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普遍的な美しさと機能性。愛すべき椅子「ウィンザーチェア」
時代を超えて愛され続け、どんなインテリアスタイルとも合わせやすいことから現代でも人気のウィンザーチェア。その芸術的な佇まいに多くのデザイナーが魅了され、伝統を基盤としながらもそれぞれの時代に生きる新しいウィンザーチェアを生み出してきました。
長く生活を共にする椅子はやはり丈夫で見た目も魅力的なものを選びたいですよね。そんなウィンザーチェアの起源や種類などの基本情報とインテリアコーデの例をご紹介します。
長く生活を共にする椅子はやはり丈夫で見た目も魅力的なものを選びたいですよね。そんなウィンザーチェアの起源や種類などの基本情報とインテリアコーデの例をご紹介します。
- 寒さに負けない体を目指す!ゆらぎがちな冬のご自愛ケアキナリノ編集部
そもそもウィンザーチェアとは?歴史から見てみよう
ウィンザーチェアとは英語で「Windsor chair」。17世紀にイングランド南東部に位置するウィンザー地方でターナー(轆轤職人)が作りはじめた実用家具が起源とされています。
当初はガーデンチェアとして王侯貴族に使われていましたが、堅牢で長持ちすることから、19世紀の初めからは図書館や学校など公共施設で使われるようになり、やがて庶民の家具として一般家庭やパブなどの飲食店でも使われるようになっていきました。
当初はガーデンチェアとして王侯貴族に使われていましたが、堅牢で長持ちすることから、19世紀の初めからは図書館や学校など公共施設で使われるようになり、やがて庶民の家具として一般家庭やパブなどの飲食店でも使われるようになっていきました。
ウィンザーチェアの特徴とは?
基本構造は、背もたれの笠木(トップレイル)が曲げ木で挽物(轆轤を使って加工された木)の丸棒が縦に並んでおり、厚みのある座面にはお尻の形状に合わせた窪みが薄っすらとあります。脚は四方転びで、脚と脚を繋ぐように横に渡された貫(ストレッチャー)で強度が足されています。
ウィンザーチェアの研究家、アイヴァン・スパークス(Ivan G. Sparkes)はウィンザーチェアをこう定義づけています。「厚い木製の座面を基盤として、椅子の脚、スピンドルなどが直接座面に接合された椅子である」。ここでのスピンドルとは、膨らみをもつ紡錘形の背棒を意味しています。
アーコール シスルバックチェア2脚|rocca-clann(六家)
ウィンザーチェアと言えば「アーコール」
ウィンザーチェアを探しているとよく目にする「アーコール(Ercol)」。アーコールとは、1920年にイタリア出身のデザイナー、ルシアン・アーコラーニ(Lucian R. Ercolani)が創業したイギリスの老舗家具メーカーの名前です。インテリアや家具に興味のある方は、誰もが一度は憧れたことがあるのではないでしょうか。
ercol クエーカーチェア 2脚セット|Rocca-clann
アーコールの魅力はなんと言っても、伝統的なウィンザー様式を守りつつ画期的で独特なモダンデザインに挑戦したデザイン性、そして優れた曲げ木の技術。削り出しや挽き曲げと違って木の繊維を断ち切らない曲げ木は、美しい木目のままに強度を出すことができるのです。
アーコール 401バタフライチェア
アーコールが日本で知られることとなったきっかけは、スクールチェアとして親しまれてきたアーコールの名作「スタッキングチェア(1957年制作)」と「バタフライチェア(1958年制作)」を、2004年にイギリスのファッションデザイナー、マーガレット・ハウエル(Margaret Howell)が復刻させたことであると言われています。
アーコールの椅子は今や様々なインテリア関連のメディアに取り上げられ、入手困難となったヴィンテージものにはプレミア価格が付けられるほどになっています。
アーコールの椅子は今や様々なインテリア関連のメディアに取り上げられ、入手困難となったヴィンテージものにはプレミア価格が付けられるほどになっています。
ERCOL スタッキング チェア|DOUBLEDAY
現代インテリアにも合う「ウィンザーチェア」8種類
ファンバックチェア
背棒が櫛(コム)のように見えるコムバック型から派生したタイプ。コムバックは背棒が真っ直ぐですがファンバックは扇(ファン)のように座面から笠木に向かって広がっていることからそう呼ばれています。
ゴールドスミスチェア
英国の作家・詩人・劇作家であるオリヴァー・ゴールドスミス(Oliver Goldsmith)が所有していたことから名づけられたというゴールドスミスチェア。こちらもコムバックやファンバックの仲間ですが、笠木の部分や丸みのある座面が他のウィンザーチェアには見られない独特さを持っています。アメリカのウィンザーチェアや北欧のデザイナーにも大きな影響を与えたと言われています。
