仕事に、家事に、人間関係や子育てに。現代女性の都市生活はストレスでいっぱいです。忙しく充実した日々を過ごしているようで、実は目に見えない疲れが溜まっている…そんな人も多いのでは。

そんな、毎日を忙しく過ごす現代女性におすすめしたいのが「森林セラピー（R）」です。登山ほどハードではなく、心地良いと思えるペースで森を歩くことがメイン。さらに周辺の街や飲食・宿泊施設、温泉などとも連携した体験や、メディカルスタッフによるカウンセリングなどのサービスも。森の環境に癒やされながら、トータルに心身の健康に働きかけるプログラムです。

森林の気温や湿度、音などを含めた環境の快適さや、木のもたらす香りのもと「フィトンチッド」という成分がストレスを軽減し、健康に好影響をもたらしていると言われ、研究が進められています。心理的な心地良さだけでなく、ストレスホルモンや交感神経活動の低下（リラクゼーション）など、体に働きかける効果も証明されています。森が持つ癒しの力をもっと積極的に取り入れ、心身のコンディションを整えるプログラムとして、いま注目を集めているのが「森林セラピー（R）」です。

現在、全国62の森が「森林セラピー基地」として認定されています。森林ウォーキングだけではなく、専門知識を持ったスタッフと、健康やリラクゼーションを目的としたプログラムが用意されていることが特徴。

周辺に食事や温泉、宿泊施設なども整えられていて、ゆったりと滞在しながら心身を休めることができます。

プログラムの始まりは、青梅線終点の奥多摩駅。レトロな駅舎と豊かな山林の風景が迎えてくれます。町認定のガイドが案内する「1泊2日コース」と「日帰りコース」のガイドウォークがあり、どちらも奥多摩駅に集合します。
下記は1泊2日コースプランの1例です。
①集合→②ガイダンスや健康チェック、医師の問診（オプション）など→③奥多摩の食材をふんだんに使い、管理栄養士の指導のもと作られる「セラピー弁当」の昼食→④ガイドさんと一緒に森へ出発。いよいよ森林ウォークのスタートです！

【奥多摩湖いこいの路】（約6時間/約12km）4月〜11月／しっかりレベル
湖畔沿いにコナラ、ヤマザクラ、スギ、ヒノキなどが混在し、終点に山のふるさと村があります。距離はありますが高低差は少なめのフラットコースです。

【川苔谷、百尋ノ滝探勝路】（約1時間50分・約1.8km ）4月～11月／しっかりレベル
「日本水源の森百選」にも選ばれる百尋ノ滝など、奥多摩を代表する滝を巡ります。滝や渓流のマイナスイオンでたっぷりと癒されるコースです。

【香りの道「登計トレイル」】（約40分・約1.3km）通年／らくちんレベル
全国で初めてセラピー専用ロードとして設置された道。一部舗装、ウッドチップを敷き詰めた道にはバリアフリー区間も約420mあります。ベンチや休憩施設、トイレも用意されているので、小さなお子さん連れの方や初心者でも安心。森林ヨガなどのイベントも行われます。

【鳩ノ巣渓谷遊歩道】（約1時間15分・約2.5km）／ふつうレベル
鳩ノ巣渓谷、白丸湖、数馬峡など湖畔と渓谷沿いを歩きます。渓谷にかかる数々の橋や点在する池の景観、また秋には紅葉の名所として人気です。

【奥多摩むかし道】（約4時間30分・約9km）通年／しっかりレベル
巨樹や渓谷、神社や道祖神などが点在する旧青梅街道をたどる、歴史好きの方におすすめのコース。写真は「白髭神社」。社殿に覆いかぶさるような高さ約30mの巨岩は都天然記念物に指定されています。

ガイドウォークで森に癒された後、1泊2日コースは下記のようなプランで進行します。
①健康チェック→②温泉入浴指導→③町が認定する癒しの宿にチェックイン（入浴・夕食）→④翌朝朝食後チェックアウト→⑤健康チェック→⑥ストレッチ→⑦そば打ち体験・昼食→⑧ガイドウォーク→⑨健康チェック→⑩解散
日帰りコースは、1日目のガイドウォークの後、解散となります。

奥多摩湖畔公園にある「山のふるさと村」は、自然体験、クラフト体験などの拠点となる施設です。宿泊できるキャンプ場もありますよ。

歩いたあとは温泉も楽しみのひとつ。疲れを癒やす入浴法の指導も受けられます。

「ノンノ」はアイヌ語で「花」という意味。6月中旬〜7月初旬に咲くクリンソウが見事です。また、クマゲラやアカゲラを始めとした野鳥や、エゾシカ、キタキツネなどの野生動物も数多く生息しています。

津別峠に宿泊するなら、ぜひ早起きして朝焼けを見たいもの。お天気によって、一面の雲海が見られるか、澄み切った屈斜路湖が見られるか、どちらにしても心洗われる絶景に出会えます。

信濃富士を望む「野尻湖」。ここは「静かな湖畔」の歌のモデルになった場所なんです。1930年代にキャンプ場が生まれ、そこで作られた童謡が今も歌い継がれている…ずっと昔から人々がこの地の自然に安らぎ、癒されてきたことがわかるエピソードです。

標高1,485m、天空の高原とよばれる四国カルスト高原。360°の展望が広がる高原や、神秘的な四万十川の源流、有史以前の地割れが今も残る「引割り」など、自然条件をいかした個性的なセラピーロードが4コース用意されています。涼やかな高原の森を歩けば、下界の夏の暑さなんか忘れてしまいそうです。

津野町の不入山には四万十川の源流点があります。四国内最長の川、196kmの流れの源はこんなところにあるんですね。このほか、アロマやヨガ、神楽太鼓体験や星座鑑賞などのプログラムが用意されています。

ブナの原生林や高山植物、個性的な温泉に恵まれた「八幡平ゾーン」。セラピーロード「大沼」は夏には花々が咲き乱れ、秋には湖面に紅葉が映る美しい道。「蒸ノ湯」は地面から湯気が立ち上るダイナミックな景観を楽しめる道です。こちらには八幡平温泉郷があり、お湯の癒しもたっぷりと。このほか大湯温泉郷を抱く「大湯ゾーン」、市街地に近くアクセスしやすい「東山ゾーン」があります。