トートバッグからはじまる伝説の『ブックスストア』を巡る旅
- 寒さに負けない体を目指す!ゆらぎがちな冬のご自愛ケアキナリノ編集部
サンフランシスコの「シティライツブックストア」
詩人ローレンス・ファリンゲティ が1953年に創業した「シティライツブックストア(City Lights Bookstore)」は、当時の保守的で退屈な社会に異を唱え、自由な生き方を求めたビートニクの拠点となった伝説的な老舗の書店です。
ビート二クスのバイブルとも呼ばれる『オン・ザ・ロード』の作者、ジャック・ケルアック。「シティライツブックストア」の脇を入った小さな通りの名前にもなっています。
単なる書店ではなく、同じ自由な精神をもったアーティストたちの集まる文化的拠点でもあった場所。現在も当時の精神を受け継ぎ、ポエトリーリーディングなどのイベントも盛んに行われています。
手書きの文字がいたるところにあるユーモア感あふれる店内。
パリの「シェイクスピア・アンド・カンパニー」
ノートルダム寺院にほど近い、パリ5区に店を構える「シェイクスピア・アンド・カンパニー(Shakespeare and Company)」は、元々1919年アメリカ人女性シルヴィア・ビーチが開業した書店です。
名だたる作家たちを育てたシルヴィア・ビーチ
1919年にパリのデュプイトラン通り8番地で開業し、その後オデオン通り12番地に移ります。英文専門書店としてパリに住むアメリカ人作家を育てたシルヴィア・ビーチの書店はパリの文化サロンでした。
「シェイクスピア・アンド・カンパニー」と縁が深い作家の1人がヘミングウェイです。図書室も併設していたこのお店で、彼はたくさんの名作を読み、自分の文学の土台を築きます。
「シェイクスピア・アンド・カンパニー」では出版業も行っていました。特に当時、発売禁止とされていたジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』を出版したことで有名です。
オデオン通りの店舗は、1941年に閉店を余儀なくされます。第二次世界大戦中、パリを占領していたドイツの士官にジョイスの『フィネガンズ・ウェイク』の原稿を渡すことを拒否したことでがきっかけとも言われています。
シルヴィア・ビーチの精神がいまも息づいている書店
シルヴィア・ビーチの意志を引き継いでアメリカ人のジョージ・ウィットマンが1951年に開店したのが現在のこの書店です。シルヴィア・ビーチの死を期に「シェイクスピア・アンド・カンパニー」を襲名しました。
パリ左岸のボヘミアンたちの集まる場となったこの「シェイクスピア・アンド・カンパニー」は、サンフランシスコの「シティライツブックストア」に集まっていたビート・ジェネレーションの作家たちのパリの拠点でもありました。
本屋さんの数だけ物語があります
文化の拠点でもあったブックストア。それぞれの書店の数だけ物語があります。当時の文化を辿る書店の旅、楽しそうですね。また家の近くの書店にもぜひ足を運んでみましょう。新しい文化や人との出会いがきっと待っています。
人気のブックストアのトートバッグ。「シティライツブックストア」ってどんなお店なのでしょう?