あなたの不安や疲れに。不調に合わせた「漢方」の選び方

あなたの不安や疲れに。不調に合わせた「漢方」の選び方

大きく変わってしまった私たちの生活。ルーティンの変化にどうにか自分を合わせてきたけれど、なんとなく調子が悪い…そんな方が今とても増えています。特に女性はホルモンの影響もあって、環境の変化にとてもデリケート。最近のあなたの調子はどうですか?疲れがとれない、なにかいつもと違う。そんな風に感じたら漢方の始め時かもしれません。2021年02月13日作成

カテゴリ:
美容・ケア
キーワード
ヘルス・ビューティー不調選び方体の不調疲労回復
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※本記事は治療や診断を目的としたものではありません。何らかの症状がある場合は、必ず医療機関を受診し、医師の指示に従って下さい。

目次

心の不調と漢方

あなたの不安や疲れに。不調に合わせた「漢方」の選び方
出典:unsplash.com
私たちの生活は大きく変化しました。環境の変化には随分慣れたつもりだけど、なんだか最近、疲れがとれない。やる気がでない。心の状態が下がってしまっている時、なかなか自分では自覚できないものです。しかし、心と身体はいつも密接に繋がっていて身体はとても正直。身体が出したサインに気がついて、まずは身体の調子を整えてあげましょう。病気とまではいかないけれど、「なんとなくつらい」という症状には漢方がぴったり。自分の体質に合った漢方をとりいれて不調を克服してみませんか?

【はじめに】気・血・水(き・けつ・すい)について

漢方では、食べ物から「気(き)」と「血(けつ)」がつくられ、体のすみずみに運ばれて体を動かしていると考えます。まずはそれぞれのはたらきについてご紹介しましょう。

●気(き)
生命維持に必要なエネルギー。「気」が不足する事を気虚(ききょ)、滞ることを気滞(きたい)と呼びます。

●血(けつ)
体内に栄養を送る血液と、血液によって運ばれる栄養分のこと。「血」が不足することを血虚(けっきょ)、滞ることを瘀血(おけつ)と呼びます。

●水(すい)
血液以外の全ての体液(汗、唾液、尿、関節液など)。老廃物を体外に排出しながら体に必要な水分のバランスを保ちます。この働きが滞る事を水滞(すいたい)と言います。

あなたはどのタイプ?自分の“不調”を知ろう

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気・血・水のバランスが崩れることで、身体の不調がおこると考えています。あなたはどのタイプに当てはまるか、下のチェックリストでそれぞれ確認してみましょう。それぞれ4つ以上当てはまったら、からだの黄色信号!おすすめの食材や漢方を取り入れてしっかり養生してください。

①気虚タイプ

☑︎むくみやすい
☑︎冷え性
☑︎ 疲れやすくて息切れがする
☑︎ 風邪をひきやすく治りにくい
☑︎ 胃がもたれやすい
☑︎生理の量が全体的に多い
☑︎下痢になりやすい
エネルギー(気)不足で疲れやすく元気がありません。虚弱体質で胃腸が弱いために食べ物からエネルギーをつくり出せないタイプです。

気虚タイプにおすすめの漢方

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●補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
生命エネルギーである「気」の量が不足した「気虚(ききょ)」の状態が続くと身体に様々な症状がでてきます。この補中益気湯は胃腸の働きを高めて、消化吸収する能力を改善する事で全身の気の巡りをよくする働きも。また風邪や病後・産後で体力が落ちている時や夏バテによる食欲不振にもぴったり。

●六君子湯(りっくんしとう)
胃もたれ、食欲不振などの胃腸の調子を良くしたい人に用いる漢方薬。身体の「気」の流れをよくして、胃腸の痛みなど胃の不快感を和らげます。処方は人参、半夏、茯苓、白朮、大棗、陳皮、甘草、生姜の生薬から構成されていて、胃の排出機能もアップ。体力が低下していて冷え症のある方によく処方されています。

●帰脾湯(きひとう)
虚弱体質で慢性的に疲れやすい方に。貧血傾向を改善し、精神を安定させる作用があります。精神的なストレスや不安感、不眠、焦りなどの神経症状がある方、胃腸の不調が続く方におすすめの漢方。

