お化けや妖怪の日常を想像してみませんか?
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お化けや妖怪って、いつどこで私たちの前に現れるのでしょうか…
古い言い伝えによると、妖怪や幽霊といった「ものの怪(もののけ)」は、“丑三つ時”とも呼ばれる深夜2時頃、あるいは薄暗くて周囲の様子が見えにくい夕刻の黄昏時(“逢う魔が時”とも言います)に山や川、道ばた、古い住居などに現れるのだそうです。
では、そんなお化けや妖怪は普段どのように過ごしているのでしょうか。きっと考えてみたこともないですよね。でも、絵本の中にはそんなお化けや妖怪たちの日常を描いた作品が多くあり、どれも楽しそうに日々を謳歌しているようです。
皆さんもお化けや妖怪の日常に思いを馳せてみませんか。
古い言い伝えによると、妖怪や幽霊といった「ものの怪(もののけ)」は、“丑三つ時”とも呼ばれる深夜2時頃、あるいは薄暗くて周囲の様子が見えにくい夕刻の黄昏時(“逢う魔が時”とも言います)に山や川、道ばた、古い住居などに現れるのだそうです。
では、そんなお化けや妖怪は普段どのように過ごしているのでしょうか。きっと考えてみたこともないですよね。でも、絵本の中にはそんなお化けや妖怪たちの日常を描いた作品が多くあり、どれも楽しそうに日々を謳歌しているようです。
皆さんもお化けや妖怪の日常に思いを馳せてみませんか。
『おばけにょうぼう』内田麟太郎(文)町田尚子(絵)出版社:イースト・プレス
お化けだって結婚したい!
そんな若い男女の想いを引き受けた仲人が良縁を取り持ち、妖艶な嫁入りの儀式が始まります。
『おばけにょうぼう』は不気味なようで愛嬌があり、おどろおどろしいようで微笑ましい若夫婦のお話です。
そんな若い男女の想いを引き受けた仲人が良縁を取り持ち、妖艶な嫁入りの儀式が始まります。
『おばけにょうぼう』は不気味なようで愛嬌があり、おどろおどろしいようで微笑ましい若夫婦のお話です。
このお話は、江戸時代に制作された「化物婚礼絵巻」を元に書かれました。
内田麟太郎さんのナレーションのように滑らかな語り口からは、気品のあるお化けの暮らしが浮かびあがり、町田尚子さんの描くぱっちりおめめが印象的な異形の者の、その生き生きとしたの表情にはいつしか心を奪われてしまいます。結婚や出産の喜びに溢れ、彼らの生活は人間以上に穏やかでとても楽しそうなことが伝わってきます。
内田麟太郎さんのナレーションのように滑らかな語り口からは、気品のあるお化けの暮らしが浮かびあがり、町田尚子さんの描くぱっちりおめめが印象的な異形の者の、その生き生きとしたの表情にはいつしか心を奪われてしまいます。結婚や出産の喜びに溢れ、彼らの生活は人間以上に穏やかでとても楽しそうなことが伝わってきます。
このページはお見合いのシーン。四角い顔の男性は、緊張した面持ちながらも頬をうっすら紅色に染めていて、まんざらでもなさそうです。猫耳の女性は恥じらいながらもなんだか嬉しそう。隣に寄りそう猫までもが男性を品定めしているようにも見えますね。そして二人の様子をじっと伺う仲人たち。まるで私たち人間界のお見合いをそのまま映し出しているかのよう。
町田さんは、お化けや妖怪はただ私たちとは形が違うだけで、彼らは意外と楽しく過ごしているのではないかと思い、この作品を“楽しき異形たち”と位置付けて描いたそうです。見た目がちょっと個性的なお化けたちを“どの子もみんな愛おしい”と語る町田さんの愛情がたっぷりと注がれた登場人物たちを端から端まで堪能したいですね。
町田さんは、お化けや妖怪はただ私たちとは形が違うだけで、彼らは意外と楽しく過ごしているのではないかと思い、この作品を“楽しき異形たち”と位置付けて描いたそうです。見た目がちょっと個性的なお化けたちを“どの子もみんな愛おしい”と語る町田さんの愛情がたっぷりと注がれた登場人物たちを端から端まで堪能したいですね。
