大門坂の象徴ともいえる苔に覆われた石畳の両側には悠久の時間の流れを感じさせる杉の老木がそびえています。静謐な雰囲気が漂う大門坂は、参拝者を日本有数の霊場へといざなう誘導口です。

熊野三山のうち、最も華やかな雰囲気を醸し出しているのが熊野那智大社です。堂々たる佇まいの鳥居の朱色と、樹々の緑のコントラストの美しさは格別で、険しい山道を歩いてきた疲れを忘れさせてくれます。

熊野那智大社の境内は荘厳で静謐な雰囲気が漂っています。社が創建されてから現代まで、何万人の人々が、ここへ巡礼に訪れたのか、想いを馳せずにはいられなくなります。

熊野那智大社からは、日本の滝100選に選定されていて、日本三名瀑（華厳滝、袋田の滝、那智の滝）の一つに数えられる那智の滝を遠望することができます。

那智の滝そのものを祭神として祀る飛瀧神社境内からは、すぐ間近で滝を眺めることができます。むき出しの岩肌と白いしぶきからは、大自然の美しさと同時に畏怖さえも伝わってきます。

西国三十三所第一番札所に指定されている青岸渡寺は、仁徳天皇が統治していた4世紀に創建された寺院です。

青岸渡寺からは、熊野山に広がる素晴らしい眺望を一望することができます。

世界遺産の聖域、熊野本宮大社の参道には158段の石段が続いています。風にはためく幾本もの旗、悠久の時間の流れを感じさせる杉の巨木が、熊野本宮大社参道の神聖な雰囲気を引き立てています。

険しい山道と158段の石段を登りきると、熊野本宮大社の本殿にたどり着きます。周囲を山に覆われた神秘的な熊野本宮大社は、全国の約3000社点在する熊野神宮の総本社です。

かつて熊野本宮大社が置かれていた場所、大斎原には、高さ33.9メートル、幅42メートルの日本一高い大鳥居が建てられています。

周囲を水田に囲まれた大斎原。稲の植え付け直前期には、水田が鏡のように大鳥居を映し出し、周囲の山岳風景と融和し、素晴らしい眺望が広がっています。