大好きなアンティークでステップ別にお部屋をチェンジ!
アンティークってなんだか独特な存在感で、背景にあるストーリーにまで惹かれてしまう不思議さがありますよね。そんなアンティークを取り入れたお部屋に住んでみたいとあこがれたことはありませんか?この記事では、はじめての方でも気軽にアンティークインテリアを楽しめるように、基本情報からDIYまでステップ別にご紹介していきます。
「アンティーク」ってどういう意味?「ヴィンテージ」との違いは?
「アンティーク」も「ヴィンテージ」も、年代物を指すということは何となくご存じだと思います。でも、実際にどう違うのか気になったことはありませんか?
「アンティーク」とは、フランス語の「antique」からきており、骨董品という意味です。具体的には、制作から100年以上経った古い美術品や家具、道具、衣類やアクセサリーなどを指します。
一方、「ヴィンテージ」とは、経た年数は関係なく、デニム素材の洋服やギターのように時間とともに良さが増したものを指すようです。「ヴィンテージワイン」と言うように、本来はワインの価値を表すために使われていた言葉だったとのこと。
また、最近では「ブロカント」という言葉もよく耳にします。こちらはフランス語で「brocante」、ガラクタや中古品という意味で、上品さというよりは粗野なイメージがあります。
何百年前に貴族が使っていたような希少で高価なアンティークを揃えなくても、今では手軽にアンティーク家具や小物を買うことができます。DIYで新しい家具を敢えてアンティーク風に加工することもできます。
ぜひ、あこがれのアンティーク風コーディネートを試してみませんか?
一口にアンティークと言っても、ヨーロピアンスタイルやアメリカンスタイルなどテイストは様々です。小物や家具選びのときに、迷って統一感を失ってしまわないように、予めどんなテイストを目指すのか決めておきましょう。主なアンティークテイストをまとめてみましたので、イメージの参考にしてみてください。
古めかしさの中にある上品さ、シャビーシックな「フレンチスタイル」
着古した、みすぼらしい、粗末なという意味の「シャビー(shabby)」と上品さという意味の「シック(chic)」を合わせた言葉の通り、古いけれど品のあるスタイル。アンティーク家具というとブラウン系のダークなイメージがありますが、こちらは白を基調としています。お姫様系家具のようにガーリーすぎないクラシックさがあるところもポイントです。
イギリスには、物を長く愛用し、古い物にこそ価値を見出す文化があります。家や家具も、家族何世代にも渡って引き継がれてきたものを大切に使用する傾向があり、傷んできたら自分で修理をする人も多くいます。そんな風に大切にされてきた古いものを取り入れた、素朴だけれど質の良さが感じられるスタイルが英国スタイルです。濃いブラウン系の木製ヴィンテージ家具を取り入れた部屋は重厚感が増し、古いものでもリッチな感じがしますね。
ミッドセンチュリー家具でレトロポップな「北欧スタイル」
ミッドセンチュリー期のスカンジナビアデザイン(北欧デザイン)の家具を中心にコーディネートされています。北欧家具はとてもシンプルですが機能的であるとも言われています。それに、なんと言っても飽きがきません。北欧スタイルというと、壁も家具も白いイメージがありますが、木製のアンティーク家具を置くとあたたかみが増します。北欧デザインの小物でレトロポップな雰囲気にすることもできますよ。
レンガ壁&レザーソファがポイント「ニューヨーク・ブルックリンスタイル」
ブルックリンには昔、工場や倉庫が多かったことから工場や倉庫跡地を利用したアパートや店舗が立ち並んでいます。工場をリノベーションして暮らす若者も多いとか。ブルックリンスタイルにしたいなら、レンガ壁や古材の床を取り入れること。家具はブラックやブラウンなどダークトーンでまとめるのがポイントです。ソファーはレザーのものが多いようです。
出典: 木製の家具や古道具が、昭和にタイムスリップしたような懐かしさを与えてくれるのが昭和レトロスタイルです。日本人にとって一番馴染のあるスタイルではないでしょうか?
出典: 白やライトブラウンを基調とした明るさとドライフラワーや小物でガーリーな甘さをだしたスタイルです。ハンドメイド雑貨とも相性の良い空間なので、DIY好きな方にピッタリ!?
まずは照明や時計などのように必ず必要なもの、そして自分好みのオーナメントなどを集めましょう。観葉植物やドライフラワーなどもアンティーク家具を引き立ててくれます。
出典: 装飾が素敵なアンティーク調手鏡は、フレンチスタイルのお部屋にピッタリ。ドレッサーなどの上に置いておくだけでも雰囲気が出ますね。
出典: トワルドジュイ(Toile de Jouy)のスタンドランプはエレガントでシャビーシックな寝室に置いておきたい1点です。
トワルドジュイとは、パリ近郊の町ジュイ・アン・ジョザス(Jouy-en-Josas)の製作所で作られた主に2色使いのプリント生地のこと。18世紀頃の人物・風景、神話などをモチーフにデザインされています。様々なブランドとのコラボで洋服に使用されるなど、時代を超えて愛され続けています。
200年以上も前の人や風景がデザインされた生地は、そこに物語があるようでとってもロマンチックですね。
出典: ウィリアム・モリス(William Morris)のテキスタイルは英国スタイルのお部屋におすすめです。イギリスではカーテンや壁紙、クッションなどによく使われており、クラシックな雰囲気がアンティークとの相性抜群です!
