「食」に関する名言やことわざ、いくつ知っていますか?
日本にはたくさんの食に関する名言やことわざ、故事などが言い伝えられています。たとえば「一に養生・二に薬」。体調が悪いからと薬に頼るのではなく、しっかりと栄養をとって体を休める(養生)ことが一番いい、という教えです。
そんな日本に伝わるたくさんの名言、ことわざの意味をもう一度振り返って、食と暮らしの関係を見つめ直してみませんか。
そんな日本に伝わるたくさんの名言、ことわざの意味をもう一度振り返って、食と暮らしの関係を見つめ直してみませんか。
「春」にまつわる名言・ことわざ
春は植物が芽吹く季節。野菜や果物など彩り豊かに様々な食材が並びます。お花見をしながら、ピクニックをしながらなど、外で食べる機会も増えるので食欲も一層増す季節ですね。
そんな季節のことわざから春におすすめの食材を学んでみましょう。
そんな季節のことわざから春におすすめの食材を学んでみましょう。
春の皿には苦味を盛れ
冬の間は寒さから身を守るために、脂肪を蓄えて「冬の体」を作ります。春になると体に溜めこんだ脂肪や老廃物を排出し「春の体」にシフトチェンジする必要があります。
その変化のカギを握るのは苦味。春に旬を迎える山菜は苦味が特徴的な野菜です。その苦味を体に取り入れて、より活動的な毎日を過ごしましょう。
その変化のカギを握るのは苦味。春に旬を迎える山菜は苦味が特徴的な野菜です。その苦味を体に取り入れて、より活動的な毎日を過ごしましょう。
【おすすめレシピ】山菜おこわ
初物七十五日
初物を食べると寿命が75日延びるという言い伝えがあります。初物とは、旬の時期に初めて収穫された農作物や魚介類。これらにはエネルギーみなぎっていて、食べることで新たな生命力を得ることができるといわれています。
初物は季節によって様々ですが、代表的なものは初鰹や新茶。ぜひ買い出しの際に見かけたら、今日のメニューにしてみませんか。
初物は季節によって様々ですが、代表的なものは初鰹や新茶。ぜひ買い出しの際に見かけたら、今日のメニューにしてみませんか。
【おすすめレシピ】かつおの漬け丼
「夏」にまつわる名言・ことわざ
夏といえば暑さをどう乗り切るかにフォーカスを絞った食生活になりますよね。そんな昔も今も変わらない暑さ対策が、ことわざにもなっています。
夏に気をつけたい体調管理の仕方から、上手な食生活の在り方を知っておきたいですね。
夏に気をつけたい体調管理の仕方から、上手な食生活の在り方を知っておきたいですね。
夏は熱いものが腹の薬
最近の夏は猛暑を越え、酷暑という言葉まで飛び出すほどの危険な暑さが毎日続きます。暑い日の食事は冷たいものが中心になりがち。このことわざはジュースやかき氷を摂りすぎると食欲減退に繋がってしまうので、暑い毎日でも温かい食べ物をしっかりと食べて体調を整えましょう、という意味があります。
【おすすめレシピ】夏野菜カレー
梅はその日の難逃れ
梅干しに含まれるクエン酸が疲労回復に効果的なことは有名ですよね。さらに食べ物が傷むのを防いでくれる防腐効果や殺菌効果も梅干しの特長の一つ。
このことわざは、朝一粒の梅干しを食べるとその日の災い事から逃れられ健康に過ごせるという意味があります。また、夏に梅干しを食べることは、夏バテに対する食欲増進効果も期待できますよ。
このことわざは、朝一粒の梅干しを食べるとその日の災い事から逃れられ健康に過ごせるという意味があります。また、夏に梅干しを食べることは、夏バテに対する食欲増進効果も期待できますよ。
【おすすめレシピ】梅干しの炊き込みご飯
「秋」にまつわる名言・ことわざ
“食欲の秋”という言葉の通り、食材豊かな秋はついつい食べ過ぎてしまうことも。そんな実りの秋には食材が豊富だからこそいろいろな名言やことわざがあります。
旬を迎える食材を上手に使って食卓に秋を彩ってみませんか。
旬を迎える食材を上手に使って食卓に秋を彩ってみませんか。
秋茄子は嫁に食わすな
このことわざには2つの意味があります。一つはみなさんよくご存じの。秋に旬を迎えるおいしい秋茄子はもったいないので、お嫁さんには食べさせないというお姑さんの“嫁いびり”としてのことわざです。
