫玉堂のお線香の香りを再現した香袋は、クローゼットに入れたり鞄に忍ばせて持ち歩いたり、いつでもほのかな移り香を楽しめます。
文香
たまにはメールではなく、大切な方へ心を込めて手紙を出してみませんか?心のこもった手紙にやさしい香りを添えるというのは日本ならではの文化です。
おわりに
天然香料で丁寧に作られている薫玉堂の香りの数々。ここで紹介した香り以外にもたくさんの素敵なアイテムがあるので、気になる方は以下のリンクをのぞいてみてください。香の老舗ならではの、今の時代の暮らしにもやさしく溶け込んでくれる素敵な香りに出会えるかもしれませんよ。
安土桃山時代の文禄三年(1594年)。京都市の今の西本願寺前にて「薫玉堂」は薬種商として創業しました。