嫁入りのシーンでは、多くの結納の品がお化けたちによって運ばれていく長い列が描かれます。皆、緊張しながらも幸せを共有し、眺めている読者もウキウキと気分が盛り上がること間違いなし。
やがて艶やかな赤ちゃんが誕生し、さらにお化けの若夫婦は幸せに包まれます。そして新生児誕生の祝いの宴もたけなわに―、夜が明けて陽が射す時間になると、陽を逃れるようにお化けたちは一斉に退散するのです。そしてラストの謎めいた幕引きがまた素敵なので… ぜひめくって見てみて下さい。
やがて艶やかな赤ちゃんが誕生し、さらにお化けの若夫婦は幸せに包まれます。そして新生児誕生の祝いの宴もたけなわに―、夜が明けて陽が射す時間になると、陽を逃れるようにお化けたちは一斉に退散するのです。そしてラストの謎めいた幕引きがまた素敵なので… ぜひめくって見てみて下さい。
『おばけのいちにち』長新太(作・絵) 出版社:偕成社
ナンセンス絵本の巨匠、長新太さんが描くお化け絵本。
カバーの折り返し部分には、“明るい時間のお化けがどのように過ごしているのか長先生に教えてもらいましょう”と書いてあり、期待感が高まります。
カバーの折り返し部分には、“明るい時間のお化けがどのように過ごしているのか長先生に教えてもらいましょう”と書いてあり、期待感が高まります。
ここに登場するのは丘の上の一軒家。青空の下にすぅっと伸びるオバケはのっぺらぼうで緑色です。
お化けは歯を磨き、友人と憩い、野球をするなど、私たちと同じように日常を過ごしています。お化けに歯があることも、お化けなのに食事をすることも、さらにお化けの運動能力なんて、想像もしたことがないことばかりで驚きの連続!後半にかけてエスカレートしていく、摩訶不思議なお化けの行動にきっと笑いが止まらなくなるはず。
お化けは歯を磨き、友人と憩い、野球をするなど、私たちと同じように日常を過ごしています。お化けに歯があることも、お化けなのに食事をすることも、さらにお化けの運動能力なんて、想像もしたことがないことばかりで驚きの連続!後半にかけてエスカレートしていく、摩訶不思議なお化けの行動にきっと笑いが止まらなくなるはず。
出典:unsplash.com
『おばけのバーバパパ』アネット・チゾン、タラス・テイラー(作・画)やましたはるお(訳)出版社:偕成社
『おばけのバーバパパ』は、アニメーション作品でお馴染みの「バーバパパ」の原作となる作品です。タイトルを読んで改めてバーバパパがお化けだったことを認識する方も多いのではないでしょうか。
この作品で人気があるのは、バーバパパ誕生のシーンです。
お化けのバーバパパは、お庭の地中から生まれます。お庭で水をまいていたらお化けが生まれてくるなんてびっくりしてしまいますね。
この作品で人気があるのは、バーバパパ誕生のシーンです。
お化けのバーバパパは、お庭の地中から生まれます。お庭で水をまいていたらお化けが生まれてくるなんてびっくりしてしまいますね。
バーバパパは大きくなり過ぎてしまい動物園に引き渡されます。新たな環境でバーバパパは友だちを作ろうとしますが、なかなか理解してもらえず… ついに動物園も追われてしまったバーバパパは、お化けが本領を発揮する夜の街で、独りぼっちの寂しさに涙して、さらには人を脅かすどころか火事の家に飛び込んで人助け…
このような奇想天外な楽しいストーリーの中には大切なメッセージがさりげなく含まれていることにも注目したいですね。
このような奇想天外な楽しいストーリーの中には大切なメッセージがさりげなく含まれていることにも注目したいですね。
この作品を描いたのはチゾンさんとテイラーさんというご夫妻。奥さんのチゾンさんは元建築士だったため、作品の中の建築物は、装飾や細部がとてもお洒落です。
素朴で楽しいバーバパパシリーズは、世界中で長く愛されています。
素朴で楽しいバーバパパシリーズは、世界中で長く愛されています。
「闇」の中の彼らを覗いてみませんか?
