今、北欧で日本とのコラボが熱いんです
これまでは日本が北欧の影響を受けることが多かったのですが、近年は、逆に北欧の人たちが日本独自の感性や技術を取り入れるようになってきているのだそう。
特にフィンランドでは、ものづくりに関する考え方やデザインの嗜好が日本ととても似ているため、国の違いを感じずに、共同でものづくりをするようになっているのだとか。
今回は、そのような日本の影響を受けた「made in 北欧」のモノたちを紹介していきたいと思います。
LAPUAN KANKURIT （ラプアン カンクリ）
ブランドの代名詞である高品質のリネンで作られたブランケットやタオル、ウール製品は、ナチュラルで品のいいデザインだけでなく機能性や耐久性にも定評があり、世界中で愛されています。
ラプアン カンクリでは、日本人デザイナーを積極的に起用。彼らがデザインした製品は、日本だけでなく欧州でも多くのファンから支持されています。では、現在、ラプアン カンクリで活躍している日本人デザイナーをご紹介しましょう。
鹿児島睦さん
鹿児島睦さんデザインの新作「KUKAT」シリーズ。フィンランド語でKUKATは「花々」という意味。今回の「KUKAT」は同じパターンを繰り返し、ラプアン カンクリの持つ素晴らしい技術「織り」をより表現したいと考えてデザインしたそう。
シリーズのアイテムは、タオルやランナー、ブランケット。鹿児島さんが描いたお花が、空間を穏やかで温かな雰囲気にしてくれます。
【KUKAT runner】48×150㎝ 7,884円（税込）
ウオッシュドリネンとコットンの混合素材で肌触りがよく、速乾性や吸水性といった機能面も優れています。まるで手描きのような繊細なタッチを感じるデザインも素敵。色は深みのあるブルーグリーンのペトロリウムとモノトーンがシックな印象のブラックの2色展開です。
【KUKAT towel】48×70㎝ 2,808円（税込）
鈴木マサルさん
多摩美術大学でテキスタイルを学んだ後、粟辻博デザイン室に勤務。2005年に独自のファブリックブランド「OTTAIPNU」を設立し、大胆でカラフルなファブリックデザインを中心としたものづくりを行っています。フィンランドとも縁が深く、マリメッコへのデザイン提供やムーミンのトリビュート企画など多岐にわたり活躍。
鈴木マサルさんが手がけた新作の「LASTU」のタオル。「LASTU」は「かけら」という意味で、形は同じでも少し不揃いの、小さな木が敷き詰められた床をイメージしてデザインされました。大きさの異なるラインで表現されたパターンは、シンプルながら温かみが感じられて、長く使いたくなるデザインです。
【LASTU towel】48×70㎝ 2,808円（税込）
2009年よりラプアン カンクリにデザイン提供を行っている鈴木さん。かわいらしい動物をモチーフとした心温まるデザインを数多く手がけてきた中、今回の「LASTU」は、シンプルで定番となる様なデザインを目指して制作されたそう。優しいトーンのレッド、ブラウンなど全9色展開です。
【LASTU towel】48×70㎝ 2,808円（税込）
吉澤葵さん
東京生まれ。テキスタイル・サーフィスデザイナー。日本にて大学卒業後、北欧に拠点を移し、ノルウェーのベルゲン国立芸術大学で美術学士を取得。その後、ヘルシンキのアアルト大学院にてテキスタイルデザインを学び、2015年6月に卒業。現在はフリーランスデザイナーとして活動しています。
吉澤葵さんの「SADE／SADEKUURO」シリーズ。フィンランド語で「雨／にわか雨」という意味。雨上がりのフィンランドの風景からインスピレーションを受けたそう。雨粒が並んだような不揃いな大きなドット柄が素敵です。それぞれ色の濃淡が異なり、シンプルながら味わい深いデザイン。タオルやプレースマットの他、バッグやポーチもあります。
【SADE towel】95×180cm 11,880円（税込）
【SADE towel】48×70cm 3,024円（税込）
爽やかなターコイズブルーで、フィンランドの雨上がりの風景のように晴れやかな気分でお出かけできそうなバッグ。お散歩のお供にしたくなりますよね。ユニセックスな色とデザインは、大人から子どもまで年齢を問わず使えそう。
【SADE KUURO BAG】28×33cm 3,780円（税込）
こちらは「AINO」のブランケット。吉澤さんがフィンランドの伝統工芸、Ryijy（リュイユ）タペストリーからインスピレーションを受け、デザインのみならず織りの構造もラプアン カンクリに提供して誕生したブランケットです。
軽くざっくりと織られていますが、繊細なデザインが見事に表現されています。北欧やモダンスタイルはもちろん、和の空間にも馴染むので、冬のインテリアのアクセントとしても活躍してくれますよ。ショールとして羽織ることもできて、今年の冬、1枚欲しくなるアイテムです。
【AINO blanket】130x170㎝ +fringes 19,440円（税込）
