自然にふれあうことで五感を育む
子どもが自然を好きになる!おすすめ本15選
自然っていいな!きっかけをつくる絵本
水の景色が心に響く
美しい自然のうつろい
『よあけ』ユリー・シュルヴィッツ 著・絵、瀬田貞二 訳(福音館書店)
静かな夜明け前、山に囲まれた湖畔で物語ははじまります。描かれているのは、朝を迎える湖の景色。登場人物はおじいさんと孫。ゆっくりと自然のうつろいを感じ、まるで自分自身がその場に身を置いているような気持になります。最小限の言葉と美しい絵から想像力をかきたてる作品。読み終わった後、子供は「この場所に行ってみたい」と目を輝かせているはずです。
命のつながりを知る
『いのちのつながり』中村運 著、佐藤直行 絵(福音館書店)
地球上に暮らしている130万種あまりの生き物はたったひとつの祖先から枝分かれして進化してきました。すべての生き物は遺伝子でつながり合っている。人間も植物も動物も、もとをたどれば兄弟なのですね。分子生物学者である著者が、生き物の遺伝子の変化と進化を解説。シンプルな語り口調は子供にもわかりやすい内容となっています。
生き物を大切にする気持ちが育まれる本
ユーモアあふれる昆虫の本
『昆虫って、どんなの?』いしもりよしひこ(ハッピーオウル社)
「地球でいちばん繫栄している生き物」表紙に書かれたタイトルにびっくり。昆虫がユーモアのあるイラストで詳しく解説されています。「最大の魅力は、つかまえて実際に手にとれること」と語る筆者の昆虫愛を感じる作品。おもしろくわかりやすい紹介は子供が夢中になるはずです。
陸の生き物のかくれんぼ
『さがしてごらん!森のかくれんぼ~擬態と保護色~』伊地知英信(あかね書房)
森や陸にいるかくれんぼをしている不思議な生き物。姿をまわりに似せたり、物の形に変身したりして身を守っています。びっくりするようなだましっこの場面も見ることができますよ。大型絵本で探しながら楽しめる一冊。解説のわかりやすさと写真の美しさも魅力です。
自然と人とクマの関わり
『世界遺産知床の自然と人とヒグマの暮らし』伊藤かおり 著、伊藤彰浩 写真(少年写真新聞社)
近年クマと人との遭遇や事故が問題になっています。そんなニュースを見たわが家の子供が「クマって怖いの?」と疑問を持ったことで購入した本です。この本では、ヒグマが知床の大自然で生き生きと暮らしている姿を美しい写真で解説されています。かわいい子グマも登場しその愛らしさに癒やされます。しかし、人なれしてしまったクマは危険をさけるため殺処分される運命であることも事実です。ヒグマと人が共生するための知恵を教えてくれる本。「クマと人が安全に暮らせるのが一番だね」と、わが子は自然と人間との関りを学びました。
探してみよう!自然にある不思議なもの
びっくりする種の世界
『たね』近田文弘 著、久保秀一 写真(技術評論社)
美しい種、へんてこな種、毒を持つ種、ごちそうを持つ種。近くも遠くもピントが合っているように見えるパンフォーカスの美しい写真。コミカルなイラスト。多様な種の世界を紹介しています。拡大された種は宝石のようにきれい。植物全体の形も掲載されているのでわかりやすいです。著者は「種は命をつなぐ仕組みだ」と語っています。そんな宝石のような種を見つけに行ってみませんか。
身近な石も楽しめる本
『石ころ博士入門』高橋直樹、大木淳一 著(全国農村教育協会)
千葉県中央博物館の研究員の著者が石ころの面白さ・観察のコツをわかりやすく解説。街中でも見つけることができる石材や川や海で見つけることのできる石までたくさん紹介されています。外見だけではなく、偏光顕微鏡を使って中身まで掲載されています。子供が集めた石はどんな種類なのか?知ることができたら素敵ですよね。
キノコをストーリーで学ぶ
『きのこのふしぎえほん』山本亜貴子 著 絵、保坂健太郎 監修(PHP研究所)
森のそばに住んでいるノッコちゃんが動物たちときのこを探しに森へ行きます。どんなきのこに出会うのでしょう。ほっこり和むイラストで描かれていますが、内容はとても細かく充実しています。きれいな色のきのこ、おもしろい形のきのこ、春夏秋冬それぞれに見られるきのこなどたくさんの知識をストーリー形式で楽しく覚えることができますよ。
