日本の美しい色から見つける、2018-19年秋冬のトレンドカラー
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2018-19年のトレンドカラーのポイントは、ベイクドカラー。ビビッドな色よりもワントーンくすんだ、スモーキーな色合いが特徴的です。そんな少しくすんだ、スモーキーな色合いは、日本古来の色としても、昔から親しまれています。
また、JAFCA(日本流行色協会)による2018-19年のトレンドカラーは、Art(芸術、技術)、Heritage(遺産)、Poetry(詩歌、詩情)の3つのグループに分けられています。この3つのグループごとに、日本の美しい色を使ったおすすめのアイテムをご紹介します。
また、JAFCA(日本流行色協会)による2018-19年のトレンドカラーは、Art(芸術、技術)、Heritage(遺産)、Poetry(詩歌、詩情)の3つのグループに分けられています。この3つのグループごとに、日本の美しい色を使ったおすすめのアイテムをご紹介します。
アート(芸術、技術)系カラー
紫系と青系を基調とする、クールで現代的なパレット。現代美術の抽象画や仮想現実の幻想的な映像などを想起させ、現実と非現実の双方に通用するようなイメージである。委員会では寒色、特に紫系への注目が複数意見上がり、それらを中心に構成した。都会的でシンプルだが、洗練されたアーティスティックな要素も含むスタイルをイメージしている。
勿忘草(わすれなぐさ)色
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ワスレナグサのような可憐な明るい青、水色に用いられます。恋人たちの花といわれ、うるう年の日に、この花を贈る習慣があります。美しい瞳の色にもたとえられます。
瑠璃(るり)色
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濃い紫を帯びた冴えた青色です。仏教で七宝とされる「瑠璃」のような青に似ていることにちなんでいます。瑠璃は、西方アジアで産出され、中国を経て日本に伝わりました。中国の陶器に天然の呉須に長石釉を加えることによって青色に発色する瑠璃釉があります。その技術が日本の有田焼や伊万里焼などに受け継がれてきました。
薄葡萄(うすぶどう)色
淡い葡萄色、薄紫色に用いられます。薄葡萄(うすぶどう)の果実の色です。
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美しいパープルカラーのニットは、瑞々しく色づき始めた葡萄のよう。ボトムスは白色にして、カラーを引き立たせたい。1枚で絵になるカラーニットです。
Heritage(遺産)系カラー
古びたタペストリーや壁紙、重厚な織柄カーテン、熟した果実や枯れた植物、ヴィンテージの服、ゴールドや金属の鈍く重い質感などを連想させるパレット。長い年月をかけて人から人へ伝承された技術や、昔ながらの手仕事の蓄積など。アナログだからこそ美しい、ものづくりの記憶の色である。
山吹(やまぶき)色
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表地に淡朽葉、裏地に黄を配し、春に庭や垣根に黄色の花を咲かせる山吹を象ったものです。山吹の花の黄は鮮やかで暖かみがあり、後世ではその色を黄金色の代名詞としています。山吹の花の色の美しさと姿のやさしさは平安人の心を惹き、『源氏物語』「野分」に、「八重山吹の咲き乱れたる盛りに露かかれる・・・」と描写されています。
栗梅(くりうめ)色
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栗色みがかった濃い赤茶色です。色名は「栗色の梅染」が略されたもので、江戸時代前期から使われました。遊郭の風俗、習慣を編纂した『色道大鏡』では郭の遊客の小紋羽織の色によいとされ、衣服類のことを記した『反古染』では、元文の頃、小袖の色に、明和の頃、麻裃の色に流行したとあります。
鶯(うぐいす)色
灰色がかった緑褐色をいいます。一般に、ウグイスの羽の色をさし、やや濃いめの黄緑色をいいます。江戸時代から染色の色としてよく用いられました。アオエンドウを煮た鶯豆、ヨモギなどを混ぜた鶯餠の色が典型的です。
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きれいなで落ち着いたカラーの鶯色は、バッグや小物に取り入れやすい。秋冬のシックな色遣いにこそ、映える色合い。
褐(かち)色
ごく暗い青紫色です。「かっしょく」とも読み茶系統の色を表すこともありますが、「かちいろ」は、紺より濃く暗い藍染めの色をいいます。色名の「かち」は、藍を濃く染めるために布などを搗つ染法にちなんだといわれますが、漢字は同音の「褐」が当てられました。
Poetry(詩歌、詩情)系カラー
冬のペールカラー。ロマンティックで、肌感覚の甘い気分を誘うパレットである。シルクのランジェリーやカシミアのニットなど、なめらかでつややかな質感。あるいはモダンな高機能スポーツ素材に代表されるスポーティでフィジカルなイメージも想起される。
茶鼠(ちゃねずみ)色
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茶色がかった鼠色、黄赤みの灰色に用いられます。江戸中期以降、他の茶や鼠とともに流行しました。「ちゃねず」ともよびます。茶味の鼠系の色には、江戸風の江戸鼠、王朝文化ゆかりの嵯峨鼠などがあります。
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ベーシックカラーのグレージュにも近い色合い。革小物でもたくさん使われています。
藍白(あいじろ)色
かすかに薄い藍をかけた、「瓶覗」よりも淡い白のことです。純白は、すぐに赤くやけるので、白のすがすがしさを少しでも永続させる手段として青みづけしたものです。
水柿(みずがき)色
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灰色みがかかった紅花の赤色です。色名は淡い柿色の意味です。江戸時代後期に書かれた『手鏡模様節用』から見て、この柿色とは柿渋色のことと思われます。
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水柿色は女性らしさを最大限に引き出してくれるカラー。優しく愛らしい雰囲気を演出してくれます。
いかがでしたか?
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これからのシーズンに取り入れてみたい日本の美しい色は、見つかりましたか?
日本古来の色は、現代の生活のも息づいています。名前もとても優美なものばかりで、調べてみると楽しいですよ!
2018-19年秋冬のトレンドカラーの参考にもしてみてくださいね。
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きれいな勿忘草色のコートは、冬のコーディネイトの主役にしたいから、他のアイテムはダークカラーでまとめてみましょう。