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パリのシテ島にあるノートルダム大聖堂は世界遺産にも登録されている歴史的・文化的に重要な建物です。まずは簡単に、その歴史と特徴を見ていきましょう。
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「ノートルダム(Notre-Dame)」とは、フランス語で“私たちの貴婦人”という意味。これは、聖母マリアに捧げられた教会堂であることを表しています。
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パリ以外にも、カナダ、ベルギー、ルクセンブルといったフランス語圏にノートルダム大聖堂があります。(写真はモントリオールのノートルダム大聖堂)
また、ノートルダムの名を冠した教会や寺院も各地に建てられていて、関連した建物は実に22ヵ所もあるのです。
フランス国内だけでも8ヵ所にノートルダム大聖堂があります。その中で最も有名なのが「ノートルダム・ド・パリ」。『レ・ミゼラブル』の著者としても知られるヴィクトル・ユーゴーがその名を小説のタイトルとしたことで、後に世界中に広まっていきました。
小説『ノートル・ド・パリ』(1831年)を原作として、これまでミュージカルやバレエなど数々の作品が作られてきました。
そして1996年にはディズニー映画に!あの名作『ノートルダムの鐘』の舞台が、パリに実在しているこのノートルダム大聖堂です。
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1804年にはナポレオンがフランス皇帝に即位した戴冠式(たいかんしき)がパリのノートルダム大聖堂で行われました。1885年には心理学者フロイトがここを訪れ、あまりの美しさに感動して大聖堂の塔に2度ものぼったのだとか。
そんなエピソードが残る同じ地に立つというのは、感慨深いですね。
ではここから、フランス・パリにあるノートルダム大聖堂の具体的な見どころをご紹介していきます!
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ぜひ少し離れたところから外観全体を眺めてみてください。
こちらは、2つの塔を配した正面。ゴシック建築の最高傑作といわれる厳かな姿です。
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違う角度から見ると、全く違った景観です!
この写真は、南側から見た佇まい。この優美に憧れてパリを訪れる人も多いのだとか。セーヌ河のクルージングをしながら眺められます。
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正面裏もまた独特の美しさ。東側になるのですが、こちらには公園もあり、気持ちよく散歩ができます♪
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大聖堂内へと進む正面入口のアーチ。見上げると、こんなに細かく繊細な彫刻が施されています。見学のスタート時点でもうすでに感動でため息が……。
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聖人の彫刻は、1つ1つ個性が異なります。よく見ると、自分の頭を持っている像や竜を踏みつけている像も。それぞれストーリーがあり、由来や意味を紐解いていくとさらに奥深く感じられます。
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鉄の細工で緻密にデザインされた木の扉。実はこれは、作業を命じられた金具職人の見習いヴィスコルネが自分の力で手掛けられず行き詰ったすえに悪魔と契約を交わし、その悪魔が一夜で完成させたというもの。ヴィスコルネは代わりに魂を売ってしまい、翌朝亡くなったという、そんな物語が秘められています。
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聖堂内には3ヵ所、ゴシック建築の代表的な表現手法である「バラ窓」があります。光を帯びて神秘的に広がるステンドガラスの花びら。圧巻のひとことに尽きます。
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それぞれ窓によって違う多彩なデザイン。影とのコントラストも秀麗で、見とれてしまいます。
大聖堂まで来たら、塔の上までのぼることをおすすめします!
パリの街を360度見渡せる絶景。2つの塔を結ぶテラスには悪霊を追い払う怪獣シメールがたくさんいます。表情やしぐさが個々に違っていて、不気味なような愛くるしいような。
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ディズニー映画にもなったノートルダムの鐘も見過ごせません。大聖堂には鐘が10ヵ所に配置されていてそれぞれ名前が付けられているそうです。最も大きい「エマニュエル」は、重さが13トン以上!1685年に造られたという古いものですが、今でもクリスマスや復活祭の際に美しい音をパリの街に響かせています。
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大聖堂の建築が最初に着工されたのが12世紀。それから約200年もの歳月をかけて完成されたものの、18世紀にはフランス革命によって廃墟同然に。その後19世紀に入ってから修復されて現在に至るのですが、20世紀になってから地下に駐車場を作ろうとしたら地下遺跡が発見されたそうです。そこに眠っていたのは、紀元前1世紀に築かれた古代ローマの暮らし!
知れば知るほどドラマチックな場所ですね。
そんな歴史を物語る地下遺跡や宝物館も有料で内覧できます。
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正面広場で人々が集まって足元を見つめていたら、そこにきっと「ポワン・ゼロ」があるはずです。石畳に埋め込まれたこのポイントは、パリの中心であることを表しています。つまり、ここが各都市へとつながる起点=ゼロ地点。足を乗せて記念撮影するのが定番ショットです。
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夜のライトアップされた景色もステキです。
隣を流れるセーヌ河岸周辺には、共に世界遺産に指定されているエッフェル塔やパリ市庁舎など数々の名所が点在しています。セーヌ河沿いの観光もたっぷり楽しんでください。
正式名称:Cathédrale Notre-Dame de Paris (パリ・ノートルダム大聖堂)
住所:6 parvis Notre-Dame, Place John Paul II, 75004 Paris
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【大聖堂】
オープン時間:8:00~18:45 (土日は19:15まで)
入場料:無料
【塔の見学(屋上)】
オープン時間:10:00~17:30(1~3月、11・12月)、10:00~18:30(4月~10月)、10:00~23:00(7・8月の金土曜)
入場料:一般 10ユーロ、18歳~25歳 8ユーロ、18歳未満無料(パスポート提示)
※ミュージアムパスの利用可
【クリプト(地下遺跡)】
オープン時間:10:00~18:00
定休日:月曜
入場料金:一般 7ユーロ、18歳未満 無料(パスポート提示)
※ミュージアムパスの利用可
【宝物館】
オープン時間:9:30~18:00
入場料:一般 5ユーロ、18歳未満 無料(パスポート提示)
※ミュージアムパスの利用可
※いずれも、入場はクローズ時間の45分前まで
(情報は2018年12月のものです)
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日本語のオーディオガイドがレンタルできます(5ユーロ)。
貸出時間は月~土曜が9:30~18:00、日曜が13:00~18:00。
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無料で入ることができる大聖堂内は予約が必要ありませんが、塔へのぼるには時間を指定して予約しなければなりません。塔の入口付近にある予約発券機を利用するか、もしくは事前に無料アプリで予約を取っておきましょう。
◆予約専用アプリ → JeFille(ジュフィル)
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見学のための所要時間は、大聖堂だけなら1時間、塔へものぼるなら2時間は予定しておきましょう。さらに地下や宝物館まで周る場合は3時間。
行列は必至です。入場に時間がかかることも、あらかじめ計画に入れておきましょう。
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パリのノートルダム大聖堂は、フランスの歴史とゴシック建築の最高峰を感じ取れる荘厳な場所です。宗教美術や街に溶け込む風情も魅力。現実を超えるような多様な要素が美しさの中に詰まっています。だからこそ人々を惹きつけ、感動を実感した人たちの絶賛が世界中で拡散し続けているのです。
ヨーロッパ屈指の観光スポットへ、今すぐにとはいかずともいつかは、あなたも訪れてみませんか?
「ノートルダム(Notre-Dame)」とは、フランス語で“私たちの貴婦人”という意味。これは、聖母マリアに捧げられた教会堂であることを表しています。