本はそっと寄り添ってくれる友人
疲れたとき、見るだけで元気になる「本の処方箋」
心が疲れてイライラする時…ほっこり優しくなれる本
一瞬で優しい気持ちが満タンに
むなしい日も、幸せな日もある。それが人生。
『今日の人生』益田ミリ(ミシマ社)
カラフルな装丁が手に取るだけで楽しい気分に。心が疲れて気分を変えたい時、ページをめくるとミリさんのイラストがほっこりさせてくれます。シンプルな描写と言葉で表現されていて、それがかえって印象に残り、自分の日常と重ねる楽しさも。むなしい日も、幸せな日もある。おいしいものを食べた日、永遠の別れが訪れた日も…同じようにいつも人生はそこにある。起こったことを自然と素直にそのままを受け取れる「日々」がつまっている一冊。どこからでもさらっと読めるので、ほっと一息つくお供に♪
暮らしまわりの写真でゆったりした気分に
『まいにちつかうもの』伊藤まさこ(主婦と生活社)
料理・雑貨のスタイリスト伊藤まさ子さんの日用品「まいにちつかうもの」を紹介した本。食まわり、インテリア、家事関係、子供まわりのあれこれ等、丁寧に暮らしをしている様子が垣間見えます。綺麗な写真をパラパラッとめくって、目に留まった文章を読んでるうちに、ゆったりした気分になるから不思議。暮らしのことや愛着品のエピソードは、伊藤さんらしい感性で素敵♪「まいにちつかうもの」だからこそ、お気に入りを見つけたい、そして大切に使い続けたくなります。
○紹介商品一例:ケメックスのコーヒーメーカー/イッタラのカトラリー/フォグのキッチンクロス/絵本など
何気ない日常に幸せを探そう
『ダカフェ日記』森友治(ホーム社)
あたたかい日差しが入るお家、こども2人+大人2人+犬が1匹のどこにでもいそうな家族の風景。写真からは、子どもも犬もみんな居心地よく「自分の居場所」を持っているのが伝わってきます。「しあわせ」って何も特別なことではなく、日常の中に溢れているんだと気付かされるはず。家族を見つめるあたたかな空気感がそのまま写真集に。子どもの写真を撮る参考にもなりますよ!
手の平サイズの布張りの装丁、布の手触りが気持ちを落ち着けてくれることを教えてくれました。
自分に嫌気がさした時…気持ちがふわっと軽くなる本
「成長することは楽しい」に気付く自己啓発本
『夢をかなえるゾウ』水野敬也(文響社)
ダメダメな僕のもとに、突然現れた関西弁のゾウの神様「ガネーシャ」。今までの歴史上の偉人は自分が育ててきたという…。なんだか胡散臭いと思いつつ同居することに。ガネーシャが「僕」に毎日出す課題は、「靴をみがく」「トイレ掃除をする」「一日何かをやめてみる」など地味なものばかり。「そんなことをして一体何の意味があるんだろう?」と思いつつ、次第に心待ちにしていることに気付きます。成長していく主人公の姿が、読んでる人に勇気を与えてくれる本。
本の中に自分の居場所を見つけられる
『しいたけ.の部屋 ドアの外から幸せな予感を呼び込もう』しいたけ.(KADOKAWA)
占い師「しいたけ.」さんが、恋愛や仕事、人間関係のモヤモヤ、人生のちょっとした悩みごとの解決策を、やさしい言葉で導いてくれます。しいたけ.さんの魅力は、シリアスになりすぎない捉え方をして、「クスッ」と気持ちを軽くしてくれるところ。誰かの悩み相談のページでは、「あるある!」と共感したり、「自分にはない部分だけど参考になるかも」と、一緒に考えるような一体感も。きっと誰でも本の中に自分の居場所を見つけられます。どんな心の状態の時も受け止めてくれ、人生のどのステージにも必要としたい、お守りの様な一冊。
「いい人」をやめられる本
『「ひとりで頑張る自分」を休ませる本』大嶋信頼(大和書房)
よくある自己啓発本ではなくて、新しい発想で衝撃を感じる本。「恒常性」という「真ん中に戻す力」がポイントになってきます。たとえば、楽しくお酒を飲んではしゃいだ次の日に「はしゃぎすぎた~」「変なこと言わなかったかな!?」と振り返ることがありますよね。お酒を飲んで気分が「ハイ」になっている状態を、次の日の「後悔」で「中和」させて真ん中に戻している理論です。「恒常性」は人間関係にも働き、「いい人」になると、他の人はあなたを困らせる「悪い人」になって全体のバランスを取っているというのです!続きを知りたくなりますよね。軽快で読みやすく新しい視点や発想が生まれそう☆
不安や寂しさを抱く時…クスっと笑えて気持ちがほぐれる本
最後には口角を上げていたい!
