クリスマスは元は、冬至を祝うイベントでした。そこで、家族の無病息災を願い、風邪予防に効く生姜を食べたという説。また、シナモンなどの香辛料を使ったお菓子は日持ちもするので、寒く長い冬の時期に作られるようになったという説もあります。
出典:www.flickr.com(@JD Hancock) イギリスの児童文学「メアリー・ポピンズ」にも、クリスマスに子供たちと星形のジンジャーブレッドを作っています。ヨーロッパでは生活に馴染んだお菓子なんですね。
ヘンリー8世が由来の、かわいいジンジャーブレッドマン
ヨーロッパのクリスマスの光景の一つとして、ツリーに茶色い人形をかたどったジンジャークッキーが飾られている場合があります。これは、ジンジャーブレッドマンと呼ばれ、風邪を予防するように広めたヘンリー8世に由来しているという説があります。王様をイメージして、クッキーを作ったなんてかわいらしい逸話ですね。
ジンジャークッキーといっても、大きく2つにわかれます。アメリカ風のものは、ぽってりとした厚みのあるもので、クリームやキャラメルが中に入っているものも。また、ぱりっとした薄いものはイギリスなどのヨーロッパに多く「ジンジャーシン」などと呼ばれます。
出典:www.flickr.com(@stacia lynch) こちらは、アメリカ風。生地を厚くして焼くので、出来上がりの表面はひび割れのようになるのが特徴的。
出典:www.flickr.com(@Eliza Adam) アメリカ風は、コーヒーに合いそうですが、こちらのヨーロッパ風の方が、香辛料がきいていて紅茶に合いそう。
出典:www.flickr.com(@Johan Larsson) 輸入お菓子でよくみるジンジャークッキーは、スウェーデン生まれの「アンナクッキー」。スウェーデン王室御用達。
憧れのお菓子の家、ヘクセンハウスも実は生姜に関係が?!
最近は、クリスマスの時期にになるとキットが売られ、簡単に作れるようになりましたよね。実は、お菓子の家「ヘクセンハウス」も、ジンジャークッキーをメインに作られています。童話『ヘンゼルとグレーテル』でつい、言いつけを守らずに食べてしまった気持ちがわかりますよね。
出典:www.flickr.com(@Allie_Caulfield) ドイツ語で、魔女の家をさす『Hexenhaus』(ヘクセンハウス)。壁や屋根をクッキーで作った後に、チョコレートやマシュマロの飾りつけをしましょう。
ジンジャーブレッドマンを、「シュレック」や「グリム・ブラザーズ」といった映画で見たことがある人もいるかもしれません。昔話の一つとして、ある日、おばあさんが作ったジンジャーブレッドマンが歩き出して…という童話からきているようです。そんな、今にも歩き出しそうなブレッドマンができるレシピをご紹介。
出典:www.flickr.com(@LaShawn Wiltz) ■材料
バター…100g(常温において柔らかくしておく)
卵 …1個
ベーキングソーダ (もしくは重曹)…小さじ1
小麦粉…450g
シナモン、クローブ…小匙1と½
干しぶどう、ナッツなど (飾り用)
グラニュー糖…100g
ハチミツ…225ml
ぬるま湯…小匙1と½
おろし生姜…小匙1と½
塩…少々
ボールに、バター、グラニュー糖、卵、糖蜜を入れ、クリーム状になるまでかき混ぜましょう。ベーキングソーダをぬるま湯に溶かし、それをさらに加えて滑らかになるまで混ぜ合わせます。ふるった小麦粉、生姜、シナモン、クローブ、塩を加えてさらに混ぜ込み、形を整えてラップをかけ、冷蔵庫で半日程度、冷やします。
オーブンを180度に予熱し、天板に油を塗っておきましょう。小麦粉を少しふるった台で、0.5cm程度の厚さにのばします。ジンジャーブレッドマンの形をした抜き型を使って生地を切り分け、天板に並べてゆきます。アーモンドや干しブドウを使って、ここで表情を作っても良し。焦げ目がうっすらつくまで10分ほど焼いて、冷まします。
生姜が少し苦手、という方はジンジャーパウダーを使うとまろやかに風味が出せます。また、もうちょっとキツめに効かせたいなら、生姜の皮を入れるとグッと味が濃くなりますよ。どうしてクリスマスにジンジャークッキーを食べるかの理由を知ると、作る気持ちが変わってきますね。お菓子を焼いて今日は、イギリスの作家の本を開いてみては。
クリスマスは元は、冬至を祝うイベントでした。そこで、家族の無病息災を願い、風邪予防に効く生姜を食べたという説。また、シナモンなどの香辛料を使ったお菓子は日持ちもするので、寒く長い冬の時期に作られるようになったという説もあります。