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vol.35 庖丁工房タダフサ・曽根忠幸さん -温故知新が合言葉。暮らしに馴染む本格派の包丁づくり

株式会社タダフサは、“鍛冶の町”として知られる新潟県三条市で昭和23年に創業した老舗包丁メーカー。包丁をつくり続けてきた確かな技術のもと、2012年新たに「庖丁工房タダフサ」というブランドを誕生させました。暮らしに馴染む本格派の包丁は、多くの人を魅了しています。その誕生にはどんな背景があるのでしょうか。庖丁工房タダフサの曽根忠幸さんにお話を伺いました。(2016年04月08日作成)

写真:松木宏祐 文:キナリノ編集部

正直で真面目なものづくりを見てもらう

「ストン」と、気持ちよくトマトが切れるだけで、なんだか少し嬉しくなる。そんな経験はないでしょうか。「庖丁工房タダフサ」の包丁は軽く力を加えるだけでスッと刃が入り、トマトが“なめらか”に切れるほどの切れ味を持ちます。持ち手は綺麗な栗材でできているので見た目も美しく、暮らしに馴染むデザインでありながら、女性にも使いやすい本格派の包丁だと評判です。
「庖丁工房タダフサ」の包丁で切ったトマト。なめらかな断面が綺麗です

「庖丁工房タダフサ」の包丁で切ったトマト。なめらかな断面が綺麗です

女性にも嬉しいナチュラルなデザインも、人気の理由のひとつです

女性にも嬉しいナチュラルなデザインも、人気の理由のひとつです

「庖丁工房タダフサ」は、“鍛冶の町”新潟県三条市で68年続く老舗包丁メーカー「株式会社タダフサ」のオリジナルブランド。2012年のスタート以来、その使いやすさと本格的な切れ味で多くの支持を集め、現在では20ヶ月待ちの製品もある人気ブランドとなりました。
vol.35 庖丁工房タダフサ・曽根忠幸さん -温故知新が合言葉。暮らしに馴染む本格派の包丁づくり
そんな「庖丁工房タダフサ」の包丁を求めて、新潟県三条市にあるファクトリーショップには全国各地からお客様が訪れます。しかし、わざわざ新潟まで足を運ぶ理由は「包丁購入」だけではありません。ショップに隣接する工房で、実際に包丁がどんなふうに作られているのかを「見学」できることも、足を運ぶ理由のひとつなのです。

「日々包丁と向き合い、真面目に正直にものづくりをしているということ。それはこの“ものづくりの場”“職人の手仕事”を見てもらえれば一発でわかってもらえると思うんです」

そう語るのは、株式会社タダフサの社長、曽根忠幸さん。「株式会社タダフサ」の三代目であり、人気ブランド「庖丁工房タダフサ」を立ち上げた立役者の一人です。

新潟県三条市にある「庖丁工房タダフサ」。工房(右)とファクトリーショップ(左)が隣接しています

新潟県三条市にある「庖丁工房タダフサ」。工房(右)とファクトリーショップ(左)が隣接しています

工房の見学には、ご夫婦や友人同士など一般のお客様が多く訪れます。中には、「どうしても見たくて」と、沖縄から足を運んでくれた方もいたのだそう。
工房の中では、現在15名の職人さんが働いています。こちらは包丁の厚みを整えていく“研磨”の作業。どなたも包丁をしっかりと見つめながら黙々と作業している様子が印象的でした

工房の中では、現在15名の職人さんが働いています。こちらは包丁の厚みを整えていく“研磨”の作業。どなたも包丁をしっかりと見つめながら黙々と作業している様子が印象的でした

工房の中を歩いていると、まさに“ものづくり”の現場が説得力をもって目の前で繰り広げられていきます。熱い炉の前で真っ赤に熱せられた鋼を打つ作業を見ながら「この作業が“鍛造(たんぞう)”と言って、まさに『鉄は熱いうちに打て』の場面です」と案内してもらい、鋼を打つ音や研磨をする音を聞き、口を結んで、時には眉をしかめながら何度も繰り返し包丁を確認する職人さんの顔を見る―。道具と機械を駆使しながらいくつもの工程を重ね、人の手によって一丁ずつ包丁ができていく様子を見ることができる工房見学。さながらアトラクションのような時間が過ぎていきます。
こちらがまさに「鉄は熱いうちに打て」の鍛造(たんぞう)。この日は工場長さんが真っ赤な鋼をカンカンと打ちつけ、四角い状態から包丁の形へと変化させていくところを見せてもらいました

