「名湯」が数多く存在する岩手の温泉
そして岩手県にもかつて南部藩が利用したと伝わる「湯治場」が多くあり、そんな「湯治場」に隣接して観光客も楽しめる温泉宿が作られるようになりました。
エリアでみると、岩手県北部の秋田県との県境「八幡平」周辺をはじめ、中央部の「盛岡・花巻・北上・栗駒」周辺など内陸の山間部に名湯と言われる温泉が多く点在していると言われています。
また、泉質はそういったエリアごとに大きく分けられていて、温泉地によって肌触りや効能もさまざまです。
昔ながらの情緒あふれる素朴な湯治場から華やかな温泉街まで、そんな個性的な温泉が数多くあるのが、岩手県の温泉の特徴と言えるでしょう。
知っていて損はない「岩手の名湯」豆知識
①「源泉かけ流し」ってどんな温泉?
②温泉の「泉質」の違いって?
【単純泉】
単純温泉とは成分が単純なのではなく、含有成分の量が一定量に達していないものを言います。
・低刺激でお肌にやさしい。
・リハビリ効果がある。
・リラックス効果があるので、疲労回復やストレス解消にいい。
【アルカリ性単純泉】
アルカリ性単純温泉はpH値8.5以上の単純温泉です。弱アルカリ性単純温泉は、pH値7.5以上です。
・肌の角質をとって美肌効果が期待できる。
【硫黄泉】
遊離炭酸ガスや硫化水素を含有しない「硫黄泉」と遊離硫化水素や炭酸ガスを含有する「硫化水素泉」の2種類があります。
・お湯の色が白濁または黄褐色。
・殺菌効果が高い。
・慢性的な皮膚病、切り傷にいい。
・血管を拡張するので、生活習慣病にいい。
【塩化物泉】
食塩を含んだ無色透明の湯。皮膚に付着した塩分で汗の蒸発を防ぐため、保温効果がいいと言われています。
・湯冷めしにくい。
・殺菌力があるので、傷ややけどにいい。
・保湿効果があるので、肌にいい。
・女性特有の体の悩みにいい。
岩手の名湯「県北エリア」をご紹介
1.金田一温泉(きんだいちおんせん)
泉質:単純硫黄泉
効能:自律神経不安定症、神経痛、皮膚病
2.藤七温泉(とうしちおんせん)
泉質:単純硫黄泉
効能:慢性皮膚病・慢性婦人病・切傷・打ち身・冷え症など
3.八幡平温泉郷(はちまんたいおんせんきょう)
泉質:低張性弱アルカリ性温泉
効能:関節リウマチ・腰痛症・神経痛・冷え性・胃腸機能の低下・疲労回復 など
4.松川温泉(まつかわおんせん)
十和田八幡平国立公園のはずれに位置して、冬には雪深い「秘境温泉」となります。
冬期は路面が凍結して通常のバス走行が困難になるため、交通手段として四輪駆動のボンネットバスが代走することで知られています。また近くには、温泉の蒸気がきっかけでできた日本初の地熱発電所である「松川地熱発電所」があり、松川温泉に存在する3軒の温泉宿はそれぞれの敷地内に源泉を持っています。
泉質:単純硫化水素泉
効能:神経痛・リュウマチ・皮膚病・糖尿病・婦人病など
岩手の名湯「県央エリア」をご紹介
5.網張温泉(あみはりおんせん)
休暇村の本館には「大釈の湯」と言って内湯と露天があり、「白泉の湯」と呼ばれる内湯、日帰り温泉が楽しめる「薬師の湯」には内湯と露天、そして冬期は閉鎖している野天風呂の「仙女の湯」の計5ヶ所の趣の異なった温泉が楽しむことができ、これらを総称して「網張五湯」と呼ばれています。
泉質:単純温泉 / 硫黄泉(硫化水素型)
効能:アトピー性皮膚炎・末梢神経障害・尋常性乾癬など
6.雫石南網張ありね温泉(しずくいしみなみあみはりありねおんせん)
