インタビュー
vol.55 YUIRO
日本の温泉文化を届けたい。愛媛発・現代の湯道具たのカバー画像

vol.55 YUIRO
日本の温泉文化を届けたい。愛媛発・現代の湯道具たち

写真:岩田貴樹

二年前、あらたな温泉文化を伝える湯道具ブランド「YUIRO」が誕生しました。ラインナップには、富士山の形をした湯桶や伝統工芸を取り入れたお風呂まわりの雑貨など、どこか懐かしく、ユニークなアイテムが並びます。日本最古と伝えられる「道後温泉」で知られる愛媛県松山市の「伝統」に、新たな風を吹き込む理由とは……?今回は、松山市出身で「温泉ソムリエ」の資格を持つデザイナーの渡部真史さんと、ブランドに携わる人々の思いを伺いました。

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2017年02月24日作成
2020年の東京オリンピックに向け、各地で外国人観光客に向けた様々な取り組みがされています。街中や旅先で、いつの間にか生活に埋もれていた「日本の文化」の良さを再発見することもあるのではないでしょうか。

――日本の遺伝子を、前へ。
この力強いコンセプトを掲げているのは、愛媛県・松山市を拠点としている「株式会社エイトワン」。「使う・食べる・旅する」を切り口に、「砥部(とべ)焼」や「今治タオル」のブランドをはじめ、地元の食材を活かした飲食店や宿など、愛媛に伝わる文化を様々な形で展開している会社です。
富士山をモチーフにしたYUIROの「富士桶」。媛ひのきを使ったボディの美しい木目と、かわいらしいフォルムが特徴です

富士山をモチーフにしたYUIROの「富士桶」。媛ひのきを使ったボディの美しい木目と、かわいらしいフォルムが特徴です

「YUIRO(ゆいろ)」はそんなエイトワンが手がけるラインナップに、二年前に加わった湯道具ブランド。ぬくもりを感じるヒノキの桶や、柔らかな丸みをもつ湯椅子などを眺めていると、思わず「ああ、温泉に行きたい」という言葉が漏れてしまいます。伝統的でありながら、私たちの「いまの暮らし」に寄り添うような、素朴でどこか真新しいアイテムたちは、どのように誕生したのでしょうか。
こちらも媛ひのきを使用した「湯椅子 水月(みづき)」。なめらかな質感が心地よく、木の香りも楽しめます

こちらも媛ひのきを使用した「湯椅子 水月(みづき)」。なめらかな質感が心地よく、木の香りも楽しめます

デザイナーは「温泉ソムリエ」!?

YUIROは、温泉好きの松山市出身デザイナー・渡部真史(わたなべ・まさし)さんが、エイトワンに企画を持ちかけたことから始まりました。東京の企業で照明器具のデザインを手がけ、現在はフリーランスのデザイナーとして活動している渡部さん。「YUIROディレクター」のほかに、「温泉ソムリエ」の肩書きを持っています。一体どんな資格なのでしょうか。

「温泉に行くと、壁にお湯の成分が書かれた表(※温泉分析書)みたいなのがあるじゃないですか。温泉ソムリエは、あれを見て興奮できるっていう人です(笑)。一応そういう協会があって、ランクはいろいろなんですけど、受講して勉強すれば取得できます。単純に、本当に温泉やお風呂が好きで、より温泉のことについて知りたいっていう人たちの集まりですね」
「YUIRO」ブランドディレクターの渡部真史さん。特に好きな温泉地は奥日光なのだそう

「YUIRO」ブランドディレクターの渡部真史さん。特に好きな温泉地は奥日光なのだそう

多いときには一日に3~4件温泉をハシゴし、今でもほぼ週に一度は温泉に出向くという、大の温泉好きの渡部さん。故郷である松山市には、日本三古湯の一つと呼ばれる愛媛の代表的な観光地「道後温泉」があります。その歴史は長く、夏目漱石の小説『坊っちゃん』にも描かれ、古くから親しまれてきました。近代和風建築の「道後温泉本館」は重要文化財にも指定されています。こんなに魅力的な温泉のそばで生まれ育ったら、自然と温泉好きになってしまうのも頷ける……と思いきや、渡部さんが温泉に夢中になったのは、関東に来てからなのだとか。