こちらがまさに「鉄は熱いうちに打て」の鍛造(たんぞう)。この日は工場長さんが真っ赤な鋼をカンカンと打ちつけ、四角い状態から包丁の形へと変化させていくところを見せてもらいました

リズミカルな音の中で、みるみるうちに包丁の形が出来上がっていきます

リズミカルな音の中で、みるみるうちに包丁の形が出来上がっていきます

全ての工程で、何度も確認しながら作業を進めていきます

全ての工程で、何度も確認しながら作業を進めていきます

「“職人の手で一丁一丁つくられていく過程”を、間近に見ていただければ、やっぱり納得していただけると思うんです。農作物と同じように、職人の顔が見えるということもお客様にとっては安心できる要素であると思いますしね」と、曽根さん。「だからこそ、見せていきたい。三条で続いてきた伝統技術、そしてタダフサの手仕事を見てもらうしかないんですよね」

温故知新を体現する包丁づくり

新潟県三条市は、隣接する燕市とともに江戸時代から約400年続く“鍛冶の町・燕三条”として国内外で高い評価を得てきました。そんな三条という土地で、曽根さんのおじいさんは戦後間もない昭和23年、裸一貫でタダフサ前身である「曽根製作所」を立ち上げます。以来68年間、職人たちは「本当に良いものをつくり、届ける」という姿勢で、漁業用刃物などプロが使うものから一般家庭用まで、さまざまな包丁をつくり続けてきました。

「三条という産地があって、僕らは刃物作りができている。昔からの環境があったからこそできるんです。まずはそのことに感謝しなければいけないと感じています。」
三代目代表取締役の曽根忠幸さん。それまで隠れた存在だったタダフサの技術をもって、「庖丁工房タダフサ」として自社オリジナルブランドを展開しました

三代目代表取締役の曽根忠幸さん。それまで隠れた存在だったタダフサの技術をもって、「庖丁工房タダフサ」として自社オリジナルブランドを展開しました

それから、と曽根さんは続けます。「それから、産地に感謝をしたうえで、産地に甘えずに本当に良いものをつくり続けるために、『温故知新』の精神で“ものづくり”に挑んでいます。タダフサは、初代の頃からいろんなことにチャレンジする気質がありました。伝統技術に学びながら、新しい技術や新しい材料を取り入れて研究する。そういったことに躊躇したくないんです」

代々受け継がれてきた「温故知新」の精神は、「庖丁工房タダフサ」の製品にもしっかりと活かされていきます。
「基本の3本、次の1本」
庖丁工房タダフサの「基本の3本、次の1本」の7本

庖丁工房タダフサの「基本の3本、次の1本」の7本

「庖丁工房タダフサ」は、「基本の3本、次の1本」の全7本。まずは、三徳包丁・ペティナイフ・パン切り包丁の「基本の3本」を使ってみる。料理の腕が上がったら、より細かく用途の分けられた4種類の「次の1本」にチャレンジするという、とてもわかりやすい商品構成です。シンプルでわかりやすい、そして何よりも良い品質の包丁をつくる「庖丁工房タダフサ」は「良い包丁がほしいけれど、どれを買って良いかわからない」という声に応えた商品でした。
三条のファクトリーショップでは、事前にお願いすればパンの試し切りも可能です

三条のファクトリーショップでは、事前にお願いすればパンの試し切りも可能です

そしてこの7本は全て、現代的なデザイン、使いやすさ、そして伝統技術に裏打ちされた本格的な切れ味が特徴の、まさに「温故知新」な包丁です。

例えばパン切り包丁は、一般的なパン切り包丁のような“波型だけの刃”ではないことが特徴の一本です。先端にだけ付いているギザギザした波刃で切れ目をつくり、その後になめらかな刃の部分でパンを切り分けるため、柔らかなパンもつぶさずにスッと切れるのが特徴です。これはまさに、切れ味の良い刃をつくることができる、きちんとした職人の技術が可能にした一品。また、ハードパンが毎日の食卓に並ぶ西洋文化とはまた違う、日本人のパン事情に合わせた嬉しい側面を持ちます。
良い道具は美しいと思える、まさに「優秀な一本」の三徳包丁

