ギャラリーや美術館に行く前に、あなたはリサーチする派ですか、しない派ですか?アート作品を楽しむにあたりルールはないので、正解もありません。下調べをしても楽しめますし、していなくても楽しめます。もし時間と機会があれば、一度目は何も調べずに行き感覚だけで感じ、それを踏まえて情報を得た上で、二度目に行ってみる、そんな楽しみ方もアリです。
ギャラリーや美術館の建物は、その建築物そのものがアート作品のような場合が多くあります。その美術館が建立される時の旬の建築家が採用されることが多く、ギャラリーや美術館内の作品だけでなく、その建物の外観や内観などでもアートを味わえ、楽しめます。ぜひ建築物にも注目してみてくださいね。
2017年にアラブ首長国連邦のアブダビに建立された、ルーブル美術館別館の初の海外の美術館です。建築はパリの建築家ジャン・ヌーヴェル氏によるもの。アラビア調の幾何学的な模様が一面に配された天井と、イスラム教のモスクを思わせるドーム型の屋根が特徴的です。
ロサンゼルスのダウンタウンにある、ゲフィン現代美術館。元倉庫を建築界の巨匠である、フランク・O・ゲーリーが改装した建物。
日本の国立新美術館は、日本を代表する建築家、黒川紀章の建築によるもの。東京の都心のど真ん中にある、ガラスの曲線が織りなす近未来的な構造が特徴的です。
美術館の佇まいそのもが、アート作品の一部の様です。
ギャラリートークや、ワークショップをあらかじめ調べておこう
展覧会期間中に、その展覧会のメインのアーティストや、ディレクターなどの人たちによるギャラリートークが行われることがあります。現代も活躍しているアーティストであれば、作品を作った本人に会え、その上作品に関する話しまで聞ける、貴重な機会です。ギャラリートークの多くは事前予約制で人数制限があるので、この機会を逃すことのないよう、事前に調べておきましょう。
また、作品の片鱗に触れることのできる、関連したワークショップが行われることもあります。その作品のコンセプトや、モノづくりに触れることができ、ますます作品への理解が深まります。また、子供も参加できるものあるので、家族で一緒にアートを楽しめるかもしれません。こちらも事前にチェックしてみてください。
メディアなどにも登場しない、作家やアーティストに出会える貴重な機会です。席に限りがある場合が多いので、事前に予約をするようにしてくださいね。
参加者との意見交換や、質問によって新たな見方や、引き出しが増えることもギャラリートークに参加する醍醐味です。
ギャラリーや美術館は、ただ作品を静かに鑑賞するだけではなく、アート作品の中で楽しんだり、触れたり、体験することができるものもあります。鑑賞者が作品のクリエーションに加わったり、作品の中に入ったり、触れたりすることが前提の作品などもあり、参加することで作品の一部になることも可能です。もしそのようなアート作品であれば、ぜひ鑑賞するだけでなく、積極的に参加して、楽しんでくださいね。子供の頃のような感性が取り戻せるかもしれません!
teamLabボーダレスはまさにボーダレスな世界に身を置く、かつてない体験に出会えます。
同じくteamLabのボーダレスの世界。まるで夢の中に入り込んだような、不思議な感覚にとらわれます。
金沢21世紀美術館の常設展示、レアンドロ・エルリッヒのスイミング・プール。行って体験した人のみが分かる楽しさです。
オーディオガイドはもしかしてあの俳優?旬の声を聴きながらアートを探索
美術館ではオーディオガイドを借りれることがありますが、あなたは使う派ですか?ポイントとなる作品を効率よく鑑賞することができ、おまけに作品の背景や歴史なども聞きながら楽しむことができます。ちなみにこのオーディオガイドですが、今をときめく俳優陣がナレーターをつとめていることがよくあります。この時にしか味わえない、あの俳優の美しい声を耳元で聞きながら展覧会を楽しめるなんて、本当に幸せですよね。
まずはただ感じてみる、そして少し休憩してからもう一度まわってみる
とくに近代や現代アートなどは、一見分かりにくい、理解しづらいものも多くあります。でもアートの感じ方や理解に正解はありません。とにかくただ感じて楽しみましょう。一度通しで見てみたら、何となくその展覧会全体のテーマや伝えたいことがつかめるかもしれません。そしてもう一度まわってみることをおすすめします。気になる作品があれば、二回目はじっくり解説なども読みながら堪能するのもよいかもしれません。
ただし、作品それぞれのエネルギーを直接受け取るため、展覧会をまわるのはとても疲れます。休憩しながら、ゆっくり鑑賞するようにしましょう。
ギャラリーや美術館は疲れるものです。素敵な椅子に座って休みながら
ギャラリーや美術館で作品を鑑賞すると、心身ともに疲労困憊します。作品そのものを実物で間近に見ると、その作品から発するエネルギーに圧倒されるからです。アーティスト一人一人の思いや、感情や、エネルギーがそこに込められているからなのでしょう。ギャラリーや美術館には、必ず椅子が用意されています。椅子に座ってゆっくり作品を眺めたり、休んだりしながらまわることをおすすめします。
椅子の雰囲気もそのギャラリーや美術館の雰囲気に相応しい、素敵なものばかりです。著名なデザイナーやクリエイターの椅子が配置されていることも多いので、そこにも注目です。
