ゆったり、おうちで《読書時間》。大人も読みたい絵本たち

涼しくなり、読書の秋と呼ばれる季節がやってきました。小説もいいけれど時には“絵本”を読んでみてはいかがですか？絵本は子供だけのものではありません。大人向けに描かれた絵本、インテリアとして飾れるような美しい絵本など、大人にこそオススメの絵本をご紹介致します。

南インドのチェンナイの工房にて、編集、印刷、製本、発行までをすべてまかなう稀有な出版社、タラブックスからの刊行。その中でも特に人気の高い絵本がこちらの『夜の木』。インパクトのある表紙は、蛇と樹木が絡まり合い、それが大地そのもののイメージと重なり合う神秘的なバッジュ・シャームの「蛇と大地」。落ち着きながらも力強いその色合いも見ていただきたいです。

こちらも同じくタラブックスより刊行されている「太陽と月」。壮大な宇宙論的世界が、さまざまな民俗画のアーティストたちによってのびやかに描かれています。古布を材料とした手製の紙に、シルクスクリーン印刷、さらに手作業による製本で1冊ずつ丁寧に仕上げられたハンドメイド絵本、装丁で選ぶというのも大人の絵本の楽しみ方かもしれません。

フランス生まれのレオポルド・ジョヴォーの短編で、「大人向け児童文学」のハシリとして特異な位置を占め続けてきた彼の作品です。「年を歴た鰐の話」で、年をとり、自分で餌を取れない鰐は、近くで寝ていた孫の鰐を食べてしまう。そのことで仲間から攻撃を受け、そして仲間を捨ててひとり海に向かいます。

その名も「空想の繪本」。そのにあるのは、現実にはありえない、思考実験のようなユーモラスな世界。この豊かな想像力の独創的な作品を体験していただきたい。

画家・絵本作家の安野光雅による、現実にはありえない、思考実験のようなそんな絵が並びます。

表紙の「多彩な芸術作品を残した今世紀最大の詩人ジャン・コクトーが生涯にただひとつ作ったファンタジー」という文章にまず心を掴まれます。子どもの心を失わない大人へ贈る絵本です。

イラストレーター塩川いづみさんのイラスト集。読むというより見て楽しむ絵本として一冊手元に置いておきたくなる一冊です。