良い道具は美しいと思える、まさに「優秀な一本」の三徳包丁

7本とも、表面はステンレス・切刃にはSLD鋼という錆びにくく“研げる”材質を使用しています。そうすることで、日々の暮らしで扱いやすいだけでなく、本格的な切れ味をもつ包丁になりました。柄には特許取得の「抗菌炭化加工」を施した栗材を使用。ほどよく炭化させ養分をギリギリまでなくすことで抗菌効果がうまれ、腐りにくい柄となっています。また、“女性が使って暮らしに馴染むデザイン”をコンセプトに、プロダクトデザイナーの柴田文江さんがデザインを担当。柔らかなデザインに定評のある柴田文江さんらしい、暮らしにすっと馴染む、シンプルで美しい包丁に仕上りました。
こちらが特許取得の「抗菌炭化木」。柄として削られ、磨かれる前の状態です。最終的に柔らかく美しい表情に磨かれるのですが、職人さんの作業を待つこちらの木片も良い佇まい。抗菌炭化木は柄の部分以外にも、「庖丁工房タダフサ」オリジナルのまな板にも使われています

こちらが特許取得の「抗菌炭化木」。柄として削られ、磨かれる前の状態です。最終的に柔らかく美しい表情に磨かれるのですが、職人さんの作業を待つこちらの木片も良い佇まい。抗菌炭化木は柄の部分以外にも、「庖丁工房タダフサ」オリジナルのまな板にも使われています

中川政七商店とのものづくり
vol.35 庖丁工房タダフサ・曽根忠幸さん -温故知新が合言葉。暮らしに馴染む本格派の包丁づくり
しかし、三条に受け継がれた確かな鍛冶技術を土台に柔軟な発想でものづくりをつづけてきたタダフサも、これまでずっと順調というわけではなかったようです。
 
「『庖丁工房タダフサ』の立ち上げは、経営改善というところからスタートしているんです。売上の見通しが難しくなってきたことに対して、新しい市場を開拓していくために新ブランド立ち上げました。」
vol.35 庖丁工房タダフサ・曽根忠幸さん -温故知新が合言葉。暮らしに馴染む本格派の包丁づくり
「実は、『庖丁工房タダフサ』は、三条市の事業から生まれたんです」と曽根さんは続けます。

「中川政七商店というものづくり(製造)からショップ(販売)までを展開する会社が奈良にありまして、そこの社長である中川淳さんが三条市の事業としてコンサルタントに入り誕生したブランドが『庖丁工房タダフサ』です。三条市長が中川さんの講演を聞いて、『ああ、この人に三条の鍛冶の未来を託そう』と思ったんだそうです」

当初は三条市の鍛冶組合全体のコンサルタントを依頼する事業でしたが、最終的には一社に集中してコンサルタントする、というかたちになりました。
「一社をコンサルして、その一社が“地域の一番星”になることによって二番手三番手が自然と続いていくという、長期的なシナリオを描いたんです。その“地域の一番星”を目指して、僕が手を挙げました」
工房内には機械と作業の音が大きく響きます。工房見学をする人がわかりやすいように、作業工程の内容が書かれた看板が吊るされています

工房内には機械と作業の音が大きく響きます。工房見学をする人がわかりやすいように、作業工程の内容が書かれた看板が吊るされています

「どんな包丁を作ろうかと中川さんと話したときに、僕らの仕事を知ってもらいやすくするために、僕ら作り手と使い手となるお客様の間にいる人たち、つまりバイヤーや販売店の店長、接客をするスタッフにとってわかりやすいものにしよう、と考えたんですね。その考え方は、中川政七商店が、自分たちでものづくりもおこない、流通の最前線となるお店も持っているからこそ生まれる考え方なんですよ。例えば、その商品についてたくさん説明しなければいけないものは、やっぱり流通しづらいわけですよね。ですので、“作り手から使い手への流れ”をいかにわかりやすくするかを考え抜いた結果が『基本の3本、次の1本』ということなんです」
vol.35 庖丁工房タダフサ・曽根忠幸さん -温故知新が合言葉。暮らしに馴染む本格派の包丁づくり
わたしたちが何かものを買うとき、どんなものでも「それをつくった人」がいます。ただ、日常生活ではなかなかそのことが分かりにくいのも事実です。「これさえ揃えれば、まずはOK。もう少し料理の腕が上達したら、次の一本を」というわかりやすい庖丁工房タダフサのコンセプトは、作り手の想いを使い手に、迷うことなくしっかりと伝えてくれます。
“見せる”がキーワードの「燕三条 工場の祭典」
コンセプトが“わかりやすい”ことが作り手と使い手との間の“流れを良くする”機能を持つとしたら、工房などを“見せる”ことは、作り手と使い手の距離を“近づける”機能を持ちます。
ものづくりを五感で感じることのできる“見せる”という行為は、庖丁工房タダフサの工房見学にとどまらず、曽根さんが第一回実行委員長を務めた「燕三条 工場の祭典(こうばのさいてん)」というイベントにまで派生していきます。
「開け、工場!」が合言葉の「工場の祭典(こうばのさいてん)」。(画像提供:燕三条 工場の祭典実行委員会)

