まめ盆栽、ミニ盆栽ってどんな盆栽？
盆栽を大きさで分けたとき、その呼び方はまだ統一されていないようです。
高さ10cm程度までの、手のひらにのるような盆栽を形容する言葉として、「まめ盆栽」「ミニ盆栽」という呼び名があります。その定義は諸説あり、両者が同じように扱われている場合や、まとめて小品盆栽とする場合もあるようです。
基本的には、
・まめ盆栽
・ミニ盆栽
・小品盆栽
・貴風盆栽
・中品盆栽
・大品盆栽
の順に樹形が大きくなると考えてOKです。
「はじめての豆盆栽」（東京凡才倶楽部監修・河出書房新社）では、盆栽の購入から土や道具、お手入れ方法まで、初心者が聞きたい情報が一冊にまとめられています。写真も一点一点とてもおしゃれで、モダンな盆栽の気軽な楽しみ方を教えてくれます。
こちらの書籍では豆盆栽を「樹高3~10cmほどの小さな盆栽」、小品盆栽を「樹高10〜20cm程度の盆栽」として紹介しています。
寒さに負けない体を目指す！ゆらぎがちな冬のご自愛ケアキナリノ編集部
小さな盆栽のお手入れ
なりは小さくても、まめ盆栽も本格的な手入れを楽しめます。専用のハサミなど様々な道具がありますが、必要なものから買い足していくと良いでしょう。
形を損なう不要な枝を「忌み枝（いみえだ）」と呼びます。一箇所から方々に伸びる枝や、水平に横切る枝などをそれぞれ適切に処理することで美しい姿を形作っていきます。
忌み枝（いみえだ）とは盆栽用語で、樹形の美しさを損なう不要な枝のこと[1]。樹形を崩すだけでなく、他の枝への日当たりや風通しを悪化させ、樹の成長を妨げる要因となるため、適宜剪定を行う。剪定の際は枝や芽の状態に応じて道具や切断の位置を吟味するとともに、太い枝の場合には癒合剤なども用いる
幹や枝の形を矯正するのには針金を使用します。この作業は針金がけと呼ばれ、幹や枝の成長に応じて巻きなおします。
色々な植物のまめ盆栽
“松”は盆栽の定番。育ちが早く、堅牢な幹、堂々とした姿など、育てる楽しみが広がる植物です。初心者にもオススメされる一方、長い時間をかけて形作られた名作・大作も数多く現存しています。
もちろん豆盆栽のように小さくしてても、独特の堂々とした景色を見せてくれますよ。
“紅葉（もみじ）”は葉の形の美しさや紅葉時の豊かな色味から広く愛される植物。盆栽のように近くで鑑賞する場合は、なおさら葉の特徴的な形をしみじみと味わえます。秋は言うまでもなく、若葉のころもみずみずしい姿が楽しめますよ。
「松柏(しょうはく)盆栽」と呼ばれる、五葉松やミヤマビャクシンなどの常緑樹のグループ以外の木を使った盆栽は、「雑木盆栽」と呼ばれます。
“オリーブ”は洋風のイメージが強い木ですが、雑木盆栽として楽しむこともできます。丸みのあるオリーブの葉はリズミカルに枝をにぎやかしてくれます。葉色と幹色の強いコントラストも、オリーブならではの魅力です。
“リトープス”は砂漠に自生する多肉植物の仲間。「メセン」とも呼ばれます。ぷくっとしたフォルムが人気で、脱皮を繰り返して大きくなります。購入する際は指先サイズのものも多く販売されているので、小さな器とコーディネートしながら選んでみるのも良いですね。
実もの、花ものの盆栽も手のひらサイズで。
お花見も手のひらにのせて。こちらの“ピラカンサ”は生垣にも多く使われる植物で、花の可愛らしさ、鮮やかな実は四季を通じて愛らしい姿を見せてくれます。
“グミの木”は多くの実をたわわにつける、大きく育つ木です。盆栽ではあえて実付きや枝ぶりを制限します。その丹精込めたお世話によってこんな素敵な鉢に仕上がるんですね。
湾曲した幹と実の配置が絶妙です。
一風変わった器がユニークなまめ盆栽
いろいろな鉢が売られていますが、自分で好きにDIYしてもいいですね。世界に一つの盆栽を作れる醍醐味があります。
石を盆栽の植え付けに用いた盆栽を「石付き」と呼びます。自然の風合いを映す岩肌は盆栽に自然の豊かさを感じさせてくれます。
じっくり眺めて癒される苔盆栽
近くで見るとまるで広々とした苔の公園のような景色を感じるこちらの「苔盆栽」。バラエティ豊かな苔の一つ一つが、穏やかで豊かな風合いを演出しています。
こちらはユニークな手作り「コケリウム」。既存の枠組みにとらわれない楽しみ方を自分で生み出すことでますます愛着がもてそう。
樹木を元にした盆栽はもちろん、草花も含め、色々な植物で楽しめる「苔玉」。モダンで可愛らしい雰囲気は、玄関先やリビングに飾っても。
盆栽のディープな世界、小さな手のひらサイズからはじめてみませんか。
鉢、根、幹、葉、花、実、と植物の丸ごと全部を隅から隅までじっくり愛せるのが盆栽の魅力。ゆっくりと成長する盆栽の鼓動は、世話をするほどに愛おしく感じられますよ。
様々な種類の木々や草花、苔から好きなものを選んで、自分だけの小さな盆栽を仕立てて育ててみませんか？
盆栽に興味はあるけれどもちょっと敷居が高そうで最初の一歩が踏み出せない...そんな方におすすめなのがまめ盆栽・ミニ盆栽などの小さな盆栽です。
松や楓など、昔ながらの風流な盆栽はもちろん、実や花を楽しめるもの、苔や多肉植物などユニークな盆栽など、ひと鉢ごとに個性を楽しめます。