ERCOL ゴールドスミスチェア|DOUBLEDAY
ホイールバックチェア
笠木が弓のように曲がった形であることからボウ(弓)と呼ばれるボウバックチェアから派生。背板に車輪(ホイール)モチーフが施されているところがこのタイプの特徴です。車輪モチーフの部分がアザミのになったシスルバックチェアという椅子もありますよ。
英国製 ホイールバック チェア|DOUBLEDAY
ローバックチェア
こちらも笠木が曲げ木であることから分かるようにボウバックから派生したチェアです。低い笠木がアームのように両サイドまで伸びているので、安定感があり快適な座り心地です。
ローバックチェアのカテゴリー中で最も人気を得たスモーカーズボウというタイプは、装飾があり笠木がはっきりとアームまで続いています。頑丈で座り心地がいいので公共施設やパブなどで使用されていました。
ローバックチェアのカテゴリー中で最も人気を得たスモーカーズボウというタイプは、装飾があり笠木がはっきりとアームまで続いています。頑丈で座り心地がいいので公共施設やパブなどで使用されていました。
Charles ダイニングチェア|R&Mインテリアストア
フープバックチェア
背が曲げ木でフープ(輪)のよう丸みを帯びているところが特徴。アーコールのアイコンとも言われていますが、こちらの画像のように様々なメーカーから同タイプのものが出されていて、価格もお手頃なものから高価なものまであります。
アーコール製はアームが付いていたり、制作年によって背棒の本数が違っていたりします。5本タイプは生産が少なく希少なのだとか。
アーコール製はアームが付いていたり、制作年によって背棒の本数が違っていたりします。5本タイプは生産が少なく希少なのだとか。
Ercol Hoop Back Chair|DOUBLEDAY
クエーカーチェア
フープバックチェアの背を長くし、フープ部分をシャープにしたようなデザイン。このタイプはアーコールでしか見られないのではないでしょうか。装飾がなく簡素ですがU字の曲げ木と細身の脚がとってもエレガントですね。
ERCOL クエーカーチェア2脚|rocca-clann(六家)
スティックバックチェア
笠木が座面に平行で癖のないスッキリとしたデザインなので、ウィンザーチェアの中でもオーソドックスで人気のあるタイプです。ナチュラルインテリアや北欧インテリアとの相性も◎
ERCOL スティックバックチェア |rocca-clann(六家)
エックス(クロス)バックチェア
背棒がXの形にクロスしているだけでなく、貫部分もクロスしている珍しいデザインです。計算し尽くされたクロスの角度や強度に職人さんの知恵や手間を感じますね。
ウィンザーチェアを使ったインテリアコーデ例
ダイニングチェアとして
ウィンザーチェアは一人掛けだけでなくベンチタイプも。テーブルの反対側は一人掛けチェアを並べる方が多いようです。テーブルの脚がブラックなので、ブラックのウィンザーチェアにしても大人っぽさやクラシカルさが出て良いかもしれません。
ダイニングベンチ|A.BFLY(ア.ビーフライ)
リビングチェアとして
座るだけじゃない。ディスプレイとしても
ウィンザーチェアは高価なので何脚も購入するのが難しかったり、座らずに眺めていたいという方もいらっしゃいますよね。そんな方は、一脚だけでこんな使い方もおすすめです。
玄関やリビングの角にインテリアのポイントとして置いておくだけで素敵な空間を演出。お気に入りの小物を飾ったりしてもいいですね。
天然木 ウィンザーチェア
ウィンザーチェアで上質な生活空間を
出典:unsplash.com
簡素ですが無駄がなく、どこか惹かれてしまうフォルムのウィンザーチェア。デザイン性、機能性、耐久性を兼ね備えた上質な家具であり、コーデ例から見てもほとんどのインテリアスタイルに馴染んでいることが、時代や国境を超えて多くの人々に愛され続ける所以なのでしょう。
素敵な椅子が一脚あるだけで、おうちでの寛ぎタイムを考えるとわくわくしてきませんか?タイプやカラーでガラリと雰囲気の変わるウィンザーチェアでおうちのインテリアを楽しんでくださいね。
素敵な椅子が一脚あるだけで、おうちでの寛ぎタイムを考えるとわくわくしてきませんか?タイプやカラーでガラリと雰囲気の変わるウィンザーチェアでおうちのインテリアを楽しんでくださいね。
画像のご協力ありがとうございました。
クエーカーチェアに同じくアーコール社のドロップリーフテーブルを合わせたダイニング。全て同じチェアで揃えると統一感が出て洗練された雰囲気に。