出典: 「これまで、茶道にあまり興味を持ったことがないけれど“素敵な大人の女性”に憧れている人」
「茶道をやってみたいと思っていたけれど、敷居が高くてなかなか始められない人」
そんな人たちに、ぜひ知ってほしいのが茶道のキホン。“素敵な大人の女性”になるための要素に溢れていて、現代の私たちの暮らしも豊かにしてくれる伝統文化なんです。あまり関心のない人も、これから教室に通おうかな、と考えている人も、知っておいて損はない「茶道の心得」をご紹介しますね。
出典: はじめに、少しだけ難しいお話を……。
現代の茶道の心得の大原則は、千利休の言葉に要約されます。それは「四規七則」。
「四規」とは、①人の心の和 ②お互い敬い合うこと ③清らかであること ④動じない心のこと。
「七則」とは、①心をこめてお茶を点てる ②本質を見極める ③季節感を大切にする ④命を尊ぶ ⑤心にゆとりを持つ ⑥柔らかい心を持つ ⑦互いに尊重しあう、ということです。
この教えは、私たちの日々の暮らしにも生かせるもの。これらが、具体的にどう生かせるのかご紹介していきますね。
出典: お茶は相手への心配りがなくては美味しく点てられません。お互いがお互いを思いやってこそ素敵な時間を過ごせるもの。家族や友人・知人だけでなく、自分が接する人すべてに思いやりの心がもてるようになる…難しいことですが、自然にそういう気持ちが持てるようになれたら、きっと周りの人もあなたに思いやりの心を持って接してくれるようになるはずです。
出典: 一般的にも知られる茶道の言葉「侘び寂び」。“形式だけを覚えてもダメ。華美なだけや過多なものではなく、何事も本質を見極め大切にしましょう”ということです。「自分にとって本当にいいものとは、どういうものか」を自分の目で判断できるようにする。そして、必要以上のものは持たず、縁があって自分の元に来たものは大事にする心をもつということ。現代の私たちがめざす、シンプルな暮らしに通じる考え方ですよね。
出典: 茶道では、季節感をとても大切にします。夏なら床の間に「涼一味」などの言葉が書かれた軸を架けたり、冬は湯気が立つ温かいお菓子を出すなど、道具やお菓子で季節を表し、客をもてなします。日本には美しい四季があり、土用や入梅など、たった1日や数日の期間を表す言葉まであるほど。その時季でなければ感じることのできない空気や香り、味などを楽しめる感性を持てるようになって、その喜びを周りの人と共有できるようになれたら素敵だと思いませんか。
「出会い」や「誰かと過ごす時間」を大切にする人になる
出典: お茶の心得でよく言われるのが「一期一会」。由来は知らなくてもこの言葉を耳にしたことがある人は多いのでは。今、この時間に集う人との関係は二度と繰り返されることのない、一生に一度のものだという意味です。例えよく会う友人知人に対しても一緒にいる時間を大切にしたい、と思えるようになるのがこの教え。一期一会の心得が身に付けば、全ての出会いに感謝して心のこもった対応ができるようになるはずです。
茶道から学べる「暮らしを豊かにする生き方」って、素敵な大人の女性になることでもあるんですよね。お茶の世界に興味を持ったら、大人のたしなみとして基本的な知識もちょっとだけ身につけておきましょう。
出典: 日本にお茶が伝わったのは平安時代。まだ味を楽しむものではなく、薬とされていました。鎌倉時代に栄西が大陸へ渡り、臨済宗と一緒に宋代のお茶を持ち帰りましたが、この時代もまだ薬として考えられていたようです。
東山文化が花開く室町時代になると、村田珠光が日本製の茶道具をも併せて使用する草庵茶の湯を考案し、 四畳半茶室を創りました。そこからさらに哲学的な考えや審美性を加えて、現代に継承される侘び茶道を大成したのが、戦国時代に生きた千利休です。
出典: 長い歴史を持つ茶道には様々な流派があります。千利休以前の流派、千利休と同時期にできた流派、千利休の息子や孫の流れを汲む流派などその数は数え切れないほど。代表的なものは、千利休の流れをくむ表千家と裏千家、そして武者小路千家の3流派。これらは三千家と呼ばれています。
流派によって思想や作法、道具が異なるので、茶道教室へ通おうと思っている人は、自分がどの流派に向いているかを知ってから選ぶことをおすすめします。
