わたしにとって、大切な人って?
家族や友人、恋人との人間関係を描いた本7選
1.木曜日にはココアを/青山美智子
あなたは、何色が好きですか?
その色を見ると、大切な誰かを思い出します。1杯のココアから始まる“色”にまつわる人間模様。あの人のあの出来事は、次の人のこの出来事に……リレーのように人と人を繋いで進みます。心が萎んでしまいそうな日に手に取りたい、じんわり温まる、甘く優しい12色の短編集です。
2.阪急電車/有川浩
【あらすじ】
その日、征志の隣に座った女性は、図書館で見かけるあの人でした。片道わずか15分のローカル線で起きる小さな奇跡の数々。恋の始まり、別れの兆し。乗り合わせただけの乗客の人生が少しずつ交差し物語は紡がれていきます。
どの駅で降りようか
登場人物1人を追うのではなく、視点はあくまで“阪急電車”。乗ったり、降りたり、また乗ったり。電車を利用するさまざまな人たちの人生を観察しているような物語です。次、電車に乗ったら「隣の人にはどんなストーリーが……?」と、気になってしまうかも。
3.ハグとナガラ/原田マハ
【あらすじ】
突然「一緒に旅に出よう」と、大学時代の親友から届いたメール。秘湯に入り、名物を堪能し、花や月を愛でに日本全国駆け巡るハグとナガラ。女ふたりの気ままな旅。気がつけば、四十路になり、五十代も始まり……。自分らしく人生の寄り道を楽しむのもいい。心に灯がともる6つの旅物語です。
人生を、もっと足掻こう
2人は親友。分かりすぎるくらい良く分かる女友達です。一緒にいることでお互いを癒し、励ましています。時間には逆らえない。だからと言ってしおしおと生きる必要なんてない。「確かにそうだ、足掻こう!」と、読み終わったらきっと、何かを始めてみたくなりますよ。
4.きみはポラリス/三浦しをん
【あらすじ】
人は恋に落ちたとき、どうしてそれが恋だと分かるのでしょうか。三角関係、同性愛、片想い、禁断の愛……言葉でいくら定義しても、どれひとつ同じ関係性はありません。けれど、人は生まれながらにして、恋を恋だと知っている──。感情の宇宙を限りなく広げる、最強の恋愛小説集です。
北極星は秘密を持っている
決して甘いだけではない恋愛物語が11編、さまざまな関係性で描かれています。はたから見ると滑稽でも2人にとって当たり前なもの、それでいて優しい。愛の正しいカタチなんて誰も分からない。分からないからこそ、より強く深くなっていくのかもしれません。
5.家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった/岸田 奈美
【あらすじ】
車いすユーザーの母、ダウン症で知的障害のある弟、ベンチャー起業家で急逝した父――。「楽しい」や「悲しい」など一言では説明ができない情報過多な日々の出来事。笑えて泣けて、考えさせられて、心がじんわりあたたかくなる自伝的エッセイです。
笑っていいんだと思います
嘆くならば面白く。この作品からはそんなエネルギーを感じます。悩み抜いた人だからこそ笑える、愛せる。決して簡単ではない人生をおくっているのに、読めば読むほど元気をもらえます。なんだか悩みすぎてしまう……そんな人に読んでいただきたい1冊です。
6.夜行観覧車/湊かなえ
【あらすじ】
父親が被害者で母親が加害者──。高級住宅地に住むエリート家族の中で起きたセンセーショナルな事件。遺された子供たちは、どのように生きていくのでしょうか。その家族と向かいに住む家族の視点から、事件の動機と真相が明らかになっていきます。
ここで生きていく
人間関係から生まれたサスペンスが、“町”という囲いの中で、より複雑になっていきます。理想と現実が思うように重ならないもどかしさは、本当に大切なものをぼかしてしまう……。読み終わった後、いつもと同じ景色が少し違って見えるかもしれません。
7.美しい距離/山崎ナオコーラ
【あらすじ】
サンドウィッチ屋を営む妻。生命保険会社勤務の夫。ある日、妻は末期がんと診断されました。愛する妻の看護は日常であり、また、幸福を感じています。近くて深い夫婦の距離。夫の視点で淡々と語られる、人生考察の物語です。
尊い寂しさ
どこか淡々と聞こえる語り口調。皆、きっとこんな風に心の中で喋りながら生きているのではないでしょうか。非常にリアルで、嘘がありません。夫婦とは言え別の人間。その人が本当に考えていることはその人にしか分かからないけれど、寄り添いたいと思うこと自体が愛だと思えます。
【あらすじ】
小さな喫茶店「マーブル・カフェ」に勤める“僕”は、毎週木曜日にココアをオーダーする女性のことが気になっている。彼女がいつも読んでいるエアメール。家族?恋人?いったい誰から……?