気虚タイプにおすすめの食材

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●お米・山芋・納豆・椎茸・くるみ etc
エネルギーが不足しがちなので、朝食時にご飯をしっかり食べることが大切。冷える事が多い気虚タイプの方は生ものや冷たい飲み物は避けて。消化が良く、胃腸に負担がかからないものをとるように心がけましょう。

②血虚タイプ

☑︎ よく髪の毛が抜ける
☑︎ 眼が疲れやすい
☑︎ 手足がしびれる
☑︎ 爪が割れやすい
☑︎ 立ちくらみをする時がある
☑︎精神的に不安定になりやすい方だ
☑︎生理の前より後の方が辛い
身体に循環する血(けつ)が足りていないのがこのタイプです。栄養不足気味で貧血になりやすい傾向にあります。

血虚タイプにおすすめの漢方

●四物湯(しもつとう)
血虚(けっきょ)タイプに用いられる代表的な漢方薬です。
顔や髪に艶がなく、脱力感があり、イライラ、めまいなどの症状を伴う人に適します。肌が乾燥しやすく、月経痛が重い人にもおすすめの漢方薬。四物湯(しもつとう)で血の巡りを改善して、身体を温めましょう。

●当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
月経痛、生理不順がある方など女性特有の悩み(月経異常や冷え症など)がある方におすすめの漢方薬です。疲れやすく貧血気味で冷えがある方に。更年期障害などにも処方され、婦人科領域で幅広くつかわれています。

血虚タイプにおすすめの食材

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●赤みのお肉・レバー・黒豆・ひじき・豆腐 etc
血虚(けっきょ)タイプはタンパク質をしっかりとることが大切。鉄分の多い食事を意識する事で不足しがちな血(けつ)を補っていきましょう。特に生理前と生理中はお肉を積極的に食べるように心がけてください。偏食やダイエットは禁物。

③気滞タイプ

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☑︎ 顔色が青白く乾燥している
☑︎偏頭痛に悩んでいる
☑︎ 溜息をつく事が多い
☑︎ 生理の前にお腹が張った感じになり辛い
☑︎ イライラしやすい
☑︎ 便秘と下痢を繰り返す
☑︎寝つきが悪い
気(き)の巡りが悪く停滞気味で主に自律神経が不安定になっているタイプ。イライラしやすかったり、不安に駆られやすい傾向がみられます。

気滞タイプにおすすめの漢方

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●抑肝散(よくかんさん)
神経の高ぶりを抑え、筋肉の緊張を緩めて、心とからだの状態をよくします。強いイライラや不眠などの精神神経症状を和らげます。元々は赤ちゃんの夜泣きに使っていた漢方薬ですが、最近では自律神経失調症や更年期障害にも用います。月経前症候群(PMS)の症状が強い方にもおすすめ。不眠が続く、朝起きても疲れがとれないなど、日々のストレスで緊張した状態が続いている人に。

●加味逍遙散(かみしょうようさん)
身体が虚弱体質で疲れやすい人、イライラや不安が強く、気持ちがふさぎこみやすい人におすすめの漢方薬。女性ホルモンのバランスを整え、血流をよくして、体を温める効果があります。反対にのぼせやほてりなど上半身の熱をさます作用があるので、更年期障害にも。

気滞タイプにおすすめの食材

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●セロリ・柑橘類・あさり・しじみ・梅干し etc

気(き)を全身にめぐらせる柑橘類や香味野菜を積極的に取り入れましょう。玉ねぎやハーブなどもおすすめです。ストレスで過食気味になりやすいので注意が必要です。特に甘いものの取りすぎに気をつけて。

④瘀血タイプ

☑︎ 肩こりが酷い
☑︎ 慢性的に頭痛がする
☑︎ 吹き出物などが一度できると治りにくい
☑︎ 日焼けの後が残りやすい
☑︎ 舌や唇の色が紫色っぽい
☑︎ 生理がよく遅れる
☑︎ ときどき感情が爆発してしまう時がある
血(けつ)の巡りが滞り体に栄養素が巡らない状態を瘀血(おけつ)と言います。血行不良による肩こりや頭痛がおきやすい体質。このタイプは巡りが悪いので肌トラブル(くま、しみ、肌あれなど)に悩みがち。