「開け、工場!」が合言葉の「工場の祭典(こうばのさいてん)」。(画像提供:燕三条 工場の祭典実行委員会)

燕三条地域のものづくり工場が一斉に開放される4日間は、まさに「工場の祭典」。普段は見ることのできない燕三条の職人たちの仕事を見ることができます。2016年秋で4回目を迎えるこの祭典は、4日間で68工場が参加、2万人が来場するイベント(2015年実績)となりました。「燕三条では職人が真面目に手仕事でものをつくっているため、“見せる”ことができるブランドが数多くありました。だからこそ実現したのが、このイベントです」と曽根さんは言います。
こちらは工場の祭典のロゴ。取材班を駅まで送ってくれたタクシー運転手さんは、「工場の祭典?全国からも沢山人が来るし、地元の人もみんな行くよ!」とおっしゃっていました (画像提供:燕三条 工場の祭典実行委員会)

こちらは工場の祭典のロゴ。取材班を駅まで送ってくれたタクシー運転手さんは、「工場の祭典?全国からも沢山人が来るし、地元の人もみんな行くよ!」とおっしゃっていました (画像提供:燕三条 工場の祭典実行委員会)

これをきっかけに、包丁の奥深さを知って欲しい

vol.35 庖丁工房タダフサ・曽根忠幸さん -温故知新が合言葉。暮らしに馴染む本格派の包丁づくり
「ところで…」と曽根さんは少し身を乗り出してニヤリ。

「庖丁工房タダフサというブランドはまだ僕の中では完成品ではないんです。実は、庖丁工房タダフサの7本は、全国の包丁のなかでピラミッドの中間くらいのここらへん」と、手で三角形をつくって真ん中あたりを示します。「でも、お客さんがもっと“切れる包丁”を求めたとき、このピラミッドの上の層の包丁を求める人たちの受け皿になりたいと思っているんですよ」

68年間包丁を作り続けてきたタダフサ。職人ひとりひとりが「もっと良い方法はないか」と温故知新を体現して築き上げてきた技術は、“切れる包丁”、“本物の包丁”であることの誇りを支えています。そんなタダフサだからこそ、「基本の3本」は本当に“基本”でしかないと曽根さんは続けます。

「庖丁工房タダフサで使っている鋼は、錆びにくくて研ぎやすい。僕の中では“優等生”です。優等生ももちろん素晴らしいですが、でも、四番バッターではないんですね。庖丁工房タダフサの製品は、本当に“基本”で“入門編”だと思います。実はその他にも、いえ、それ以上に、まだまだ多くの“切れる包丁”がある。手間をかければかけるほど、鋼はきちんと応えてくれるんです」
昔から使われている工房内のプレス機。「基本の3本」は、このプレス機で型抜きをして作られています

昔から使われている工房内のプレス機。「基本の3本」は、このプレス機で型抜きをして作られています

こちらは火の中で熱されたあとにハンマーで打って伸ばされ、形作られた鋼。「手間をかければ鋼は応えてくれる」という曽根さんの言葉が思い出されます

こちらは火の中で熱されたあとにハンマーで打って伸ばされ、形作られた鋼。「手間をかければ鋼は応えてくれる」という曽根さんの言葉が思い出されます

曽根さんが四番バッターと表現する“切れる鋼の包丁”は、「基本の3本」に比べると手入れの手間が必要な包丁なんだそう。それでも、タダフサのものづくりに共感を覚え、奥深い包丁の世界に興味を持っていく人たちが増えてきてくれている、と曽根さんは実感しています。

