ふんわりとした印象の絵付けが印象的な草舟(くさふね)は、陶芸作家である金子佐知恵さんが手がける陶器のうつわや小物などの制作販売を行う工房です。自然なロクロ目を大切にし、同じデザインでもひとつひとつ表情に味わいがあるという草舟の器の素朴な美しさに心惹かれますね。

こちらは「雨降る森のお皿」という題名のプレート。森に降る静かな雨を一点ずつ針先で手書きしています。やわらかな二色のグリーンにランダムに描かれた雨粒がそっと寄り添う様子が素敵ですね。

キュートなライオンのお顔が中央に大きく描かれています。盛りつけられたお料理をきれいに食べ終わると、ライオンさんがこちらを見つめているなんて、思わず微笑んでしまいそうです。

東京のデザイン学校を卒業した後、栃木県窯業技術支援センターにて陶芸を修了、茨城県笠間の陶芸教室勤務を経て、2012年笠間にて独立した東峯未央さん。東峯さんの代表作としても有名なシロクマシリーズは、すっきりとしたテキスタイルとともに北欧風の雰囲気が漂います。

一点一点手作りされているため、シロクマさんの表情にも違いがあります。ご縁があって、おうちに来てくれた子を大切にしてあげたくなります。

小ぶりな長皿は格子模様になっているところにどんな食べ物を盛りつけるかで、見え方が変わってきます。小さな焼き鮭をのせたら、隅っこにいるシロクマさんが狙っているように見えそうです。

katakataは松永武さんと高井知絵さんによるユニットで、型染め、注染、プリントによるオリジナルの染布を制作されています。布を広げた時に、ものがたりを想像できるような、会話が生まれるデザインを心がけているそうです。

実はクマさんのほかにも、こちらのシリーズは仲間がこんなにたくさんいるんです！オレンジ色のおしりが可愛いマンドリル、足の動きが大胆なオオカミ、海をすいすい泳ぐクジラ、翼を広げるアホウドリ。一枚一枚のお皿の表情が豊かで、全部集めたくなってしまいます。

こちらは印判手のフクロウのお皿です。印判手とは、型紙摺り（ステンシルの技法）や銅版転写など印刷による絵付けの技法のこと。明治時代以降に発展した技法ですが、かすれやにじみなどが生じやすく、近年ではあまり見られなくなっている技法です。かすれやにじみがあることで、味わい深い表情が出るんですね。

東屋は日本古来から続く職人の技術を大切にし、現代の暮らしに合わせたデザインで日本の道具をよみがえらせています。

小紋柄をアレンジした印判染付をした豆皿は、形違いでいくつも並べておきたくなる美しい形ばかり。日本のお料理というのは、たくさんの豆皿に少しずつ盛りつけても絵になるものです。一人ずつ、お気に入りの形を用意していみるのもいいですね。

愛知県瀬戸市の陶芸作家、内村七生さんは石川県にある窯元「九谷青窯」で作品を作り続け、 2014年に独立されました。どこか懐かしさを感じるレトロなタッチのデザインが特徴です。やわらかい印象の器は、ほかの器との相性もよく、和洋を問わず活躍してくれます。

アネモネというシリーズのこちらのプレートは、ピンクやブルー、イエローといったカラフルなラインナップです。器の表面にある凹凸は、一枚一枚、筆で釉薬を取り除くように描かれているんですよ。大変な労力を要する手仕事のあたたかさを感じられる作品です。

飛ぶ鳥という名前がつけられた豆皿は、お醤油や薬味をのせるほか、こんな風に箸置きとして使うこともできます。鳥と余白のバランスが非常に良いので、描かれた鳥に勢いを感じますね。