「実は、愛媛にいるときは全然(温泉を)好きじゃなくて。その当時はそんなに温泉施設もなかったので、特に関心はなかったんですよ。でも東京で働くようになって、たまたま関東の温泉に行ったときに『地域によって泉質にこんなにいろいろ違う恵みがあるんだ!』って驚いて、それからはその面白さの虜になりましたね」
道後温泉本館(画像提供:YUIRO)

道後温泉本館(画像提供:YUIRO)

県外に出てから温泉文化の魅力を再発見した渡部さん。今でこそ自分の好きなことを仕事にしているように見えますが、地元にいるご両親が高齢になってきたこともあり、愛媛で仕事をすべきか悩んでいた時期もあったそう。

そんなとき、知人の紹介でエイトワンの代表取締役社長である大籔崇さんと出会います。エイトワンの経営理念は「心からの感動をクリエイトする」こと。人とのかかわり合いを大切にするという信念や、経営に対する新しい考え方。大藪さんの描くヴィジョンは、渡部さんにとってとても共感できるものでした。そこから「ぜひこの人と仕事をしたい」と思うようになったといいます。
ブランド立ち上げ当時の企画書や資料

ブランド立ち上げ当時の企画書や資料

「当時、道後温泉が何年もかかる改装工事に入るという話があったんですよ。大藪さんはその間に観光客が激減するのが心配で、当時、道後温泉本館の魅力を超えるような温泉施設を作りたいっていうコンセプトがあったみたいで。自分は大藪さんと何ができるかなって考えたときに、自分がもともと大好きだった温泉とかけあわせて、お風呂道具を作ってみたいなっていう思いが生まれたんです」

渡部さんはすぐにブランドの企画書を作り、大藪さんに提案。愛媛の様々な文化の良さを様々な媒介を通して伝えていきたい大藪さんと、湯道具を通して温泉文化をもっと楽しんでもらいたいという渡部さん。必然ともいえる出会いののち、二人はその場で意気投合。ブランドのスタートが決まりました。

最初にぶつかった「産地」の壁

温泉や銭湯に連れていきたくなる「かすり湯かご」(画像提供:YUIRO)

温泉や銭湯に連れていきたくなる「かすり湯かご」(画像提供:YUIRO)

YUIROのデザイナーは5名。まずは渡部さんが取り扱いたいアイテムをいくつか思い描き、デザイナー、家具、アパレル、グラフィックなどそれぞれの分野で強みを持った都内のデザイナーに声を掛け、プロジェクトをスタートさせました。

アイテムは、愛媛や四国を中心とした伝統工芸の技術を活かし、各地の職人さんのもとで生産されています。たとえば、「かすり湯かご」や「歯刷子(はぶらし)スタンド」は、愛媛に伝わる「伊予竹工芸品」という竹細工を取り入れたもの。茶の湯の道具や花を生ける道具として、古くから人々に親しまれてきました。
歯ブラシを編み目に立てて使用できる「歯刷子スタンド」。その下は、750年もの歴史がある愛媛の菊間瓦で作られた「瓦トレイ」です(画像提供:YUIRO)

歯ブラシを編み目に立てて使用できる「歯刷子スタンド」。その下は、750年もの歴史がある愛媛の菊間瓦で作られた「瓦トレイ」です(画像提供:YUIRO)

「かすり湯かご」と「歯刷子スタンド」を作っているのは、家族3人経営の「虎竹工房 西川」。代表の西川静廣(しずひろ)さんは、伊予竹工芸品で「一級竹工芸技能士」と「えひめ伝統工芸士」の資格を持つ一流職人。しかし、それを感じさせない人懐こい笑顔で、ときどき冗談を交えながら制作工程を見せてくれました。
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日本の温泉文化を届けたい。愛媛発・現代の湯道具たち
こちらは「宙編み」という、型を使わず自在にかごを作り上げる技法です。見ているこちらまで背筋が伸びるような、その手さばきのあざかやなこと!ぴしり、と堅い竹が、あっという間に一本の糸のようになり、西川さんの手の中でするすると編まれていきます。
作務衣が様になる「虎竹工房 西川」の西川静廣さん。終始楽しいトークで場を和ませてくださいました