『まにまに』西加奈子(角川文庫)
西加奈子さんの日常を切り取ったエッセイ。西さんの持っている観察眼で「人間ウォッチング」すると、「こんな風に見えるんだ」と思わず笑ってしまいます。飾らずに書かれた大阪弁が、「隣で聞いているような」心地よいテンポの文章で、読むだけで元気に☆泣いて怒ってふて腐れたって「最後には口角を上げていたい」。そのどれも「私らしい」ということなんだ、と前向きな気持ちになれます!
生活を続けることは尊い
『そして生活は続く』星野源(文藝春秋)
歌手に俳優に文筆家の多才なイメージの星野源さん。初のエッセイとなるこの本では、素朴な日常生活が綴られています。 携帯電話の料金を払い忘れても、部屋が荒れ放題でも、人付き合いが苦手でも、誰にでも朝日は昇り生活はつづいていく。その普通な日々を面白がる姿勢や、飾らない自然体なところが多くの人を魅了しているのだと納得します。クスッと笑える中にも時折ハッとする言葉が♪
想像力で無限に遊び、子どもよりハマる絵本
『リンゴかもしれない』ヨシタケシンスケ(ブロンズ新社)
一つのリンゴをめぐって発想力が止まらない。初めて読んだ時の感想は、「リンゴだけで、ここまで発想できるの!?」でした。「妄想」や「想像力」を使って無限に遊べることを実証してくれた絵本。何事も決めつけずに、柔軟な視点で物事を捉えてみたくなります。自分の中の思考の引き出しが増えて、読み終わった後とても豊かな気持ちに。絵本は「読み聞かせ」というイメージがありますが、子どもよりも大人がハマる絵本☆読み終えるまで笑顔が絶えません♪
浅田家の一員になったようなワクワク感
『浅田家』浅田政志(赤々舎)
4人家族の浅田さん家が、ラーメン屋や消防士、極道など様々なシーンに扮するシリーズ、「浅田家」。役柄に徹している浅田さん家の面々が素晴らしく、その真剣さに笑いが込み上げてきます。待っていてもなかなか来ない「記念日」を、自ら演出するのは、集まるきっかけ作りであり記録である。浅田さんの根底にある「家族と記念写真を撮る想い」に触れる素敵な写真集です。本をめくると、浅田さん家の一員になったようなワクワク感☆
落ち込んで気力がない時…美味しいページに元気がわく本
色々あっても美味しいものを食べれば幸せ
『きのう何食べた?』よしながふみ(講談社)
几帳面な弁護士シロさんと、人当たりの良いケンジは恋人同士。2LDKのマンションで暮らす2人の楽しい掛け合いと、毎日の食事のシーンが魅力のマンガ。鮭とごぼうの炊き込みごはん、いわしの梅煮、たけのことがんもとこんにゃくの煮物、栗ごはん、いちごジャムetc.…シロさんの作る料理は、愛情がこもっていて美味しそう!色々あっても「美味しいものを食べれば幸せ」という気持ちを毎回味わえます♪料理シーンやレシピ、食材や調味料の代用まで教えてくれるので、「料理」をしたくなります♪わたしは、マンガを読んで料理を作って見たのは初めてでした!
お家で食べるごはんって一番おいしい!
『家で食べるごはんが一番 アルネの簡単料理』大橋歩(サンクチュアリ出版)
イラストレーター大橋歩さんが手がけていた季刊誌『アルネ』の進化版『アルネBooks』。特別に何かを用意する必要はなく、「家にあるいつもの材料と調味料」で、ふつうのお惣菜からデザートが「簡単に作れて美味しい」。シンプルなレシピと美しい写真とともに楽しめる一冊。大橋さんはお肉を食さない方なのでお肉料理はなく、野菜をたくさん食べたい方にオススメ。やっぱり、お家で食べるごはんって一番おいしい!
