新緑が美しく、体を動かすのが楽しい季節がやってきました。鳴子温泉郷のひとつとして紹介されることの多い鬼首(おにこうべ)温泉ですが、鬼首温泉自体も複数の温泉を含めて鬼首温泉郷と呼ばれています。

駐車場から階段を降りると、濃い緑が広がって歩くだけでもリラックス効果のありそうな「地獄谷遊歩道」が伸びています。足場は綺麗に舗装されており、全長で1キロメートル、約30分ほどと程よい長さで気軽に訪れることができる場所です。

天候や訪れる時間によって湯煙の見え方が変わり、いつ行っても新鮮に感じられる「地獄谷」。光を受けて輝く湯けむりはとても神秘的です。

遊歩道の途中には、間欠泉の小さいものも見られます。「紫地獄」と名付けられたこの場所からは、少ないながらも常にお湯が吹き出しています。

規模は小さいなりに常に熱い湯が噴き出していることで、この場所は周辺よりも一段と濃く湯煙が立ち上り、いつでも雲に包まれているかのように見えます。それを仏教界の極楽にたなびく紫雲になぞらえ、ここを地獄谷の極楽に例えて「紫地獄」と名付けられたという説があるそうですよ。

遊歩道を歩いていると、ときおりゴボゴボと湧き出る湯量が突然多くなることがあります。そんな時は、先を急がず立ち止まってみてください。

徐々に勢いを増してお湯が湧き出る様子を、すぐ目の前で見ることができます。その力強さはなんとも言えない迫力があり、人間の及ばない自然の素晴らしさと怖さを同時に感じます。

遊歩道の脇には吹き上がらずともボコボコとお湯が沸く湯溜まりがいくつもあり、まさに「地獄谷」という名にふさわしい場所なのです。

温泉の熱をさらに身近に感じるには、温泉卵が1番ですよね！遊歩道の途中に、その名も「卵湯」と名付けられた天然の湯溜まりがあり自由に温泉卵を作ることができます。

そのため、地獄谷を訪れる人の多くが生卵を持参しています。その場で食べる時には、殻を持ち帰るなど環境に配慮しましょう。