出典:stocksnap.io
お化けや妖怪から連想される、お決まりのイメージといえば「闇」。
闇は、光の差し込まない状態を指した表現で、先が見えず視覚からの情報が何も入ってこないことで人を不安にさせます。その不安は、視覚以外から情報を得ようと聴覚や触感などの感覚を研ぎ澄ませることにより、より私たちの緊張感が高まることに端を発します。
お化けや妖怪は、そんな闇の中で私たちにいたずらをしたり脅かしたりする存在だと語り継がれきました。
絵本でも闇の中には、お化けや妖怪が潜んでいるようですよ。ちょっと覗いてみましょう!
闇は、光の差し込まない状態を指した表現で、先が見えず視覚からの情報が何も入ってこないことで人を不安にさせます。その不安は、視覚以外から情報を得ようと聴覚や触感などの感覚を研ぎ澄ませることにより、より私たちの緊張感が高まることに端を発します。
お化けや妖怪は、そんな闇の中で私たちにいたずらをしたり脅かしたりする存在だと語り継がれきました。
絵本でも闇の中には、お化けや妖怪が潜んでいるようですよ。ちょっと覗いてみましょう!
『ばけバケツ』 軽部武宏(作・画) 出版社:小峰書店
「ちゃぷ ちゃぷ ちゃぷん」
可愛らしい音を立てながら歩く足のある奇怪なバケツ。くりっとしたおめめからは怖さを感じないのですが、さてどんな化け物なのでしょうか。
可愛らしい音を立てながら歩く足のある奇怪なバケツ。くりっとしたおめめからは怖さを感じないのですが、さてどんな化け物なのでしょうか。
転んだバケツから飛び出してできた水たまりは、「きゃっ」と声を出したり、「ホーホー」と鳴き声を真似てみたり… どうやら話すこともできる不思議な存在のようです。
ここからが奇想天外のストーリーで、読者を次々と驚かせてグイグイと惹きつけていきます。
次々と水たまりの前に現れるのは、目に迫力がありリアルタッチで描かれた動物や人間たち。ナンセンスな描写とコミカルなやりとりが続いて不気味な妖しさが増幅していきます。そしてこのばけバケツの正体は一体…?
ここからが奇想天外のストーリーで、読者を次々と驚かせてグイグイと惹きつけていきます。
次々と水たまりの前に現れるのは、目に迫力がありリアルタッチで描かれた動物や人間たち。ナンセンスな描写とコミカルなやりとりが続いて不気味な妖しさが増幅していきます。そしてこのばけバケツの正体は一体…?
軽部武宏さんは数々の妖怪絵本を発表していて、背筋が凍りそうな作品からナンセンスな作品まで作風が幅広く、その作品群は読者を密やかに愉しませてくれます。『ながぐつボッチャーン』(WAVE出版)や、『まんげつのこどもたち』(イースト・プレス)などの作品と合わせて読むと、『ばけバケツ』の不思議な世界観をより深く味わうことができるかと思いますのでお試しくださいね。
『いるの いないの』京極夏彦(作)町田尚子(絵)東雅夫(編集)出版社:岩崎書店
『いるのいないの?』は京極夏彦さんによる怪談絵本。湿っぽさの漂う古い日本家屋に住むお婆さんと一緒に暮らすことになった主人公。夏だというのに少年は野山を駈けまわったり川遊びを楽しむ気配はなく、むしろ終始何かに怯えたような様子です。お婆さんの家は日中でも薄暗く、高い天井は先が見えないほど暗い…沢山の猫が人間に構わず自由に暮らし、その中でぽつんと所在のない主人公が描かれています。
少年は、梁が通う高く暗い天井が気になって仕方がありません。
お婆さんに聞いてみても、興味を持つ素振りもなく、主人公の不安はますます募ります。
そしてとうとう少年は見てしまうのです…
興味深いのはその演出。
一度もその表情を伺い知ることができないお婆さん、泊まりにきたのではなく暮らすことになったという意味深な設定、そして猫だらけの古い日本家屋etc... 屋内は天井だけではなく廊下も長く暗く、なぜか微妙に開いている襖、といった具合に目に入る全てが読者の不安を煽るよう。
お婆さんに聞いてみても、興味を持つ素振りもなく、主人公の不安はますます募ります。
そしてとうとう少年は見てしまうのです…
興味深いのはその演出。
一度もその表情を伺い知ることができないお婆さん、泊まりにきたのではなく暮らすことになったという意味深な設定、そして猫だらけの古い日本家屋etc... 屋内は天井だけではなく廊下も長く暗く、なぜか微妙に開いている襖、といった具合に目に入る全てが読者の不安を煽るよう。
さて、このお話しの中で一瞬雰囲気を変えるお婆さんの表現があります。
それは「見たなら、いるね」と少年に返す場面です。
大人はお化けや妖怪の存在を否定して子どもたちを安心させるのが一般的に思えますが、ここでのお婆さんは少年の見たものをちゃんと認めているのです。
表情のまったく分からないお婆さんは怖い存在にも受け取れます。しかし、この一言があるだけで、お婆さんの少年への愛情を確実に受け止め、人間味にも触れることができる、そんな怪談絵本に仕上がっています。
それは「見たなら、いるね」と少年に返す場面です。
大人はお化けや妖怪の存在を否定して子どもたちを安心させるのが一般的に思えますが、ここでのお婆さんは少年の見たものをちゃんと認めているのです。
表情のまったく分からないお婆さんは怖い存在にも受け取れます。しかし、この一言があるだけで、お婆さんの少年への愛情を確実に受け止め、人間味にも触れることができる、そんな怪談絵本に仕上がっています。
せなけいこさんのお化け絵本に親しんでみませんか?