瘀血タイプにおすすめの漢方

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●桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
体力のあるがっちりしたタイプもしくは肥満体質の方に向いている漢方薬。血液循環をよくするほか、便通を改善して、不安やイライラしずめ気分を落ち着けます。また、ホルモンのバランスを整える効果も。顔色がよくのぼせ気味、また下腹部が張り便秘がちの人にもよく用います。気(き)と血(けつ)の流れを良くして、PMS(月経前症候群)や生理痛の症状を緩和にも効果的。

●桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
比較的体力があり、下腹部痛、肩こり、頭重などの症状がある方に処方されます。血行不良による生理痛や生理不順などを改善する漢方薬。滞った血(けつ)の巡りを良くすることで、のぼせや足冷えなどを感じる方の生理痛、月経異常、血の道症などを改善します。

瘀血タイプにおすすめの食材

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●青魚(さんま・いわし)・玉葱・にんにく・生姜・黒酢 etc

停滞している血(けつ)を動かす青魚や香味野菜を食べましょう。血(けつ)の巡りを促して、新陳代謝を良くするラム肉やウナギなどの食材もおすすめ。黒酢などの酢の物も積極的にとり入れましょう。バターや生クリームなどの脂質の高い物や甘い物の取りすぎには気をつけて。

⑤水滞タイプ

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☑︎ 肌が脂っぽく吹き出物などがでやすい
☑︎ どちらかというとぽっちゃり体型だ
☑︎ 軟便気味で下痢しやすい
☑︎ 体脂肪率・中性脂肪が平均より高い方だ
☑︎痰が出やすい
☑︎体が重だるい
☑︎夕方になると足がパンパンになる
代謝が悪く、水(すい)がからだの中で停滞しているタイプ。余分な水分が溜まっているため、ぽっちゃり体型で、汗をかきやすく軟便、下痢気味の傾向があります。

水滞タイプにおすすめの漢方

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●五苓散(ごれいさん)
体の機能を高めて、余分な水(すい)を体の外へ出す漢方薬。不要な水(すい)が体に溜まっているときに効果的な処方です。口渇や尿量の減少があるような方に適しています。また浮腫(むくみ)や急性胃腸炎や下痢気味の方にもおすすめ。

●防已黄耆湯(ぼうぎおうぎとう)
汗をかきやすく、太り気味で疲れやすい方に適した漢方薬。防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)は、消化吸収の機能をたすけ、体に溜まった過剰な水(すい)をとり除く働きがあります。胃腸がきちんと機能することにより、体に必要なエネルギーを産み出し、消費することができるように。また、余分な水分を排泄し、水(すい)の巡りをよくすることで、体をひきしめ、水太りやむくみを解消します。

水滞タイプにおすすめの食材

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●鯖・イカ・大根・小豆・リンゴ etc

水分の摂りすぎや冷たい飲み物には注意が必要。特に夕方以降の水分量は気をつけるようにしてください。常温または温かいものを食べるように心がけましょう。小豆などの利水(りすい)作用のある食べ物がおすすめ。一方で利水作用はありますが、コーヒーの飲み過ぎは控えるようにしましょう。

【おわりに】未病先防(みびょうせんぼう)と漢方

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漢方薬にはひとつの効能効果ではなく、複数の働きがあります。自分の体質、病状などに合わせた漢方薬を飲むことで不調(ふちょう)の段階で症状を抑えて大きな病気になるのを防いでくれます。これは病気にかかりにくい体質を作る「予防医学」という漢方独自の考え方です。漢方ではこれを「未病先防(みびょうせんぼう)」といって、体のあちこちで起こる不調や悩みが病気に確定してしまわないよう未然に防ぐことを重視しています。

身体に不調がではじめたら、心(こころ)の不調のサインです。しっかり養生して、早め早めに対処しましょう。また、あまり知られていませんが、漢方薬にも副作用はあります。自己判断せず、必ず専門の知識を持った医師や薬剤師の指導のもとで服用してください。漢方薬を上手に生活に取り入れていつまでも健やかな日々を送りましょう。

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