作務衣が様になる「虎竹工房 西川」の西川静廣さん。終始楽しいトークで場を和ませてくださいました

薄く剥いた竹ヒゴで底を編んでいきます。篭によって底の編み方はさまざま

薄く剥いた竹ヒゴで底を編んでいきます。篭によって底の編み方はさまざま

話しながらも、熟練されたその手が止まることはありません。竹ヒゴがみるみるとかごの形に変化

話しながらも、熟練されたその手が止まることはありません。竹ヒゴがみるみるとかごの形に変化

昭和35年創業の「虎竹工房 西川」ですが、今では職人も少なくなり、西川さんの息子さんが愛媛でただ一人の後継者です。実際、ブランドをスタートさせてまず一番初めに苦労したのは、製品を作ってくれる職人や工場を探すことだった、と渡部さんは話します。

「東京でデザイナーとして働いていたので、ものづくりのことは分かっていたつもりだったんです。でも、地方だと作れる場所が意外と少ないんですよ。東京の場合は下町に、小さな工場がたくさんあるんですよね。それも少なくなってきてはいるんですけど、発注先に困ることはなかったんです。『こういう加工がしたい』っていって、ちょっと探せばみつかる状況だったんですけど、愛媛だとそれが本当にないんです。ブランド立ち上げで、どれくらいの発注数になるかが読めない。だから少量でも対応してくれるところ、となると数が限られてきてしまって」
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日本の温泉文化を届けたい。愛媛発・現代の湯道具たち
誰でも知っているような大きな工場はあれど、「YUIRO」のようにひとつひとつ手作業で作られている製品は、そもそも大きな工場には持ち込めません。愛媛内でみつからない場合は四国の他県で探し、それでもどうしても……という場合はほかの地域で。いずれも自分たちの足で、ひとつひとつ作り手と関係性を築いていきました。

ぬくもりある製品の向こう側にあるのは、人と人とのかかわり合い

「YUIRO」をプロデュースしている、株式会社インスピリットの代表取締役・植木美夫さん

「YUIRO」をプロデュースしている、株式会社インスピリットの代表取締役・植木美夫さん

「結局は人と人との付き合いなんで、趣旨賛同していただける事業じゃないとなかなか継続は難しいですよね。どんな人であれ、作り手になんとか前を向いてもらえるようにするっていうのは、こちらが努力していくべきところだと思っています」

そう語るのは、エイトワンのグループ会社である「株式会社インスピリット」の代表、植木美夫さん。インスピリットは、YUIROのデビューと同時に2015年2月に設立し、ブランドのマネージメントを受け持っています。「職人さんも含め、YUIROに関わる人たちは穏やかな人が多いですよ。大体いつもカリカリしてんのは僕くらいでね(笑)」とはにかみますが、いいえ、ご本人もとても朗らかなお人柄です。しかし植木さんのおっしゃるとおり、実際にお会いしたみなさんは、厳格な「職人」のイメージを覆してしまうほど、本当に親しみやすい方々ばかり。YUIROのアイテムを眺めていてほっとする理由は、作り手やデザイナー、関わるスタッフの人柄がにじみ出ているからなのだと腑に落ちます。
桶に使用される木材の加工を行うのは、「株式会社LINK WOOD DESIGN」。こちらも愛媛県内にある会社で、主に木材を使用した家具の製造・販売・リメイクなどをおこなっています

桶に使用される木材の加工を行うのは、「株式会社LINK WOOD DESIGN」。こちらも愛媛県内にある会社で、主に木材を使用した家具の製造・販売・リメイクなどをおこなっています

写真は代表の井上大輔さん。とてもやさしく工房内を案内してくれました

写真は代表の井上大輔さん。とてもやさしく工房内を案内してくれました

底面に使用する木材を塗装中

底面に使用する木材を塗装中

今後は、ブランドの色を失わない範囲で、もっと販売現場のフィードバックや、企画の中に入っていくこともしていきたい、と植木さんは話します。

「YUIROは一般の製造メーカーより主観が強いというか、個人の思いが強いものが上がってきますね。会社の方向性というよりは、デザイナーの色がかなり出る作り方だと思います。反対に、お客さんの手元に届くところまでの管理がわれわれ運営側の仕事。もっというと地方の職人や産地の弱点は、そこに手が回らないところなのかなって。そういう意味ではこちらが持っているノウハウをすこしでも産地を更新していくことに活かしたいな、と思っているところです」
植木さんと、「YUIRO」ブランドマネージャーの田上真由美さん。PR、受注管理、営業となんでもこなします。明るく、てきぱき、心配りができる気持ちのよい方でした