人と共に暮らすドングリ
『ドングリ(コナラ)の絵本』大久保達弘 編集、アヤ井アキコ イラスト(農山漁村文化協会)
秋になるとドングリ拾いを楽しむお子さんは多いのではないでしょうか。この本ではいくつかの種類の中でも、一番代表的なコナラというドングリの木が紹介されています。縄文時代から人と共に暮らしてきたドングリの四季の姿、生き物とのかかわり、発芽の話まで最後まで飽きない解説。未来へ向けてドングリの木と人との関係を考えさせられる内容でしめくくられています。
大人もわくわくする親子で読みたい本
子供に質問されて答えに困ってしまったことはありませんか。パパやママが興味をもって一緒に覚えることができたら楽しいですよ。大人もはまる、親子で読みたい本をご紹介します。
身近な野鳥に会える本
『子どもと一緒に覚えたい野鳥の名前』山﨑宏、加古川利彦 著(マイルスタッフ)
都会の市街地でも気軽に見ることができる身近な野鳥の名前、生態、特徴などを紹介する図鑑。ページを開くと温かみのある美しい野鳥の絵に引き込まれます。種類をたくさん載せるというよりは、ひとつひとつを丁寧に深く解説している作品。この本を持って一緒に野鳥を見つけに行きたくなるはずです。野鳥を見つけたら本を見ながらおうちでスケッチするのも楽しいです。
ママが懐かしくなる草花
『野の花えほん春と夏の花』前田まゆみ(あすなろ書房)
春と夏の草花を繊細でかわいらしいイラストで描き、わかりやすく紹介。名前の由来や語源になった和歌など文化的な観点からも魅力あふれる本です。子供は「この花この前見つけたよ」とわくわくが止まりません。ママが昔作ったであろう懐かしい草花のリースも紹介されていますよ。クッキングレシピは必見です。「この草は食べることができたんだ」とびっくりするものもありますよ。
自然遊びをするために参考にしたい本
いろんなことに挑戦できる本
『冒険図鑑―野外で生活するために』さとうち藍 著、松岡達英 絵(福音館書店)
冒険とは何だろう。文字通りの意味は危険を冒すということですが、慎重に計画を立てて準備をし危険を避けることが第一であり、そのうえで残る1%の予想もつかない危険に勇敢に立ち向かうことだと著者は言います。野外で生活するために必要なこと、歩く、食べる、寝る、遊ぶ、動植物との出会い、危険の対応などが丁寧で繊細なイラストとともに書かれています。子供にいろんなことに挑戦させる一つの手段としておすすめの本です。パパやママもこんな遊びがしたかったと童心に戻る内容でもありますよ。
子供が好きな自然遊び
『ネイチャーエデュケーション』長谷部雅一(みくに出版)
子供が好きなことって何?遊びたくなる動作、行動、心理の三本柱をもとに考えられた自然遊びの教本。身につけておきたいこと、知っておきたいこと、テクニック、ヒント、ケガをさせないためのこと。自然を存分に楽しむための親が持っておきたい一冊です。原体験(自然の中で五感による直接体験をする)は将来にとても大切な要素だと言われています。この本を参考にさまざまな経験をすることは、感受性が豊になるはずです。
レベル高めのサバイバル
『キャンプでやってみる子どもサバイバル』川口拓(ベースボール・マガジン社)
親子が一緒にサバイバルキャンプが出来る本。自然遊びからすると少しレベル高めかもしれません。「受け入れる力」「感じる力」「同調する力」を育みます。こんな遊びがあるのかと大人がわくわくする内容。サバイバルと言っても危険へのアプローチ方法がしっかりと解説されているので安心です。どの内容も楽しそうで体験してみる価値があります。やり終えたときにはひとまわりもふたまわりも成長しているはずです。
『水の絵本』長田弘 著、荒井良二 絵(講談社)
「地球は水の星。人はみな水の星の子ども」と著者である長田弘が水の絵本への思いを語っています。哲学的で心地いいリズムの詩と荒井良二が描く美しい水の壮大な世界は、感覚的に私たちにうったえるものがあります。「水はすごいね」「大切にする」と心にも響き、温かい気持ちになれるそんな作品です。