こちらの「Strawberry Thief(いちご泥棒)」はモリスのデザインの中でも特に人気で、様々なグッズに使用されています。
出典: 1950年代物のハーマン社製アンティークテディベア。お部屋の片隅に座っているだけでスイートな雰囲気を出してくれます。重厚感を抑えたい英国スタイル、レトロやナチュラル、色々なスタイルに使用できそうです。
出典: 北欧雑貨のマグカップは色合いとお花がレトロポップ。同じ柄のポットと一緒にミッドセンチュリーな食器棚に飾りたいですね。
出典: 英国ヴィンテージのウォールフック。古木ボードに、ティーポットやコーヒーミルなどの形をした金属製のフックが付いています。クリップになっている人の手がちょっとシュール。玄関壁に取り付けて鍵などを掛けたらとってもお洒落ですよ。
出典: 昭和でもナチュラルでも合いそうな古道具の書類棚。ところどころに小物を置いてディスプレイとしても楽しめますし、実際に書類の分類に使用しても便利ですね。
出典: ワイルドフラワーのバンクシアを入れたスワッグは、家具の上にそっと置いても壁に吊るしても楽しめます。ナチュラルでガーリーなお部屋を目指すならスワッグはおすすめです。
とっても簡単!ティッシュケースと下敷きでアンティークショーケース
出典: 身近な材料で工夫しながら作り上げるのが、なんといってもDIYの面白いところですよね。このブロガーさんは100円ショップSeria(セリア)で材料のウッドティッシュケースとクリア下敷きを購入されたそうです。それほど費用をかけずに簡単にできるので、DIY初心者さんにもおすすめです。
出典: スライド式になっているティッシュケースの底板を外し、長方形の側面を一方だけ切り取ります。底板の持ち手部分は取り外し、ケースの内側と同サイズにカットします。
出典: 先ほど取り外した持ち手部分をケースの溝横に貼りつけ、切り取った底の一部で固定。お好きな塗料でケースをペイントし、底板と同サイズにカットした下敷きを差し込めば完成です!
手紙やドライフラワーを入れたらノスタルジックな雰囲気に。シーズン毎にディスプレイを変えるのも毎回楽しみですね。
ラッカー塗装仕上げチェアに古めかしさを出してアンティーク風に
出典: 高価なアンティーク家具を買うのが難しいという方は、自分でDIYしてみてはいかがでしょうか?お家にあるチェアや安価なチェアを使ってアンティーク風にすることができますよ。用意するものは5つだけ。
①スポンジ(3つくらい)
②アクリル絵の具(チェアに合わせて。今回はチェアが白いので白色を使います。)
③アンティークメディウム(ダイソーでも手に入ります。)
④いらない布
⑤使わなくなった刷毛
出典: 左のようなツルツルなチェアーの表面に、アクリル絵の具の白をスポンジで全体に叩いて塗布していきます。アクリル絵の具が乾いたら、アンティークメディウムを布と刷毛で塗布していきます。刷毛を立てて擦れるようにするとアンティーク感が出てきます。
アンティークメディウムを塗布し過ぎた時は、スポンジを使ってアクリル絵の具で修正しましょう。
よく乾かしたら完成です!アンティークメディウムは塗り過ぎると古めかしさが出すぎてしまうので、少なめに付けるのがコツなのだそうです。ブロカントなフレンチスタイルに合いそうですね!
DIYは苦手!やっぱり本物のアンティーク家具を購入したい
出典: 自分でDIYするより本物のアンティーク家具が欲しいという方は、BANSE basic interiors(バンセベーシックインテリア)さんの家具がおすすめです。ヨーロッパで買い付けられた古き良きアイテムを販売されています。
こちらは1960年代もののアーコールのフープバックチェア。アーコールとは1920年設立のイギリスの家具メーカーです。フープバックチェアはここの代名詞ともいえる存在。艶やかな質感がとても上品です。様々なスタイルに馴染みますよ。
出典: 古材の床やブラウンのレザーソファを取り入れて目指したのはブルックリンスタイル。一方の壁だけをサブウェイタイルにしているところがおしゃれですね。レンガよりもモダンに感じられます。このスタイルは無骨さが出てしまいがちですが、所々に置かれた植物がそれをカバーしてくれています。
ちなみに、「サブウェイタイル」とは、ニューヨークの地下鉄で使われ始めたタイルの一種で、アメリカ英語で地下鉄という意味のサブウェイが名前に入っています。細い長方形で光沢があるのが特徴です。
出典: 昭和とナチュラルがミックスされたようなノスタルジックなお部屋です。コンクリート打ちっぱなしの壁にも関わらず、木製のアンティーク家具やスワッグであたたかさと可愛らしさが出されています。
出典: 上の画像と同じお家の別のスペースです。こちらは古道具や家具が昭和な雰囲気を醸し出しています。ストーブや鳥かごなど、細部までレトロにこだわったすてきなお部屋ですね。様々なスタイルをミックスしていても統一感が感じられます。
自分に合った方法であなただけのアンティークコーディネートを
出典: アンティークは時代を経て大切に渡りつがれてきたものですので、流行に左右されない美しさを持っています。古い素材感が際立った家具を取り入れるとどこか心が落ち着きますし、愛着もわきます。
いきなり高価な家具を買うのは勇気がいりますが、エイジング加工されたヴィンテージ調のアイテムやDIYで費用を抑えたコーディネートもできます。似通った2つのスタイルをミックスしたり自分なりのコーディネートを考えるのも楽しいですよ。まずは小物集めから自分のペースで始めてみてはいかがでしょうか?
Photo by Yasuko