出典:unsplash.com
貼り絵による風合いのある作画とパッと目を引く色使い、そして何よりお化け絵本といえばすぐに思い出すのが、せなけいこさん。
『いやだいやだ』シリーズや『めがねうさぎ』シリーズなど、ユーモアのある微笑ましい作品を長きに渡って発表し、現在も制作活動を続けていらっしゃる日本絵本界の第一人者です。
せなさんの作品には、幼少期に皆が経験するような出来事や微笑ましいトラブルなどが多く描かれ、読者の心にぽっと火が灯るような温もりを感じさせてくれるのが魅力です。
息子さんに作ったお手製の絵本が編集者の目に止まり絵本作家としてデビューし、現在も一貫して子どもの視点にたった絵本づくりを手がけられています。
ここでは、せなけいこさんと言えばこのお化け絵本!ともいえる2作品をご紹介します。
『いやだいやだ』シリーズや『めがねうさぎ』シリーズなど、ユーモアのある微笑ましい作品を長きに渡って発表し、現在も制作活動を続けていらっしゃる日本絵本界の第一人者です。
せなさんの作品には、幼少期に皆が経験するような出来事や微笑ましいトラブルなどが多く描かれ、読者の心にぽっと火が灯るような温もりを感じさせてくれるのが魅力です。
息子さんに作ったお手製の絵本が編集者の目に止まり絵本作家としてデビューし、現在も一貫して子どもの視点にたった絵本づくりを手がけられています。
ここでは、せなけいこさんと言えばこのお化け絵本!ともいえる2作品をご紹介します。
『ねないこだれだ』せなけいこ(作・絵)出版社:福音館書店
とけいが なります ボン ボン ボン……
こんな じかんに おきてるのは だれだ?
出典:『ねないこだれだ』(福音館書店)
…と始まる本書は、黒地をバックに真っ白なお化けが登場する絵本。黄色い目がギョロリと光り、ニヤリとした口元もちょっと怖そう。この絵本が、多くの親子に愛されてきた秘密はどこにあるのでしょうか。
せなさんいわく、これはしつけのためでも、子どもを怖がらせる目的で描いたおばけでもなく、おばけの世界で自由に生きているおばけなのだ、と。だからこそ子どもたちは怖いながらもこのおばけが大好きだし、何度でも読んでもらいたくなるのでしょう。
せなさんいわく、これはしつけのためでも、子どもを怖がらせる目的で描いたおばけでもなく、おばけの世界で自由に生きているおばけなのだ、と。だからこそ子どもたちは怖いながらもこのおばけが大好きだし、何度でも読んでもらいたくなるのでしょう。
最後の場面では、夜遅くまで起きていた女の子がお化けの世界に連れ去られます。でも子どもの立場からすると、お化けの世界に連れて行かれる、のではなくてお化けの世界へ連れて行ってもらえる!という夢のある結末に感じられるはず。
また、インパクトのある描画と短く簡潔な文章で、読者を一気にお話の世界に誘い込むテンポの良さも『ねないこだれだ』のすごいところ。
また、インパクトのある描画と短く簡潔な文章で、読者を一気にお話の世界に誘い込むテンポの良さも『ねないこだれだ』のすごいところ。
『ねないこだれだ』は今年で生誕50周年を迎え、横須賀美術館で『ねないこだれだ誕生50周年記念 せなけいこ展』が開催されています。(開催期間:2019年7月6日~9月1日以降、順次全国巡回予定)
夏休みの一時を、せなさんのワクワク・ドキドキする絵本ワールドで過ごしてみませんか?