美術館の雰囲気にぴったりの、作品の一部かのようなソファです。椅子に座って休み休み、たっぷり時間を使って作品とその作品を取り囲む空気感を味わいましょう。
作品を近くで見るのと、少し離れてみるのでは違った見え方になる場合もあります。作品の目の前に椅子があるときは、座ってゆっくりみてくださいね、というサインかもしれません。
その展示物の内容や、美術館などのルールによってできないところが多いかもしれませんが、美術館の中で作品を模写している人を見かけたことはありませんか?著名なアーティストの作品は、美術館の中から外へ出ることがなかなかないため、美術館の中で本物に触れて、模写することは絶好の機会です。もし許されているのであれば、ぜひトライしてみましょう。
ミュージアムカフェやレストランでゆっくり、ひと休み
ギャラリーや美術館に併設されているカフェやレストランも、素敵な場所がとても多いのが特徴です。作品や展覧会そのものも楽しいのですが、そのカフェやレストランに行くのも、アート鑑賞の流れの欠かせない一面です。展覧会だけ見てササっと帰ってしまうのは、本当にもったいないです。ぜひ最後の最後まで、アートな空間を味わって帰ってくださいね。
熊本県にある八代市立博物館 未来の森ミュージアム内のカフェです。カラフルなマシュマロみたいな椅子が可愛らしい、ポップなカフェで、気持ちまで楽しくなりそうです。
出典:www.instagram.com(@tokyoitepix) 国立新美術館内のオープンスペースのカフェ。一面がガラス張りなので、外の風景がそのまま反映されます。夕暮れ時の美しい空を堪能しながら、ゆっくり疲れを癒しましょう。
ミュージアムショップでアートグッズやブックに触れる
ミュージアムショップもギャラリー・美術館好きにはたまらない楽しみです。展覧会関連のカタログやグッズのほか、様々なアートブックや、アートプロダクトが一堂に会しています。展覧会が終わってからも、ミュージアムショップにはまると、なかなか帰ることができないので、ご注意を。
出典:www.instagram.com(@tokyoitepix) 気に入った展覧会であれば、カタログを購入すると、家でもう一度ゆっくり作品に出会えます。
展覧会に関連したグッズは、その期間中にしか買えないものもたくさんあります。
ミュージアムショップには、アート関係のブックがたくさんラインナップされています。新しいアーティストや作品との出会いもあるかもしれません。
ギャラリーであれば、作品を購入できることがほとんどでしょう。アート作品を購入することは敷居が高いですか?もちろん世界的に著名なアーティストの作品は、オークションに出るほど高値が付くこともあります。しかしながら、身近な街にあるギャラリーなどでは、手に届きやすい価格の物もたくさんおいてあります。自分の家にアート作品があるだけで、部屋の雰囲気が引き締まります。気に入った作品があれば、勇気を出して尋ねてみましょう。
出典:www.instagram.com(@tokyoitepix) アート作品を購入することは、その作家やアーティストを応援するパトロンになった気分です。
作品そのものを作ることはできませんが、例えば絵画なら絵画教室に通ってみる、写真であれば写真の撮り方を習ってみるなどをしてみると、アートをより深く理解することができます。そのアーティストがどれだけ優れているのかも知ることができるでしょう。また自分自身で作品を作ることにより、そのアートに関する造詣も深まります。自分自身で作品を残す喜びは、なかなか味わえない楽しい体験となることでしょう。
同じ美術館やギャラリーを展示期間中に二回訪れるということは、なかなか無いかもしれません。でももし気に入った展覧会があれば、ぜひおすすめします。一度目とはまた違った見え方が味わえます。また、最初は何の知識も下調べも無く行き、気に入ったら今度はしっかり背景や歴史、コンセプトなどを勉強して知識を蓄えた後でもう一度見に行くと、さらにアートを深く、ディティールまで理解することができるかもしれません。
もう一度見てみたい、と思える作品があるのであれば、行ってみましょう。海外や遠い美術館での所蔵品であれば、次にいつ出会えるかわかりません。
例えばルーブル美術館のような、膨大な作品を展示している美術館であれば、逆に一日で廻るのは不可能です。何日かをかけて、少しずつゆっくり鑑賞することがおすすめです。
一度見て、知識を蓄えてから二度目を見ると、前回気付けなかったところに気付いたり、違った見え方がするかもしれません。
ギャラリー・美術館の新しい楽しみ方は、見つかりましたか?
ギャラリーや美術館でアート作品を楽しむのに、ルールは要りません。知識が無くてもあっても感じて楽しめるのがアートです。でももし今までギャラリーや美術館でただ見るだけだった、というのであれば、もしかしてプラスアルファの楽しみ方が見つかるもしれません。
もしよかったら参考にしてみてくださいね。
2017年にアラブ首長国連邦のアブダビに建立された、ルーブル美術館別館の初の海外の美術館です。建築はパリの建築家ジャン・ヌーヴェル氏によるもの。アラビア調の幾何学的な模様が一面に配された天井と、イスラム教のモスクを思わせるドーム型の屋根が特徴的です。