「森林浴」とは、樹木に接することで、人間の心身への癒しを求める行為のこと。欧米などでは「森林セラピー」「自然療法」として森林浴が、医療行為として実用化されている国、保険が適用されている国もあります。

森林浴は、私たち人間に様々な健康的な効果を与えてくれる期待がされています。例えば身体の疲れやイライラの原因となっている「ストレスホルモンの減少」「副交感神経の活発化」などのほか、「血圧・脈拍数低下」「免疫力UP」など、森林浴をすることによって様々な効果が期待されており、科学的に実証されつつあります。

森林浴といえば、「リラックス」「癒し」「マイナスイオン」などを想い描く方も多いのではないでしょうか。これらは、一般的に“森林浴効果”と言われています。森林浴効果の秘密とは、森林の樹木が発散する「フィトンチッド」という物質によるものです。フィトンチッドは、抗菌、防虫、消臭など様々な効果が期待されており、フィトンチッドを吸い込むことで、私たちの心身をリラックスさせてくれます。

六甲山地、摩耶山の西側にそびえる再度山の北側に位置する神戸市立森林植物園は、総面積142.6ヘクタールを誇る広大な樹木の植物園です。ここでは、日本全国や世界各地の樹木約1200種類の樹々が植樹されています。

「森林浴」と聞くと、山の中にハイキングに行かなければならないようなイメージがあるかもしれませんが、神戸市街地からほど近い場所にある神戸市立森林植物園は、よく整備された植物園となっているので、歩きやすく、気軽に公園を訪れる感覚で森林浴を楽しむことができます。

神戸市立森林植物園で植樹されている樹々は、原産地の森としてゾーン別に分けられて整備管理されています。ここでは、自然に近い形で樹々が栽培されており、植物園に居ながらも、森を訪れたかのような気分を味わうことができます。

兵庫県と鳥取県の県境に位置する赤西渓谷は、標高480メートルから880メートルの山間部に位置する緑豊かな美しい渓谷で四季折々で美しい景色を見せてくれます。

赤西渓谷では、深緑の樹々ととうとうと流れる渓谷美が織りなす美しい景色を随所で見ることができます。ここは、「水源の森百選」「ひょうごの森百選」にも選定されており、穴粟市に水をもたらす豊かな水源となっています。

但馬高原植物園は、自然保護をテーマとする植物園で、約17ヘクタールの敷地面積のうち、10ヘクタールは自然林をそのまま保護した植物園となっています。中でも、樹齢1000年を超え、主幹の太さは約3メートルにおよぶ大カツラは、但馬高原植物園のシンボルでもあり、兵庫県指定天然記念物に選定されています。

「氷ノ山後山那岐山国定公園」に指定されている氷ノ山は、兵庫県では最高峰となる標高1510メートルの山です。ここは「日本に百名山」「ふるさと兵庫50山」にも選定されており、近畿地方でも特に優れた自然環境に恵まれていることで知られています。

氷ノ山では、四季折々で美しい景色を眺めることができます。冬はスキー場となる氷ノ山のグリーンシーズンは、ハイキングや渓谷散策、キャンプなどで大勢の人々で賑わいます。よく整備されたハイキングコースは歩きやすく、森林浴にぴったりです。

西日本唯一の亜寒帯性湿生植物が自生している氷ノ山では、標高800メートル以上の山腹にはブナなどの自然林が豊かに生い茂っています。また、ここでは天然記念物に指定されているイヌワシなども生息しているので、運がよければ会えるかもしれませんね。