Ryijyはフィンランド人にとって家庭のリビングやダイニングなどに飾られるインテリアとして馴染み深いもの。吉澤さんは、柄のモダンさに感動して「こんなブランケットがあれば……」という思いを抱いたことから、このデザインが生まれることになったそう。写真のブルーベリー×ターコイズ、グレー×レッド、グレー×ブラックの3色展開。
【AINO blanket】130x170㎝ +fringes 19,440円（税込）
OUUR（アウアー）
ブランド創設当時から日本の繊細でクオリティの高いものづくりを継続して取り入れ、2015年に活動拠点をデンマークのコペンハーゲンへ移して以降は、確かなものづくりの技術をベースにヨーロッパテイストの洗練されたデザインも取り込んだ製品が高い支持を得ています。
OUUR TONE VASE
2018年の新作「OUUR TONE VASE」。約400年の歴史と実績をもち、江戸時代には幕府へ壺を献上していたという「信楽焼き・明山窯」とのコラボレーションで誕生した花器です。
現代のインテリアにも合わせやすい白と黒のモノトーンカラーが印象的ですが、注目したいのはネイサン・ウィリアムスが最もこだわったフォルムと質感。そのひとつが釉薬ののせ方で、一般的な信楽焼きの風合いとは異なるマットな仕上がりが魅力的です。伝統ある日本の窯元とヨーロッパのセンスが混ざりあい、和にも洋にもしっくり馴染みます。
【OUUR TONE VASE】2,052円～4,536円（税込）
OUUR CRAFTED VASE
シンプルながら印象的な佇まいを感じるこちらの花器は、ブランド創設当初からコラボレートしている大阪のガラス工房「FRESCO」とコラボレーションしたもの。伝統と技術を礎に現代の生活空間を意識した製品を手掛けている工房で、丁寧なものづくりの技術を活かし、北欧的なモダンテイストに仕上げています。花の魅力を引き立てる美しいフォルムを追求して作られたとあって、タイムレスで愛用したくなる品です。
【OUUR CRAFTED VASE】21,600円～25,920円（税込）
ACTUS（新宿・青山・京都・梅田・六甲・福岡・仙台）
STILLEBEN（スティルレーベン）
STILLEBEN PRINT COLLECTION
「スティルレーベン」がプロデュ―スし、テキスタイルや写真、陶芸などの異業種のアーティストやデザイナーとのコラボレーションのもとに生まれたグラフィックコレクションです。
北欧的なシンプルさとモダンのなかにクラシックな一面があって、インテリアとの相性の良さが特長。敷居の高い「芸術」ではなく、身近に楽しめる「アート」としてデンマークや日本のほか、多くの国々で評価されています。
このコレクションに、アジア人アーティストとして初めてコラボレートしたのが長場雄さん。長場さんの大胆かつ繊細な線画描写に感銘を受け、コレクションに加えたいとオファーされたのだそう。
今回「STILLEBEN」の語意である「静物画」に合わせ、暮らしの一コマを切り取った長場さんの描き下ろし「STILLEBEN × YU NAGABA」が、世界限定200枚で発売されました。
日本では、そのうちの80枚をアクタス・吉祥寺店のみが限定販売。コペンハーゲンの印刷工房で一枚一枚活版で仕上げられ、「TOKYO 2018」のネームとシリアルナンバーが手書きで入っています。
また、コペンハーゲンのプロダクトブランド「MOEBE（ムーべ）」の代表的なアイテム「FRAME（フレーム）」が、日本で販売される長場さんの作品のために製作した特別限定色のレッドフレームも要チェックポイントです。
【STILLEBEN × YU NAGABA with MOEBE A4 FRAMEセット】 17,280円（税込・40セット）
【STILLEBEN × YU NAGABA with MOEBE A3 FRAMEセット】 19,440円（税込・40セット）
この夏、アクタス・吉祥寺店がOPENしました
2018年7月20日にオープンしたばかりの吉祥寺店。日本全国のアクタスで人気の家具や雑貨だけでなく、作り手の顔が見える品が魅力の「SLOW HOUSE」の商品も取り揃えられていて、北欧デザインのファンなら足を運ばずにはいられません。
お店のコンセプトは「The Regional Store（ザ リージョナル ストア）」。地域の人たちに愛される品揃えや、定期的に開かれるポップアップショップなど、訪れる人が「私だけの店」「ここだけの店」といった特別感を体験できる空間です。
●スティルレーベンのポップアップショップが期間限定でオープンしています！
先程ご紹介した長場雄さんの作品をはじめ、コペンハーゲンだけで販売されている陶器やステーショナリーなどのオリジナルアイテムが日本初上陸で登場。北欧のエッセンスがつまったプロダクトを実際に手に取って見ることができる絶好のチャンスですよ。
※2018年8月12日までの予定。
福岡生まれ。美術大学卒業後、インテリア会社に勤務しディスプレーやマネージメントを経て、現在は福岡市内にある自身のアトリエにて陶器やファブリック、版画などを中心に作成。独自の世界観で描かれた作品は朗らかな魅力に溢れ、微笑む動物たちや、やさしいお花のモチーフたちは見る人をハッピーな気分にしてくれます。