近くには岩手県の代表的な観光地「小岩井農場」があり、冬にはスキーが楽しめる雫石町にあって、澄んだ水と空気に育まれた植物や動物たちが織りなした自然の営みが直に触れることができる場所にある「ゆこたんの森」。
宿泊者専用の展望風呂「天湯」のほかに、棟内にある「森の湯」では露店風呂や内湯が利用できる日帰り入浴もあり、岩手山山麓の雄大な景観を眺めながらの温泉が楽しめます。
泉質:含硫黄 - ナトリウム - 炭酸水素塩・塩化物泉(低張性弱アルカリ性高温泉)
効能:切り傷・末梢循環障害・冷え性・皮ふ乾燥症
7.国見温泉(くにみおんせん)
泉質:硫黄泉(硫化水素型)
効能:慢性消化器病・慢性婦人病・糖尿病・肝臓病・神経痛・リウマチなど
8.つなぎ温泉(つなぎおんせん)
泉質:硫黄泉
効能:神経痛・リウマチ・高血圧・動脈硬化・糖尿病
9.鶯宿温泉(おうしゅくおんせん)
泉質:アルカリ性単純泉(低張性アルカリ性高温泉)
効能:冷え性・肩こり・腰痛・疲労回復・ストレス解消・精神疲労・不眠症など
10.山の神温泉(やまのかみおんせん)
宮大工が手掛けた格子模様の格天井や巧みな細工が施された館内の「優香苑(ゆうかえん)」。卓越した職人の技で仕上げられた木のぬくもりを感じる空間で日頃の疲れが癒されます。優香苑の温泉の魅力は、四種の源泉を使用した源泉掛け流しの天然温泉を贅沢に楽しめるということ。また、まるで化粧水のようなとろみを帯びた感触で、お肌がツルツルになると評判です。
花巻温泉郷最大級の大露天風呂「とよさわ乃湯」、モダンな雰囲気の新露天風呂「こもれび乃湯」といった露天風呂が2つとガラスに囲まれた大自然味わえる広々とした内湯と4つのタイプで楽しむことができます。山の神温泉自慢のとろみのある温泉入浴とお食事、客室での休憩プランや、日帰り入浴のみでも利用できます。
泉質:アルカリ性単純温泉
効能:筋肉痛、関節痛、うちみ、慢性消化器病、冷え性、疲労回復など
11.台温泉(だいおんせん)
山々に囲まれた自然豊かで静かな環境の中で、ゆったりと温泉を堪能することができます。
泉質:弱アルカリ性単純硫黄泉
効能:神経痛・冷え症・慢性消化器病など
12.松倉温泉(まつくらおんせん)
泉質:アルカリ性単純高温泉
効能:美肌効果・神経痛・筋肉痛・うちみ・慢性消化器病・冷え症・病後回復期・疲労回復など
13.鉛温泉(なまりおんせん)
藤三旅館の施設は本館、別邸、湯治部の3つに分かれていて、温泉は立ちながら入浴する足元湧出の天然岩風呂や露天風呂、半露天風呂、貸切風呂などタイプもさまざま。藤三旅館と後でご紹介する「大沢温泉」がセットの日帰り入浴券もあります。
泉質:単純温泉・アルカリ性単純高温泉
効能:胃腸病・筋肉痛・関節痛・皮膚病・婦人病・肥満・呼吸器疾患など
14.大沢温泉
負傷した征夷大将軍坂上田村麻呂が、大沢の湯に入浴してほどなく傷が癒えたという伝説があったり、宮澤賢治や高村光太郎や相田みつをなど先人たちも何度も訪れたと言われているほど魅力のある温泉です。
泉質:アルカリ単純泉
効能:神経痛・筋肉痛・関節痛・慢性消化器病・疲労回復・健康増進など
15.志戸平温泉(しどだいらおんせん)
泉質:低張性弱アルカリ性高温泉
効能:神経痛・筋肉痛・関節痛・きりきず・やけど・慢性皮膚病・慢性婦人病など
16.湯川温泉
泉質:硫酸塩泉
効能:きりきず・やけど・慢性皮膚病・慢性婦人病など
17.夏油温泉(げとうおんせん)