もう一つはまったく逆の意味があるという説も。茄子には水分とカリウムが豊富に含まれているので、体の熱を排出してくれるという効果があります。ところが「おいしいから」と食べ過ぎると逆効果になり体が冷えてしまうことも。そのためお嫁さんに「体を冷やして体調を壊すから食べない方がいい」という労わりの意味です。
もう一つはまったく逆の意味があるという説も。茄子には水分とカリウムが豊富に含まれているので、体の熱を排出してくれるという効果があります。ところが「おいしいから」と食べ過ぎると逆効果になり体が冷えてしまうことも。そのためお嫁さんに「体を冷やして体調を壊すから食べない方がいい」という労わりの意味です。
茄子は10分程度しっかりとアク抜きをして、生姜やにんにくなどの体を温める食材と一緒に加熱調理をすれば問題ありません。もちろん食べ過ぎには気をつけましょう。
【おすすめレシピ】和風なすミート
貧乏秋刀魚に福鰯
秋が旬の秋刀魚ですが、農家ではこのことわざが言い伝えられています。
秋刀魚は寒流に乗ってやってきますが、豊漁になるということは夏の気温が低かったことを示しています。つまり、その年はお米が豊作ではないということに。その反対に鰯が豊漁の年は暖流の勢いがあるということになり、暑い夏の先には実りある秋がやってくるという意味があります。
秋刀魚は寒流に乗ってやってきますが、豊漁になるということは夏の気温が低かったことを示しています。つまり、その年はお米が豊作ではないということに。その反対に鰯が豊漁の年は暖流の勢いがあるということになり、暑い夏の先には実りある秋がやってくるという意味があります。
【おすすめレシピ】秋刀魚の大葉巻きステーキ
「冬」にまつわる名言・ことわざ
現在では冷蔵庫やハウス栽培などのおかげで年中口にできるものも増えましたが、昔は冬の寒さから身を守るために、体を温める効果がある食材や栄養豊富な食材を保存して食べていました。
そこで、冬に体調を崩さないような食生活のポイントを振り返ってみませんか。
そこで、冬に体調を崩さないような食生活のポイントを振り返ってみませんか。
冬至かぼちゃに年とらせるな
冬至といえば、柚子湯に浸かりかぼちゃを食べて風邪を引かないような食生活を送ることが理想的といわれています。
昔は冬になると緑黄色野菜が手に入らず、秋までに収穫したかぼちゃを保存して食していました。かぼちゃは栄養を損なうことなく保存できますが、冬至を過ぎる頃にはさすがに傷んでしまうので年内には食べ終えるように、という教えです。
昔は冬になると緑黄色野菜が手に入らず、秋までに収穫したかぼちゃを保存して食していました。かぼちゃは栄養を損なうことなく保存できますが、冬至を過ぎる頃にはさすがに傷んでしまうので年内には食べ終えるように、という教えです。
【おすすめレシピ】かぼちゃのチーズ焼
大根おろしに医者いらず
冬大根の魅力はその甘さです。大根の甘味は、寒い季節でも大根が凍らないように水分を糖に変えて育つからといわれています。また、大根に含まれる主な栄養素はジアスターゼです。この栄養素はでんぷんを分解する消化酵素なので、胃腸の働きを助けてくれる効果も。
そのため大根おろしを食べていれば、消化機能の働きもよくなるので病院で診てもらうことも少なくなりますよ、という言い伝えです。
そのため大根おろしを食べていれば、消化機能の働きもよくなるので病院で診てもらうことも少なくなりますよ、という言い伝えです。
【おすすめレシピ】大根おろしのパスタ
先人たちの知恵を取り入れよう
出典:unsplash.com
「春苦味 夏は酢の物 秋辛味 冬は油と合点して食え」という石塚左玄の言葉の通り、季節によって体が必要としているものは変化します。旬の食材と併せて、四季それぞれの上手な食べ方も覚えておきたいですね。
日常では採れたての山菜を口にすることは難しいので、山菜の水煮を使っておこわを作ってみましょう。炊飯器を使って調味料と一緒に炊き込むだけなので、とても簡単ですよ。