出典: どんなものがあるのか、基礎的な知識を養っておきましょう。ちょっとした席でお抹茶をいただくときにも、知っておくと役立ちますよ。ここでは、裏千家で使用される道具の一部をご紹介しますね。
・茶碗(ちゃわん)…お茶を飲む器。
・茶筅(ちゃせん)…お茶を点てる竹製の道具。
・釜(かま)…湯を沸かす道具。「釜さえあれば他の道具は不要」と言われるくらい、茶道において特別な存在。
・茶器(ちゃき)…抹茶を入れて茶席へ持っていくための器。棗(なつめ)はこの代表的なもの。
・茶杓(ちゃしゃく)…茶器から抹茶をすくいだす杓。竹製のものが多い。
・水指(みずさし)…茶席に必要な水を入れて釜のそばに置く容器。
出典: ・袱紗(ふくさ)…お点前をいただいたときや、茶器を清めるときに拭く布地。
・建水(けんすい)…茶碗を清めた湯や水を入れるもので「こぼし」ともいう。
・花入(はないれ)…茶室に花を活けるときに使う花器。
・軸(じく)…床の間にかけて鑑賞するもの。茶会のテーマなどを掛ける場合が多い。
・香合(こうごう)…香を入れるための器。
・炭斗(すみとり)…湯を沸かすための炭を入れて席中に持ち出す入れ物。
茶道を始めるときに、全ての道具を持っている必要はありません。家で楽しむなら、茶碗と茶筅があれば美味しくいただけますよ。
「一度体験してみたい」という人にオススメの場所をご紹介します
暮らしを豊かにしてくれる工芸や道具のお店として人気の中川政七商店グループが新しく展開する「茶論」。「まずは茶道がどんなものなのかを体験してみたい」という人におすすめのスポットです。
「単に“飲む”という行為を越え、人をもてなす場でもある“お茶”は、相手を思いやる行為が自分自身も豊かにする」。そんなお茶の魅力を知る空間になることを願って生まれたお店なのだそう。敷居が高いと感じられている茶道を気軽に楽しめる「稽古」「喫茶」「見世」の3つの場を提案しています。今回は、お買い物の合間や仕事帰りなどにも立ち寄りやすい日本橋店をご紹介しますね。
■稽古
店内で、作法や流派にとらわれずに、お茶の愉しさを体験できる教室が行われています。
「畳」や「お釜」の代わりに「テーブル」と「ポット」を使ってお点前を教えてもらえるから、正座が苦手な人も心配ご無用。説明にはスライドやレジュメ(資料)が使われるので分かりやすく、気軽な雰囲気で学べます。
※コース/体験稽古(3,240円)、初級・中級・上級(各32,400円 全6回)
■喫茶
厳選された日本茶や「茶論」オリジナルの抹茶とともに、「中川政七商店」創業の地・奈良の名菓匠「樫舎」から届く主菓子などをいただけます。季節感漂う主菓子と美味しいお茶をいただきながら、茶道の風情を味わってみて。また、今冬限定メニューのぜんざいもオススメ。樫舎で丁寧に炊かれた大粒の丹波大納言が使われています。(写真=季節の主菓子と薄茶のセット 1,620円、ぜんざい 単品 1,296円)
■見世
店内では、日常使いできる茶道具や、お茶に関連した商品を購入できます。流派や流儀に関係なく、自分で道具を揃える楽しみを提案している茶道具は、日々の暮らしに馴染むシンプルなデザイン。「せっかくお茶に興味を持っていただいたのだから、良いものをご提供したい」という思いから、一つ一つ丁寧に作られ、暮らしに沿う上質な道具が揃えられています。
写真は、茶道具一式がコンパクトに収まる家置きの茶道具箱。お気に入りの品を揃えていって、自分だけのお稽古セットを作りたくなります。(家置きの茶道具箱・本体 10,800円/蓋や各茶道具は別売り)
※表記価格は全て税込みで、2018年10月現在のものです。
画像提供/茶論
出典: 美しい所作や一期一会の精神、おもてなしの心が学べる茶道。ちょっと知っておくだけで、きっと素敵な大人の女性に近づけるはず。この記事で興味をもった方は、ぜひ茶会やお稽古も体験してみてくださいね。
はじめに、少しだけ難しいお話を……。
現代の茶道の心得の大原則は、千利休の言葉に要約されます。それは「四規七則」。
「四規」とは、①人の心の和 ②お互い敬い合うこと ③清らかであること ④動じない心のこと。
「七則」とは、①心をこめてお茶を点てる ②本質を見極める ③季節感を大切にする ④命を尊ぶ ⑤心にゆとりを持つ ⑥柔らかい心を持つ ⑦互いに尊重しあう、ということです。
この教えは、私たちの日々の暮らしにも生かせるもの。これらが、具体的にどう生かせるのかご紹介していきますね。