夏休みの一時を、せなさんのワクワク・ドキドキする絵本ワールドで過ごしてみませんか?
『おばけのてんぷら』 せなけいこ(作・絵) 出版社:ポプラ社
こちらもお馴染みの作品『めがねうさぎ』シリーズの『おばけのてんぷら』。
せなけいこさんがお化けや妖怪の絵本を描いたのは、息子さんとともに夢中でみた『ゲゲゲの鬼太郎』がきっかけだったそうです。息子さんのお友達になれるようなお化けの作品を描いたと制作当時を振り返るエピソードからは、ご子息への深い愛情を感じます。
せなけいこさんがお化けや妖怪の絵本を描いたのは、息子さんとともに夢中でみた『ゲゲゲの鬼太郎』がきっかけだったそうです。息子さんのお友達になれるようなお化けの作品を描いたと制作当時を振り返るエピソードからは、ご子息への深い愛情を感じます。
うさこちゃんはこねこくんのお弁当に入っていた天ぷらに興味を持ち、天ぷら作りにチャレンジします。そんな揚げたての天ぷらの香りに誘引されたのは山の上にいたお化け。家に忍び込み、揚げ物に夢中になっているうさこちゃんをよそ目にに天ぷらをつまみ食い♪ご満悦のお化けでしたが…。
お話はもちろん、天ぷらの材料や作り方も丁寧に情趣豊かに描かれ、天ぷらのよい香りまで読者に届いてきそう…
お話はもちろん、天ぷらの材料や作り方も丁寧に情趣豊かに描かれ、天ぷらのよい香りまで読者に届いてきそう…
あれれ?『めがねうさぎ』シリーズなのに、表紙のうさこちゃんは眼鏡をかけていませんね。
うさこちゃんは、うっかり眼鏡まで天ぷらにしてしまいます。ちょっとそそっかしいうさこちゃんと、いつもいたずらをしてはピンチに出くわすお化けとのコミカルで痛快なストーリーが、『めがねうさぎ』シリーズの醍醐味です。
うさこちゃんは、うっかり眼鏡まで天ぷらにしてしまいます。ちょっとそそっかしいうさこちゃんと、いつもいたずらをしてはピンチに出くわすお化けとのコミカルで痛快なストーリーが、『めがねうさぎ』シリーズの醍醐味です。
せなけいこさんの師匠の作品もやっぱりすごい!
『武井武雄童画集』武井武雄(著)出版社: 盛光社
武井武夫さんという童画家をご存じでしょうか。
読み聞かせの定番作品『あいうえ王とカキクケ公』(童心社)はご存じの方も多いかもしれませんね。武井さんはこの絵本の作者としても知られる絵本作家でもあります。
かつて子どもの本の絵は、その芸術性が軽視されていた時代もあったとか。武井さんは「子どもの心にふれる絵」をモットーとし、自らの作品を「童画」と名付け、その芸術性を高めて童画界を盛り上げた先駆者です。そして童画だけでなく、童話作家や玩具デザインなどの分野でも幅広く活躍しました。
武井さんはアルバイトで幼年誌の絵を描くようになり、その後大正11年に発刊された絵雑誌『コドモノクニ』でタイトルや表紙絵などを担当する中でその才能を開花させていきます。
読み聞かせの定番作品『あいうえ王とカキクケ公』(童心社)はご存じの方も多いかもしれませんね。武井さんはこの絵本の作者としても知られる絵本作家でもあります。
かつて子どもの本の絵は、その芸術性が軽視されていた時代もあったとか。武井さんは「子どもの心にふれる絵」をモットーとし、自らの作品を「童画」と名付け、その芸術性を高めて童画界を盛り上げた先駆者です。そして童画だけでなく、童話作家や玩具デザインなどの分野でも幅広く活躍しました。
武井さんはアルバイトで幼年誌の絵を描くようになり、その後大正11年に発刊された絵雑誌『コドモノクニ』でタイトルや表紙絵などを担当する中でその才能を開花させていきます。
武井さんの絵は、モダンで大胆な構図が特徴。そして、帽子をはじめとした衣装や小道具まで細やかに描き込まれているところや、しっとりと落ち着いた色彩も魅力です。
