4月23日は、劇作家ウィリアム・シェイクスピアの命日。誕生日も4月23日だとする説もあります。また、最高傑作だといわれる小説「ドン・キホーテ」の作者ミゲル・デ・セルバンテスの命日も同じく4月23日。この偉大な文豪2人への敬意を込めて「世界本の日」が制定され、本を贈り合うようになったそうです。
スペイン・カタルーニャ地方では、4月23日は「サン・ジョルディ」の記念日。男性は女性に愛と美のシンボルとして1本のバラを、女性は知性と教養を表す本を男性に贈ります。それは、キリスト教の守護聖人サン・ジョルディにまつわるこんな伝説に由来しています。
「獰猛なドラゴンが人々の暮らしを脅かしていたある日、王の娘までもドラゴンの生贄となることに。しかし王女が犠牲になる直前、騎士サン・ジョルディが現れて彼女を救いました。そして、倒したドラゴンの血から、見事な美しいバラが咲いたのです。」
4月23日はサン・ジョルディが殉教した日だといわれ、いつしかこの日にバラを贈る習慣が生まれました。
本をプレゼントするようになったのはフランコによってカタルーニャが弾圧されていた時代だといいます。禁止されたいたカタルニア語の本を密かに贈って愛を伝えていたそう。今でも本は、愛を確かめたり感謝を伝えたりできる存在ですよね。
4月23日に本を贈るのは、必ずしも女性から男性へと決まっているわけではありません。恋人やパートナー以外にも、家族、友人、同僚、お世話になっている人など、周りの人へプレゼントしてみてください。
今回ここでは、スペインの伝統に沿って「女性から男性に贈る場合」を想定して《プレゼントしたい本》をセレクトしてみました。これらはもちろん、同性へのプレゼントや、男性から女性へもおすすめですよ。
出典: コーヒーを飲みながら、という時によく合う短編小説が厳選されています。くつろぎのひとときにちょうどいい、ほどよく入り込める物語。時折ふと、言葉が優しく心に響きます。著者は、徳島にある人気のコーヒー豆専門店「アアルトコーヒー」の店主、庄野雄治さん。
『コーヒーと小説』庄野雄治 編
(出版社:ミル・ブックス)
出典: 創作和菓子ユニットwagashi asobiの2人が綴る、和菓子のこと、そして「我が仕事」について。日本の文化や暮らしの魅力を知ることができると同時に、丁寧に仕事に向き合う姿や経営理念に教えられることが多い本。和菓子好きにはもちろん、ビジネスマンや、これから起業したい人にもおすすめです。
『わがしごと』wagashi asobi 著
(出版社:コトノハ)
出典:www.instagram.com(@nostosbooks) 『ブルータス』『リラックス』『クウネル』『エル・ジャポン』といった人気雑誌に携わっていた編集者・岡本仁さんが、独自の視点で東京を案内しているエッセイ。気になるスポットやおいしい店などが写真と共に紹介されています。情報が詰まっているので、東京への出張や旅にも役立つはず。
『ぼくの東京地図』岡本仁 著
(出版社:京阪神Lマガジン)
出典: 日常の料理風景を切り取った本『人と料理』。写真家・馬場わかなさんの温かい写真には、そこに生きる人と暮らしへの愛があふれています。被写体となっているのは、料理家、両親、陶芸家、モデルなど。毎日続く、料理と食と人との繋がりが、いかに美しく力強いことなのかを知らされます。
『人と料理』馬場わかな 著
(出版社:アノニマ・スタジオ)
出典: デザインに興味がある人や、良質なモノにこだわりのある男性なら、「手仕事」というキーワードにアンテナが動くのでは。この本では、30の窯元とその郷土の味や立ち寄りスポットが紹介されています。
これから一緒に暮らすことを考えている相手なら、こうした本を共有して一生使っていける器選びをしてみては?
