五色沼は、裏磐梯（うらばんだい）にある五色沼湖沼群（ごしきぬまこぬまぐん）と呼ばれる複数の湖沼の総称です。なぜ「五色沼」という名前がついたのかというと、エメラルドグリーンやコバルトブルーに神秘的に染まる湖沼が存在するから。特に、晴れた日には、色どり豊かで美しい湖沼を楽しむことができます。

五色沼を巡るには、「五色沼自然探勝路」というトレッキングコースを利用するのがおすすめ。1時間10分ほどかけて、主要の湖沼を散策できます。ここでは、五色沼自然探勝路に含まれる、五色沼の代表的な湖沼をご紹介しましょう。

毘沙門沼は、五色沼の中で最も広大な湖沼。エメラルドグリーンに染まった沼の背景には、磐梯山がそびえたちます。ボートで遊泳することもでき、自然と密に触れ合うことができます。

秋になると、毘沙門沼周辺の木々の葉が赤く色づきます。磐梯山と一緒に見る紅葉は、うっとりしてしまうほどの美しさです。

冬の毘沙門沼の景色。木々が雪で白一色に染まります。閑散とした空気の中で、落ち着いた時間を過ごすことができますよ。

また毘沙門沼は、珍しい鯉がいることで有名です。見ると幸せになるという「ハートの鯉」。鯉のお腹にハートマークがついているんですよ。必ず出会えるというわけではないので、出会えたらラッキーですね。

赤沼は、季節によって違う色を見せる湖沼。赤沼と呼ばれるのは、周辺の木々に酸化した鉄がつき、それが映えて赤く見えるからなのだとか。

秋になると、一気に木々の葉が紅葉と化します。赤や黄など、様々な色に変わる赤沼の紅葉は必見ですよ。

また、赤沼周辺には赤沼神社があります。この神社周辺は、冬になると雪が地面いっぱいに積もるので、荘厳とした雰囲気になります。赤沼を訪れたついでに、赤沼神社にお参りしに行ってもいいかもしれませんね。

深泥沼は、緑や黄色、赤色の3色に色づいた美しい湖沼。同じ沼の中で色が異なるのは、水質や水の深さが関係しているそうです。

時期によっては、緑一色に見えることも。訪れるたびに、違う顔を持つ深泥沼に出会えるかもしれませんね。

また弁天沼の背景には、裏磐梯にある吾妻山（あづまやま）が見えます。広々とした弁天沼と吾妻山眺めは最高です。きっと解放的な気分を味わうことができますよ。

瑠璃沼は、場所によって色が変わる湖沼として知られています。その色づきは、この湖沼に設置されている展望台から見るとよく分かるのだとか。

明るめの青色に色づいた湖沼と周辺の木々の色などが合わさって、とても不思議な光景を見ることができる瑠璃沼。五色沼の中でも、ミステリアスな湖沼です。

青沼は明度が高く、神秘的。水底に育った苔の緑と太陽光があいまって、コバルトブルーの様な色に光ります。天候や時間帯によっても色が変わる言われており、訪れる時間を変えて観賞するのも楽しいかもしれませんね。

青沼は、冬になっても美しさは健在。湖沼の周りの木々が水面に映り、澄んでいるのが分かります。季節問わず、綺麗な風景を楽しめるところです。

柳沼は、毘沙門沼と弁天沼に次ぐ広さを持つとても静かな湖沼です。

柳沼の最大の魅力は、紅葉。五色沼の中で、最も美しい紅葉を見ることができると有名です。もみじやかえでなど色々な種類の木々が植えられ、個性あふれる紅葉を楽しめます。紅葉シーズンにぜひ訪れてみたいですね。

紅葉が美しい柳沼ですが、他の季節に訪れても静かで美しい風景を味わうことができます。柳沼で、ゆっくり景色を眺めて自然を感じたいですね。

見応えのある五色湖沼群近くには、他にも魅力的な観光スポットがあります。五色沼への観光とセットで、ぜひ訪れてみてくださいね。

諸橋近代美術館（もろはしきんだいびじゅつかん）は、五色沼巡りの始点となる裏磐梯ビジターセンターから歩いて10分ほどのところにあります。

諸橋近代美術館の魅力は作品だけではありません。美術館前に広がる池が澄んでいて、そこに映る美術館と風景がとても美しいと評判です。個性あふれるダリの作品と美しい景観が同時に見られる、素敵な美術館です。

裏磐梯を囲む磐梯山（ばんだいさん）は、福島を代表する山です。標高は約1,816mで、日本国内の魅力的な山を認定する「日本百名山」にも選ばれています。

磐梯山は、五色沼の毘沙門沼と瑠璃沼から見ることができます。荒々しい外観が特徴的な磐梯山は、とても迫力があります。

磐梯山全体を眺めるのにおすすめのスポットは、猪苗代湖（いなわしろこ）。壮大な広さを持ち、余計なものが一切ない猪苗代湖から見る磐梯山は、とても存在感があって綺麗です。晴れた日には、湖に映る磐梯山も見ることができるので、ぜひ一度訪れてみてくださいね。

それぞれ違った美しさを持つ五色沼。季節によっても違った表情を見せてくれる、自然の美しさを存分に楽しめるところです。ぜひ一度、個性豊かな五色沼湖沼群に足を運んでみてくださいね。