楽しんでいる様子が伝わってくるお弁当本
『私たちのお弁当(クウネルの本)』クウネルお弁当隊 編集(マガジンハウス)
さまざまな暮らし、さまざまな仕事、さまざまな1日を過ごしている47人の「ある日のお弁当」。お弁当からは、毎日楽しく料理をして、食べることも楽しんで、その先に生きることも楽しんでいる様子が伝わってきます。文章や写真も「その人らしさ」が感じられて、とても楽しいお弁当の本。「1週間のお弁当献立」や「水気はどうしたらいいか」など、お弁当作りが好きな人たちの工夫やコツもとても参考になります。きっとお弁当が作りたくなりますよ♪
人生には「かけがえのない出会い」がある
『スープオペラ』阿川佐和子(新潮社)
35歳、独身のルイが主人公。女手ひとつで育ててくれた叔母さんが、突然の恋に落ちて出て行ってしまい、ルイの家にひょんなことから二人の独身男が転がり込んできます。一つ屋根の下で暮らすことになった三人の関係は…大人の男女の展開が気になるところ。スープ好きの三人、スープの描写がたまらなく食欲をそそります♪美味しいものはお腹だけじゃなく、気持ちも満たして読むうちに元気がわいてきます。最高の食事は、気の置けない仲間との会話なのだと、改めて実感させられる作品。「人生にはかけがえのない出会いがある」、出会いの奇跡をかみしめます。
お母さん業がしんどい時…無理せず前を向ける本
ウィルパワーで子育ても人生もうまくいく
『子育ては心理学でラクになる』メンタリストDAIGO(主婦と生活社)
子育てに自信が持てず、たびたびこどもにイライラして、子育てがイヤになることはありませんか?メンタリストDAIGOさんの子育て本は、心理学に基づいていて興味深く納得できます。キーワードは意志力を表す「ウィルパワー」=「やる力」「やらない力」「望む力」。この3つの力で、子育てやダイエット、夫婦関係、人生もうまくいくという内容の本。著者の最後の言葉が心に響きます。自分が変われば、目の前の景色が変わるかもしれません☆
「迷惑をかけながら人は育つ」、だから大丈夫
『子どもの心の育て方』佐々木正美(河出書房新社)
児童精神科医の佐々木先生の言葉は、とてもまっすぐで心にすっと入ってきます。お母さん業がしんどくなった時、子どもとの関係がちょっとうまくいかなくなった時、不安な時etcいつでも心を支えてくれる本。今まで「悩み」だったことが、成長の証だと分かってホッとできることも。勇気になる言葉と出会えます☆
良い所もダメな所もすべて愛おしくなります
『ママがおばけになっちゃた』のぶみ(講談社)
冒頭からショックな展開ですが、「死」をどう受け止めるか、愛する人たちと「今」をどうやって過ごすかを考える機会になります。「この子、わたしがいなくなっても大丈夫かな」親子なら誰でも抱いている大切な気持ちが、ぎゅっと詰まった絵本。いい所もダメな所も数えきれないくらい「好き」を伝えたくなります。思わず笑ってしまうシーンや、やっぱり泣いてしまうシーン、色々な感情を素直に出して、心をふっと解放してみて下さい。
恋することに疲れた時…心の温度を上げる本
今日という日は残りの人生の最初の日である
『みんなの恋愛映画』山瀬まゆみ、小川知子、中村志保(オークラ出版)
よく知られている有名なワンシーンから、台詞を読んで思わず観たくなる100本の恋愛映画が紹介されています。名シーンを切り取って描かれた長場雄さんのイラストは、シンプルなのに存在感がありとても素敵。
未来は常に過去を変えている
『マチネの終わりに』平野啓一郎(文藝春秋)
天才ギタリスト蒔野と聡明なジャーナリストの洋子、大人の切ない恋愛小説。二人の出会いのシーンで蒔野が洋子に掛けた言葉にハッとさせられるはず。「過去は変えられる」という共通の意識を持った二人はどんな人生を歩むのでしょうか。ページ数が少なくなると、「まだこの世界に浸っていたい」という気持ちになる作品。ニューヨークにおける蒔野のリサイタル、マチネの終わり。ラストはぜひご自身で感じてみて下さいね。
会話を通して、大切な人と分かり合う
『幸福な質問』おーなり由子(新潮社)
「彼女」は「彼」にいくつもの質問をします。もしも自分が猫になっていたら…という質問から始まり、繰り広げられる「もしも」の世界。可愛い犬の恋人たちの会話は、読むだけで気持ちがポッとあたたかくなります。人ではなく動物の物語だからでしょうか、とても素直な気持ちになれます。読み終えるころには、たくさんの質問を通して誰かと分かり合いたくなるかも♪
『きょうの猫村さん』ほしよりこ(マガジンハウス)
働き者で世話焼き、でもつい他人の事情にも首をつっこんでしまう「猫村さん」。家事が得意で、家政婦として働いている日常を切り取った漫画です。普段は腰にエプロンの二足歩行なのに、緊急時には我を忘れて四つ足で走ったり、疲れちゃうとゴロンと寝ころんで顔を洗ったりと猫丸出し。イライラした時も猫村さんがいれば優しい気持ちが満タンに。年齢を問わず親しまれる本で、家に常備しておきたくなります。