植木さんと、「YUIRO」ブランドマネージャーの田上真由美さん。PR、受注管理、営業となんでもこなします。明るく、てきぱき、心配りができる気持ちのよい方でした

「都心に近い分、デザイナーである彼らのほうがトレンドや感度の部分では情報も多いので、そこは基本的にお任せして。事業性が問われる部分は、われわれがフォローする。今のチームワークで、わりとそのバランスはとれてるのかなって。ブランドとしてモノを売っていくだけでなく、文化ごと発信できるような、そういう事業にしていきたいですね。すこし時間は掛かると思いますけど」

インスピリットの社員は現在7人。ほかのブランドも手がける中、かなり大変なのでは……と思いきや、みなさんそれすらも楽しそう。販売側と作り手側では、どうしても気持ちや向かうところにズレが生まれがちですが、誰かが誰かの気持ちに寄りそうことを、全員が自然に実行している。東京・愛媛の両方でYUIROチームのみなさんにお会いして、そんな印象を受けました。そして、「モノ」を作り出し、それに魂を込め動かしてていくのは、やはり「人」であるのだと、再確認させられるのでした。

これからの「ものづくり」には、新しい風も必要

「国際ホテル・レストラン・ショー」でのブース(画像提供:YUIRO)

「国際ホテル・レストラン・ショー」でのブース(画像提供:YUIRO)

YUIROのデビューは、2015年2月に行われた「国際ホテル・レストラン・ショー」でした。毎年東京ビッグサイトで開催されている、宿泊施設やレストラン業界を対象とした大規模な見本市です。渡部さんは初めての展示会をこう振り返ります。

「インテリアや雑貨の展示会と、まったくお客さんの層が違うので面白かったですね。温泉施設のおじちゃんが、いきなり『これ50個でいくら!?もうちょっと安くならんのぉ?』って、その場で交渉が始まったり(笑)。逆にショップのバイヤーさんだと『とりあえず会議にかけてみます』、とか時間がかかったりするので、ありがたいですよね(笑)」
こちらは「湯桶 四季折々」。お湯を注ぐと底面の絵柄が浮かび上がり、自宅のお風呂でも温泉にいるような風情を感じることができます

こちらは「湯桶 四季折々」。お湯を注ぐと底面の絵柄が浮かび上がり、自宅のお風呂でも温泉にいるような風情を感じることができます

目新しさと、大きなインパクトを持ってデビューしたYUIRO。それ以降も積極的に展示会に出展し、ブランドを発表して二年が経った今、評判は上々です。女性だけではなく、お風呂にこだわりを持っている40代以上の男性などにもファンが多いそう。

「どうしても今の日本の住宅のお風呂だと、テイスト的に合わないんじゃないかって思う人もいるかもしれないんですけど、今は普通の住宅でもお風呂に凝り始めてる人が増えてきているんですよ。ひのきの浴槽とか、石のタイルを貼るだけで簡単に施工できるものも出てきたり、だんだん住宅のお風呂スタイルも変わりつつあるみたいで。そんな人たちにYUIROのアイテムを使ってもらって、すこしでも『日本のお風呂』を感じてもらえたらな、と思います」
こちらはパイルとガーゼを組み合わせて織られた「霞タオル」。ピンクとブルーの2色展開で、いずれも瀬戸内海をイメージして作られた今治タオルです。薄く速乾性があり、繊細で心地良い肌触り

こちらはパイルとガーゼを組み合わせて織られた「霞タオル」。ピンクとブルーの2色展開で、いずれも瀬戸内海をイメージして作られた今治タオルです。薄く速乾性があり、繊細で心地良い肌触り

YUIROのコンセプトは「伝統ある日本の温泉文化を大切にしながら、新しい色を加えていく」こと。古き良き文化を伝え、守っていくためには、新しい風を吹き込んでいくことも大切だと渡部さんは考えています。

「今、IoT*とか増えてきているじゃないですか。そういうものをどこかに入れ込もうかって考えが、ちょっとだけ頭の片隅にあるんですよ。自然素材のものなのに、実はチップが埋め込まれている、とか。ちょっとしたテクノロジーを入れたアイテムを、今後作るかもしれないな、と。残念ながら時代の流れっていう部分もあるんですが、ものづくりにおいて何か新しいことに取り組んでいくのであれば、そういった技術も切り離せない感じになってきていると思うので。逆にそこがないと、新しい差っていうのは生まれていかないんじゃないかな」
* 「Internet of Things」の略。コンピューターや通信機器だけではなく、家電を外出先から操るなど、モノを媒介としてインターネットを接続することの総称