「僕らの想いがちゃんとお客さんには伝わってるんだな、と感じています。例えばフライパンなどでも、鉄のフライパンが再評価されていますよね。大事に正しくつかっていけば道具は応えてくれる、ということがきちんと伝わる時代になってきたと思います。家で使っているうちに包丁が錆びるのは当たり前のことなんです。それでも『研ぐ手間はかかるけど、切れる包丁の方がいいよね』って思ってくれるんですね」
産地を残す
「やっぱり産地なんですよ」と曽根さんは繰り返します。
「伝統技術があってこその切れる包丁、誇れる包丁です」と。

「やっぱり、僕らは三条という産地があって刃物作りができているんです。だから、僕にとって本質的に何をやりたいかって言ったら、三条の技術をしっかりと次の世代に残すということなんです」
鍛冶の町・燕三条の玄関口である「燕三条駅」。曽根さんが守りたい日本の伝統文化が息づいている町です

鍛冶の町・燕三条の玄関口である「燕三条駅」。曽根さんが守りたい日本の伝統文化が息づいている町です

ヨーロッパや北米への輸出も多いタダフサ。海外で求められるのは、タダフサの “切れる包丁”なのだそう。このことは、タダフサの技術とそれを支える鍛冶の町・三条が、国境や文化を越えた大きなステージでも「本物」として評価されているということではないでしょうか。
40年近く工場に立ち続けてきた、工場長の背中

40年近く工場に立ち続けてきた、工場長の背中

「今後はもっと工場の祭典を海外でPRして、海外のひとたちに日本のものづくりをもっと知って欲しいな、と思っています。外国の方に日本のものづくりに携わって欲しいと思っているんです。例えば、外国人が『タダフサの工場で働きたい』って来てくれたら、すごくおもしろいと思っていて。今後さらに労働人口が減っていくなかで、日本人だけが日本の伝統文化を守るのではなくて、海外の人が守って受け継いでくれても僕は良いと思っているんです」
江戸時代から続いてきた三条の伝統技術。古きに学び、良いものを残しながら、新しいことに挑戦していく。そんなものづくりをタダフサは思い描き、実行していきます

江戸時代から続いてきた三条の伝統技術。古きに学び、良いものを残しながら、新しいことに挑戦していく。そんなものづくりをタダフサは思い描き、実行していきます

「だから、小学生のうちの息子が、将来工場を継ぐとなったときに、右腕がフランス人というのも全然ありですし、面白いですよね。いま僕ができるのは“三条”という範囲のことですし、それ以外のことはあんまりしたくない、というかできないんですけども、“三条”を大事にするには、世界を見るしかないとも思います」
「包丁屋さんになる!」と言ってくれたという小学生の息子さんの話になると、パッと笑顔になる曽根さん。ファクトリーショップのなかで

「包丁屋さんになる!」と言ってくれたという小学生の息子さんの話になると、パッと笑顔になる曽根さん。ファクトリーショップのなかで

「温故知新」を基本の姿勢としながら、三条で育まれてきた伝統技術を守っていく「庖丁工房タダフサ」。「基本の3本」のように、入り口として“わかりやすい”というのはとても嬉しいことであり、さらに「基本の3本」以上の世界が知りたいと思ったときに、産地のことまで考えながら、正直なものづくりをしてくれている人がいるというのは、もっと嬉しいことです。曽根さんのお話では、「しっかり」「きちんと」「正直に」「真面目に」という言葉が端々に出てきて、会社の社長さんであると同時に、やはり職人さんでもあるのだと感じました。「庖丁工房タダフサ」はこれからも温故知新を合言葉に「本物の包丁」を作り続けていってくれるはずです。

(取材・文/澤谷映)
庖丁工房タダフサ | ほうちょうこうぼうただふさ庖丁工房タダフサ | ほうちょうこうぼうただふさ

庖丁工房タダフサ | ほうちょうこうぼうただふさ

”鍛冶の町三条”と呼ばれる新潟県三条市で昭和23年創業し、包丁を作り続けてきたタダフサ。創業以来変わらない、一貫してお客様に「本当に良いもの」を提供するという想いのもと、全ての工程を職人の手作業で行い、その一丁一丁に心を込めています。

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