交通の不便さから秘湯のひとつとして有名な夏油温泉は、お湯が夏の日差しでユラユラと油のように見えたことから付けられました。渓谷沿いにたくさんの露天風呂もいくつもあり、山里奥深い大自然に囲まれながら入る温泉は、まさに秘湯そのもので温泉通にもおすすめの場所です。
泉質:塩化物泉、硫黄泉
効能:神経痛・胃腸病・眼疾患・婦人病・切り傷・慢性皮膚病など
*泉質、効能はそれぞれ違います。
18.瀬美温泉
その上、アルカリ性単純温泉に入ると、古い角質を落としてくれる効果があって、お風呂上りがお肌がツルツルになるので、女性にも人気の温泉地です。
泉質:単純泉・アルカリ性単純温泉・低張性弱アルカリ性温泉
効能:神経痛・関節痛
岩手の名湯「県南エリア」をご紹介
19.一関温泉郷(いちのせきおんせんきょう)
他にはダイナミックな景観に人々を魅了する「厳美渓」や「猊鼻渓」といった渓谷があり、また世界遺産にもなった「平泉」がほど近くにあり、岩手に来たなら欠かすことのできない観光スポットがいっぱい。アクセスもよく、岩手県内の人も県外の人も訪れやすい温泉地です。
泉質:ナトリウム塩化物泉
効能:アトピー・湿疹・美肌効果・疲労回復
岩手の名湯「沿岸エリア」をご紹介
20.三陸復興国立公園(さんりくふっこうこくりつこうえん)
そして、平成31年3月23日には、被災した三陸鉄道のうち宮古―釜石間(55.4キロ)の運行が再開されて、沿岸部が一本のレールでつながり、美しい三陸復興公園を車窓から一度に眺められるようになります。温泉地ではありませんが、三陸の海風を感じられる露天風呂に入れる宿をご紹介したいと思います。
三陸復興国立公園の高台に建つ名勝「浄土ヶ浜」の絶景を有するホテル「浄土ヶ浜パークホテル」。
こちらの宿のお風呂は温泉ではありませんが、赤松越しに太平洋を臨むロケーションで入る「大浴場」や三陸の自然豊かな潮風を感じることができる「露天風呂」が楽しめます。宮古駅から送迎バスも出ているのでアクセスも便利で、近くには三陸海岸の強く美しい景観を楽しむことができる「浄土ヶ浜」があったり、息をのむ断崖絶壁の絶景の「北山崎」、神秘的な鍾乳石とドラゴンブルーの湖が幻想的な「龍泉洞」など観光スポットもいっぱい。そしてこの春には「リアス線」として久慈市から大船渡市まで東日本大震災で被災した沿岸部が一本のレールでつながるようになります。ここでゆったり温泉気分を味わってから、三陸鉄道の旅に出かけてみるのもいいですね。
魅力ある名湯がいっぱいの岩手県で元気をもらおう!
今回は絶景露天風呂から秘湯まで、また岩手に来たなら是非とも立ち寄りたい温泉など、岩手県の「名湯」と言われる行ってみたい温泉地を20ヶ所をご紹介しました。
岩手県には日頃の疲れやストレスを癒してくれる温泉がたくさんあって、源泉かけ流しの「本物の温泉」が味わえるスポットが多く集まっています。
これからのハイシーズン、活気あふれる岩手県に行って、心と体のエネルギーをチャージしてみませんか?
岩手県の温泉に「名湯」が多い理由として、「源泉かけ流し」という言葉をよく耳にします。「源泉かけ流し」とは、地中から湧き出た温泉水を機械で汲み上げて浴槽に供給して、そして溢れ出た温泉水はそのまま排出するということです。また、汲み上げた温泉水は「沸かさず、薄めず、循環させない」といったルールがあって、源泉そのままの自然の状態で、温泉が持つ自然の力をそのまま肌で感じることができるいわば「本物の温泉」という意味になります。