様々な「場所」と一緒に温泉文化を伝えていきたい

vol.55 YUIRO
日本の温泉文化を届けたい。愛媛発・現代の湯道具たち
最近は、YUIROをきっかけに、浴槽のメーカーなどから「製品に合う湯道具を企画してほしい」というような、ユニークな企画提案をもらうことも増えてきているのだそう。

「すごくありがたくて、こちらとしても非常にやりがいがあることだと思っています。ショップさんからお話をいただくことは多いんですけど、旅館や温泉施設との接点がまだまだ少ないので、そこは今後の課題でもありますね。旅館の人の話を聞いていると、『本当はアメニティや設備にもっとこだわりたいんだけど、以前から決まった卸し問屋さんに発注しているからなかなかできない』っていう葛藤もあるみたいです」
vol.55 YUIRO
日本の温泉文化を届けたい。愛媛発・現代の湯道具たち
ゆくゆくは、モノだけでなく「場所」とのコラボレーションも実現していきたいと語る渡部さん。今回、撮影場所としてご協力いただいた「喜楽湯」は、以前YUIROの店頭販売をしたことで関係が続いている銭湯です。実はここ、「東京銭湯」という会社により運営されているのだそう。

「今、すごい勢いで銭湯が潰れているらしくて。『東京銭湯』では、銭湯っていう文化を継承していきたい若い人たちが集まって、実際に喜楽湯を運営したり、自分たちのメディアで魅力を発信していくってことをされているんです。えらいなあ……と思って。ここも面白いんですよ。オープン15分前くらいから近所のおじいちゃんおばあちゃんが入り口の前に集まって世間話してたり(笑)。『ALWAYS 三丁目の夕日』みたいな世界観で、ほんとコミュニティができ上がってて」
施設内の冷蔵庫には、なつかしいドリンクが並びます

施設内の冷蔵庫には、なつかしいドリンクが並びます

「喜楽湯」の番頭さんと、看板猫のタタミ

「喜楽湯」の番頭さんと、看板猫のタタミ

「YUIROを作ったのも、洋風のお風呂やバスグッズというのとはまた違って。日本の温泉文化が好きでそれをもっと良くして行ったり、現代に合った形で伝えていきたいっていう思いがあったんです。今、新しい試みをしている旅館とかが増えてきているじゃないですか。お風呂の良さを伝えていくっていう意味では同じ志だと思うので、そういう場所と色々コラボをしていきたいですね。僕らが作っているのはモノだけなので、それだけあっても意味がない。やっぱりその器となる場所を盛り上げて行かないと」
「東京銭湯」の取締役番頭(!)後藤大輔さんと渡部さん。喜楽湯の入り口にて

「東京銭湯」の取締役番頭(!)後藤大輔さんと渡部さん。喜楽湯の入り口にて

「YUIRO」の由来は「湯に新しい色を加える」こと。
そして、「ゆ」という音にも3つの意味が込められています。
人に「優」しく、「愉」しく、人を「癒」す存在でありたい――
古くから「湯治」という言葉があるように、湯に浸かることで身体が癒されたり、気持ちをリセットできる温泉は、日本独特の文化です。

いまや住宅のお風呂はとても便利になり、いつしか湯に浸かることは日常に埋もれた「作業」のようになりました。それでも、私たちが温泉に惹かれるのは、単に身体を清潔にするだけでなく、それを取り囲む「情景」で、心をきよらかにすることができるから。

「YUIRO」の湯道具たちは、そんな「あたりまえ」で「特別」なしあわせを、私たちに思い出させてくれるのです。

(取材・文/長谷川詩織)
撮影協力 喜楽湯
埼玉県川口市川口5-21-6
【営業時間】15:00 〜 23:00 無休

撮影協力 喜楽湯
埼玉県川口市川口5-21-6
【営業時間】15:00 〜 23:00 無休

東京銭湯 - TOKYO SENTO -
YUIRO|ゆいろYUIRO|ゆいろ

YUIRO|ゆいろ

「湯道具」を通して、温泉文化を新しい形で発展させていきたい――そんな思いから、2015年に誕生した愛媛県発のブランド。愛媛や四国を中心とした「日本産」にこだわり、桶や椅子、タオルなど「湯」の場に関連した約30種類のアイテムを展開している。

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