『西日本のうつわと食をめぐる 手仕事旅行』(えるまがMOOK)
(出版・編纂:京阪神エルマガジン社)
出典: 表紙は、映画「ロード・オブ・ザ・リング」で圧倒的な存在感を放っていたイアン・マッケラン。名優を「おじいちゃん」と呼んで軽妙に描いているのが、この本のおもしろさです。アンソニー・ホプキンスやモーガン・フリーマンなど、映画界になくてはならない“萌える老俳優”たちの魅力とは?映画好きの人や、お父さんへのプレゼントに。
『いとしのおじいちゃん映画』ナイトウミノワ 著
(出版社:立東舎)
出典:www.instagram.com(@nostosbooks) あえてマニアックなところを攻めてみましょう。
こちらは、女性からするとポカンとしてしまうテーマかもしれませんが、男性たちは意外にハマっている土木鑑賞。ダム、団地、工場、高速道路などを、さまざまな人たちが解説し、日本の土木を語り合っています。
『ドボク・サミット』佐藤淳一、萩原雅紀、大山顕 他
(武蔵野美術大学出版局)
出典: 仕事のために英語をマスターしなければいけないという人もいるのではないでしょうか。そこで役に立つのがこの本。
出典: イメージ力が高められる解説付きで、60の単語がまとめられています。シンプルでなんとなくユルい絵が、肩の力を抜いてくれるよう。頭を柔らかくするヒントになりますよ。
『えいごのもと』
関谷英里子 著/Noritake イラスト
(出版社:NHK出版)
出典: シュタイデルは、世界一と称えられる名本を創り出した職人。カール・ラガーフェルドやロバート・フランクといった数多くの天才たちに愛されてきました。彼はドイツに出版社を構え、企画・編集・印刷まで自ら徹底的にこだわり抜いて行っています。これは、そんなプロの本作りに迫るドキュメンタリー。DVD映像もセットになっています。本好きの人に贈りたい、イチオシの作品です。
『世界一美しい本を作る男』
『考える人』編集部/テレビマンユニオン 編(著)
(出版社:新潮社)
出典: 学者、記者、投資家など84人が、どんな本とどう出合ったのかが綴られています。普段あまり本を読まないという人にはまずこの本をプレゼントして。次の2冊目は、自分で出合ってもらいたいですね。
出典:www.instagram.com(@seikoshabooks) 続いて、部屋のインテリアとして飾っておけるかっこいい本をご紹介します。
フランスの現代美術家ソフィ・カルの作品集。初めて海を見た人を写したり、世界中の女性に別れの手紙を朗読させたり、人間の根本に迫るようなアプローチに引き込まれます。
『SOPHIE CALLE AINSI DE SUITE』ソフィ・カルの作品集
(出版社:Editions Xavier Barral)
出典: 感性が豊かな人に贈るなら、こんな一冊はいかがでしょうか。研ぎ澄まされたキッチンツールやバタフライスツールなど、究極の「用の美」を生み出したインダストリアルデザイナー柳宗理が語るデザインや民芸について。哲学書を読むよりわかりやすく、人生観が見えてくるエッセイです。
出典: 青のない国で青の花を咲かせたと人々にもてはやされた、ある男。しかしそれが本当の青ではなかったとわかると「偽物」だと避難されます。神話が人々を左右し、評価や風当たりが途端に一変してしまう世間。そんな中で彼がとった行動とは?
これから自分の道を歩もうとしている新社会人や、何かに挑戦している人たちへ、応援の気持ちを込めて捧げたい大人のための絵本です。
『青のない国』風木一人 作/長友啓典・松 昭教 絵
(出版社:小さい書房)
出典: 甘くてふかふかの優しい愛でできている絵本「ふたり」。甲斐みのりさんの言葉も福田利之さんの絵も、美しく上品。結婚する友人や同僚へのプレゼントにおすすめです。今はまだ1人、ついこの間まで2人だった人にも、沁みるメッセージです。
『ふたり』甲斐みのり 作/福田利之 絵
(出版社:ミルブック)
気に入ってもらえないかも、と考えだすと、本を選ぶのは難しいですよね。でも、「本の日」のプレゼントはあまり深く悩みすぎないで。誕生日や2人だけの記念日に期待されるようなスペシャル感より、もっと気軽に楽しめるのが「本の日」です。
飾らず誰かに本を贈る、という行動そのものが粋でステキなのです!
「獰猛なドラゴンが人々の暮らしを脅かしていたある日、王の娘までもドラゴンの生贄となることに。しかし王女が犠牲になる直前、騎士サン・ジョルディが現れて彼女を救いました。そして、倒したドラゴンの血から、見事な美しいバラが咲いたのです。」
4月23日はサン・ジョルディが殉教した日だといわれ、いつしかこの日にバラを贈る習慣が生まれました。
本をプレゼントするようになったのはフランコによってカタルーニャが弾圧されていた時代だといいます。禁止されたいたカタルニア語の本を密かに贈って愛を伝えていたそう。今でも本は、愛を確かめたり感謝を伝えたりできる存在ですよね。