自分を見失ってしまった…
心の奥底の気持ちを拾い上げてくれる本
薔薇色の鳥の本 | 文 石井 ゆかり / 絵 梶野 沙羅
人との関係をテーマにした、ビブリオマンシー。ビブリオマンシーとは「本をぱっと開いて、そこにある文章を読む占い」という意味を持っています。本を開くと、優しく幻想的なイラストと、短いけれど心にすっと入る言葉が出迎えてくれます。心の奥底にある表現できない気持ちに寄り添う言葉や、不思議と「過去」や「誰か」の顔が思い浮かぶような言葉にふれることで、静かに自分と向き合えるかもしれません。エッセイや詩集のように、1ページずつめくるのもおすすめです。
孤独を生きる言葉 | 松浦 弥太郎
誰と会っても、何をしても心が埋まらない…そんな時にふと現れる"孤独感"に、悩まされた経験はありませんか?この本には、「独りぼっちだ」と感じた時にも「大丈夫」と思えるような、150の言葉がつまっています。自分の力で立つためには、孤独と上手に付き合うことが大切であること、そして、自分に手を差し伸べるのは、まずは自分自身なのだと気づかされます。ページ下部には、具体的な行動についても書かれているため、実践しやすいはず。自分の心が楽になる言葉を、頭の片隅に置いておくと、心に迷いが生じた時や、困難が立ちはだかった時に力になってくれるかもしれません。
生きることについて、そっと教えてくれる本
自分の生き方に悩み、考えや方向性が定まらない時は、誰にでもあるのではないでしょうか。本は、他の人の経験・知識の宝庫。「生きること」を深く考えたい時には、良い先生になってくれることでしょう。そしてヒントを得ることができたら、選択に迷うことも減り、自信をもって自分の道を歩めるかもしれません。
さあ、本当の自分に戻り幸せになろう | マーク&エンジェル・チャーノフ
この本には、「本来の自分を取り戻す習慣づくりの方法」が紹介されています。やりたいことをする時間の増やし方、行く手を阻む関係・もの・考えの手放し方など、"自分を楽にすること"をテーマにした内容です。読み進めるうちに、自分が心から望むものが、少しずつクリアになってくるはず。自分の時間がない時や、自分のことがわからなくなってしまった時などに、手に取っていただきたい本です。
くり返し読みたい禅語|武山 廣道/絵 臼井 治
「禅語」と聞くと、難しいイメージを持ってしまいますが、実は日常的に使われる言葉の中に、禅語が隠れていることも。この本では、日頃よく見かける禅語を中心に、70個の禅語が収録されています。家庭や職場、暮らしなどのエピソードを交え、難しい言葉を使わず説明されているので、禅語にふれたことのない人の入門書としてもおすすめです。素朴で優しい水彩画が、ほっとなごませてくれるはず。「人間関係」「悩みや迷い」「自信を取り戻す」などに焦点を当てた内容のため、行き詰った時に開きたい一冊です。
クマのあたりまえ |魚住 直子
物語の主人公は、リスやクマ、ライオンや小鳥などの動物たち。自分の生き方や考えの持ちように悩む動物たちが、他の動物・人間・自然とふれあい、知恵をしぼって答えを出す姿がえがかれています。素直で純粋な心を持った動物たちの姿は、微笑ましく、時にぐっとくることも。動物たちから見た世界は、人間とは違うようにうつっているかもしれませんが、"生きることに必死な姿"に共感できる部分は多いのではないでしょうか。1つ1つのお話が短く、気軽に読むことができる1冊です。
1度は迷った人が、立ち直るまでをえがく本
心が折れそうな時には、ツライ記憶ばかりが思い起こされたり、全て投げ出したくなることもありますよね。この章でご紹介する本には、極限まで追い込まれて、心が折れてしまった主人公が登場します。穏やかな環境で1歩ずつ前に進む姿を見ることで、身体や心に限界を感じた時に、その場所から離れる勇気をもらえますよ。
天国はまだ遠く|瀬尾 まいこ
主人公「千鶴」は、1日を生きることが精いっぱいの23歳。無理を重ねた結果、ついに心が折れてしまいます。全てを"終わらせる"ために、北に北に向かった千鶴が行きついた先は、1つの民宿でした。そこで宿を営む、のっそり無造作な「たむらさん」との出会いが、千鶴の人生を変えていきます。自然の中を散歩する毎日や、地域の人々・動物とのふれあい、そしてたむらさんの不器用な優しさにふれ、千鶴の心にも変化が…。立ち止まってしまった時に、無理をして前に進むのではなく、1歩を踏み出すエネルギーを蓄えるのが大切だと、気づかされる1冊です。
エミリの小さな包丁|森沢 明夫
人に騙され、都会での居場所をなくしてしまった主人公「エミリ」。1人都会を脱出し、彼女が向かった先は「おじいちゃん」がいる海の街でした。港の前の丘の上に、ちょこんと立つ木造の平屋で、エミリの夏が始まります。おじいちゃんと一緒に釣りをして料理を作る日常や、海と共に生きる人たちとの交流、畑や海で命の躍動を感じる日々が、エミリの心にささった棘を丁寧に抜き去っていく…希望を抱き、旅立つまでのひと夏の物語です。その場から離れることは、逃げることではなく、前に進むためには必要な時間なのだと思うことができ、読後には心がすっと軽くなるはず。
過ごし方に、迷った時に読みたい本
「何をして過ごそう?」と考えた時に、なにも思い浮かばず、どうしたらいいのかわからないことはありませんか?この章でご紹介する本には、"過ごし方のヒント"が盛りだくさん。自分で選択することに疲れてしまった時には、本からヒントをもらってみてはいかがでしょうか。忘れていたものを思い出したり、「やってみようかな」と思えることが見つかるかもしれません。
暮らしのヒント集|暮しの手帖社
日常の中には、いくつもの小さな幸せが隠れているといいますが、意識していないと中々気が付かないものですよね。この本には、469個の「暮らしのアイデア」が収録されています。毎日の暮らしや仕事に、ささやかな楽しみを見つけられるようなアイデアがつまっているので、外出する時にも持っていきたい一冊です。「やってみたい」と思うことが見つかると、光るものを見つけたような感動を覚えるはず。毎日の時間割に、組み込んでみてはいかがでしょうか。
「くりかえし」を楽しむ12か月のおうちしごと|田中 千恵
みなさんには、好きな季節はありますか?この本には、「12か月の過ごし方」がまとめられています。「季節ごとの楽しみ」「旬の食材を使った料理」「コーディネート」「その月をどんな気持ちで過ごすか」などが載っており、ページをめくるだけでわくわくするはず。全てのページに、あたたかみのある写真が載せられているため読みやすく、心が安らぎます。季節ならではの野菜、花、雑貨、行事などを楽しみながら、次の季節に向けて準備をする…そんな風に、季節に合った生活をすることで、丁寧に時間を重ねられるのではないかと思います。季節の変わり目に、そっと開きたい一冊です。
「自分の本音はどこにあるのか」「この気持ちの正体はなんだろう」と、わからなくなる時もありますよね。この章でご紹介する本には、心の奥底にある気持ちを優しく拾い上げ、そっと寄り添ってくれる言葉がつまっています。