東寺(教王護国寺)の大日如来像、帝釈天像、不動明王像など
~東寺講堂で、曼荼羅に配置された仏像に出会う♪~
東寺(正式名称:教王護国寺)は、真言宗の総本山。平安京遷都794(延暦13)年の際、羅生門を挟んで796(延暦15)年に東西に建立された寺院の一つで、西寺は現存しない。823(弘仁14)年に嵯峨天皇から空海(弘法大師)に与えられ、密教の根本道場(こんぽんどうじょう)とし、今に至る。
<講堂>
大日如来像
講堂の中心でひときわ、輝きを放っているのが、大日如来です。
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その周りを阿閦如来(あしゅくにょらい)、宝生如来(ほうしょうにょらい)、阿弥陀如来(あみだにょらい)、不空成就如来(ふくうじょうじゅにょらい)が囲んでいます。これが五智如来です。
如来は悟りを得た状態を表しています。そのため服装は簡素。
しかし、大日如来だけ、菩薩のように宝冠(ほうかん)をかぶり、着飾っています。
それは、あるときは菩薩となり人々を導き、あるときは不動明王となり命がけで救う、積極的な姿を表しています。明王も菩薩も、すべての仏が大日如来の化身。
帝釈天像
東から講堂に入ると、最初に出迎えてくれるのが、持国天。
増長天(ぞうちょうてん)、広目天(こうもくてん)、多聞天(たもんてん)とともに、四天王と呼ばれる守護神です。
須弥壇(しゅみだん)、東側の梵天(ぼんてん)、西側の帝釈天(たいしゃくてん)を加えた六尊の守護神が、講堂の十五尊の如来、菩薩、明王を守っています。
不動明王像
座して剣を持つ不動明王。思わず息を止めてしまうほどの迫力です。
忿怒(ふんぬ)の形相、右手には宝剣(ほうけん)、左手には羂索(けんさく)をにぎり、真っ赤な火焔(かえん)を背負っています。
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明王は命がけで人を救おうとしています。
救われようとする人も命がけで向かわなくてはいけない、と、剣は示しています。
泉涌寺の楊貴妃観音像
~眩いばかりの美しさ、楊貴妃観音~
■楊貴妃観音
宝相華唐草透かし彫りの宝冠、手に宝相華を持ち、彩色が多く、生けるが如くに端坐する御姿は、その名にふさわしい御像である。
三十三間堂の千体千手観音立像
~仏像ファン必見!1000体の観音様♪~
正式名:蓮華王院の本堂が、南北にのびるお堂の柱間が33もあることから通称「三十三間堂」と呼ばれています。観音菩薩の変化身三十三身にもとづく数でもあります。
地上16m、奥行き22m、南北120mのお堂は、一点透視的に漸減する奥行き感のある眺めで胸のすく壮快さを感じます。
地上16m、奥行き22m、南北120mのお堂は、一点透視的に漸減する奥行き感のある眺めで胸のすく壮快さを感じます。
広隆寺の弥勒菩薩半跏思惟像
~切手のデザインに2回も採用された、日本一美しい仏像~
嵐電の太秦駅を降りるとすぐに見える、重厚感のある楼門が目印です。
広隆寺は、603年に創建された京都最古の寺院であり、聖徳太子建立の日本7大寺のひとつです。
聖徳太子より仏像を贈られた秦河勝が、その弥勒菩薩を本尊として寺を開きました。818年火災で焼失し道昌僧都によって再建され、1150年にも火災にあい現存の広隆寺はその後に復興したものです。
広隆寺は、603年に創建された京都最古の寺院であり、聖徳太子建立の日本7大寺のひとつです。
聖徳太子より仏像を贈られた秦河勝が、その弥勒菩薩を本尊として寺を開きました。818年火災で焼失し道昌僧都によって再建され、1150年にも火災にあい現存の広隆寺はその後に復興したものです。
弥勒菩薩半跏思惟像
切手になった仏像リスト。弥勒菩薩半跏思惟像は、15円と500円切手に採用されています。
永観堂(禅林寺)の阿弥陀如来像(みかえり阿弥陀)
~人びとのことを案じ、みかえる阿弥陀如来~
正式名称「聖衆来迎山 無量寿院 禅林寺」とされる通称「永観堂」は、853(仁寿3)年空海の弟子真紹が藤原関雄の山荘を譲り受け、真言宗の道場として建立されました。その後、承暦年間(1077-81)第7世永観が入寺して以来、浄土宗の寺院と変わっていきました。
阿弥陀如来像(みかえり阿弥陀)
「みかえり阿弥陀如来」のお姿を現代風に解釈すると、次のようになろう。(文:岡部伊都子)
・自分よりおくれる者たちを待つ姿勢。
・自分自身の位置をかえりみる姿勢。
・愛や情けをかける姿勢。
・思いやり深く周囲をみつめる姿勢。
・衆生とともに正しく前へ進むためのリーダーの把握のふりむき。
真正面からおびただしい人々の心を濃く受けとめても、なお正面にまわれない人びとのことを案じて、横をみかえらずにはいられない阿弥陀仏のみ心。
仏像の魅力に酔いしれる
今回ご紹介した5か所のお寺は、こちらのマップで確認できます。
講堂(重要文化財)には、大日如来を中心に21体の仏像を立体曼荼羅と言われる配列に安置している。大師在世時の住房である大師堂(御影堂・国宝)には、弘法大師像(国宝)と大師念持仏の不動明王坐像(国宝)が置かれている。豊臣秀頼の再建した金堂(国宝)、徳川家光が再建した 高さ約55mの日本最高の塔:五重塔(国宝)など見所も多い。