表情豊かにお化けを描いた作品のほか、風になびく衣装、小道具使いなど、非常にアート性が高く、「こどもの国の魔法使い」と称される通り、現在でもまったく古びた印象を受けません。
表情豊かにお化けを描いた作品のほか、風になびく衣装、小道具使いなど、非常にアート性が高く、「こどもの国の魔法使い」と称される通り、現在でもまったく古びた印象を受けません。
せなけいこさんは、武井さんに師事した一人。
せなさんは武井さんの『おもちゃ箱』という絵本が大好きで、何度も父親にせがんで読んだもらったと幼少期の思い出を語っています。せなさんは19歳の時に働きながら武井さんの門下生となります。当時はせなさんよりずっと年上の男性のお弟子さんたちに囲まれながら絵本を勉強したそうです。
「サインなしでもその人だとわかるような絵を描きなさい」と武井さんから厳しい指導を受けたというせなさん。このメッセージを一作品ごとに丁寧に制作することと捉え、独創性豊かなせなさんの作品群が生まれていきました。
武井さんに影響を受けたクリエイターの中には、堀内誠一さんや村上勉さん、そして手塚治虫さんなど著名な方が少なくありません。武井さんは作品だけでなく後進の育成においても「こどもの国の魔法使い」だったのかもしれませんね。
せなさんは武井さんの『おもちゃ箱』という絵本が大好きで、何度も父親にせがんで読んだもらったと幼少期の思い出を語っています。せなさんは19歳の時に働きながら武井さんの門下生となります。当時はせなさんよりずっと年上の男性のお弟子さんたちに囲まれながら絵本を勉強したそうです。
「サインなしでもその人だとわかるような絵を描きなさい」と武井さんから厳しい指導を受けたというせなさん。このメッセージを一作品ごとに丁寧に制作することと捉え、独創性豊かなせなさんの作品群が生まれていきました。
武井さんに影響を受けたクリエイターの中には、堀内誠一さんや村上勉さん、そして手塚治虫さんなど著名な方が少なくありません。武井さんは作品だけでなく後進の育成においても「こどもの国の魔法使い」だったのかもしれませんね。
お好みの絵本とは出会えましたか?
出典:stocksnap.io
お化けや妖怪は夏の暑い時期、特にお盆の前後に現れるとも言われてきました。
お盆は、ご先祖様の霊を迎え入れてご供養する行事です。各家庭でご供養してもなお、この世に何かしらの想いを残して旅立ったご先祖様にとっては、祀り方が二の次のように感じられてしまい、それらの幽霊となって人々の前に現れる…と言い伝えられてきたようですよ。お盆は、そんなご先祖様をきちんと歓迎し、そして暑い季節に涼を取るお話としても長く語り継がれてきた怪談を楽しんでみませんか?
今回ご紹介した絵本の中のお化けや妖怪は、怖いものだけではなく笑わせてくれたり、ほっこりさせてくれたりと実に幅が広かったですね。この夏は絵本で涼を求めたり、暑さを笑いで乗り越えてみませんか?
お盆は、ご先祖様の霊を迎え入れてご供養する行事です。各家庭でご供養してもなお、この世に何かしらの想いを残して旅立ったご先祖様にとっては、祀り方が二の次のように感じられてしまい、それらの幽霊となって人々の前に現れる…と言い伝えられてきたようですよ。お盆は、そんなご先祖様をきちんと歓迎し、そして暑い季節に涼を取るお話としても長く語り継がれてきた怪談を楽しんでみませんか?
今回ご紹介した絵本の中のお化けや妖怪は、怖いものだけではなく笑わせてくれたり、ほっこりさせてくれたりと実に幅が広かったですね。この夏は絵本で涼を求めたり、暑さを笑いで乗り越えてみませんか?
画像のご提供をありがとうございました。
穏やかな一日が終わる夜、最後の場面では、しんと静まり返った家の横で白い花が咲き始めます。何かが始まりそうな終演にまた、後髪を引かれてしまう作品です。