1年じゅう緑を湛える常緑樹。
常緑樹【常磐木/ときわぎ)】にも世代交代=落葉があります
【常磐木落葉/ときわぎおちば】
落葉のタイプは大きく分けて2つ。
➀4~6月にかけて、新葉と入れ替わりに落葉する木
②春から秋にかけて、少しずつ入れ替わる木
➀4~6月にかけて、新葉と入れ替わりに落葉する木
②春から秋にかけて、少しずつ入れ替わる木
常緑樹の葉の寿命はさまざまだけど、1年以上はあるんだ。
新しい葉が出てからいっせいに落葉したり、
少しずつ落として新しい葉と交代すれば、
年中緑の葉は絶えないんだよ。
出典:森で遊ぼっ!
“初夏”の季語=【常磐木落葉】
「常磐木落葉(ときわぎおちば)」は、初夏の季語。
常磐木とは、松や杉、楠などの常緑樹のことで、四国村にたくさんある楠の下も、この時期になると赤や茶色の落葉でいっぱいです。
冬に休眠状態になる落葉樹と違って、常緑樹は1年中みずみずしい葉っぱを保持するために、新芽が萌えてきたら古い葉っぱを落とします。
季節外れの落葉ですが、これも常緑樹が自然の中で生きていくために身につけた知恵なんですね(^^)
出典:四国村
【常磐木落葉】の木々は|常緑広葉樹
クスノキ(樟)
日本の巨木トップ10のうち、8本までがクスノキだそう。“トトロの住みか”としても知られていますね。
暖かい雨上がりの朝クスノキの落葉始まる! 雨上がりの早朝です。
車のまだ居ない駐車場にクスノキの赤い落ち葉がハラハラと舞い降りています。
樹を見上げると赤い葉が沢山。初夏に向かって選手交代が始まりました。
世代交代を見届けて…クスノキの落ち葉。
シイ(椎)
日本の照葉樹林を代表するブナ科シイ属の常緑広葉樹。
おいしいドングリのなる木として、シイタケのほだ木として。最近では腐葉土の原料としても人気です。
おいしいドングリのなる木として、シイタケのほだ木として。最近では腐葉土の原料としても人気です。
日本にはブナ科シイ属に属する種はツブラジイ(コジイ)とスダジイ(イタジイ)が知られて
います。ツブラジイは関東以西、スダジイは福島県および佐渡島以南に分布します。
いずれの種も常緑性(じょうりょくせい)(一年中緑色の葉をつけている)で、大きなものは
高さ25m、直径1.5mにもなります。葉は厚くて、縁が滑らかで、裏面は毛が密生するため
金色に見えます。
黒みがかった幹、鬱蒼とした葉が重厚な雰囲気。大木になり、各地で神社の“ご神木”、史跡の“シンボルツリー”とされています。
新緑はライトグリーンで季節を経るに従って葉の緑が濃くなる。葉の裏側は年間を通じて
黄色に近く、街路から見上げると木全体が黄色く見えるのが特徴。
カシ(樫)
前出のシイと並んで、“ご神木”“鎮守の森”、ドングリのなる木として親しまれてきたブナ科の常緑広葉樹。
20近い市町村のシンボルマークに指定されています。
20近い市町村のシンボルマークに指定されています。
かしの木を眺めながら ホッと一息☕️ お気に入りのファストフード店にて😅
秋にも春にも葉を落とします。「常緑針葉樹」
スギやヒノキ、モミやマツ類などの常緑針葉樹ももちろん、葉は交代します。
彼らの交代の時期は秋、したがって秋に落葉します。この時期、彼らの樹冠(じゅかん:枝葉の層)をよく見ると、茶色い枯れ葉が沢山ついています。
出典:森林雑学研究室
スギ(杉)
こちらも日本三大美林の1つ・吉野杉(奈良県吉野市)の8月。(撮影:筆者)
ずっと緑を保ち続けているわけではありません。
冬だからこそ、
冬にしか見れない杉の葉一面の山道^^
一歩一歩、歩くたびフワッフワッっと僕の足を跳ね返す位弾力ある杉の枯葉達。
気持ちは枯れてないんだね。
マツ(松)
マツ科の常緑針葉樹。アカマツ・クロマツ・ゴヨウマツ・ハイマツなどの仲間が。
日本では神の寄る神聖な木としてだけではなく、節操や長寿を象徴する木として尊ばれており、
門松の風習や松竹梅の筆頭としてもその尊厳を表しています。
冬枯れのお正月に…
春の新芽の頃、前年の秋に落ちなかった古い青葉が落ちることもあります。
本格的な落葉は秋から冬にかけて。
茶の湯では11月には風炉から炉に替え、茶庭や露地には枯れた松葉を一面に敷き詰める。これは
霜で苔が傷むのを防ぐためと、茶庭の風情を侘びた景にするためである。芝生を用いない
日本庭園独自の冬の装いである。
出典:淡交社:茶の湯の銘大百科
敷松葉の具体的な画像はこちら。
ヒノキ(檜・桧)
ヒノキ科ヒノキ属の常緑針葉樹。法隆寺や薬師寺をはじめ、独特な芳香と耐久性で知られ、古くから神社・仏閣の建材として使われてきました。最高品質の浴槽として、お風呂好き垂涎の的でもあります。
11月半ばの京都・常照皇寺参道。紅葉したサクラに混じって、ヒノキも落葉していますが…見分けがつきません。
一部が落葉します。
常緑針葉樹の葉は、秋から冬にかけて古いものから順に枯れて
落葉するんだ。そのおよその年齢は木の種類によって違って、アカ
マツは2年、ヒノキは6年、シラベは7年が多いといわれているんだよ。
出典:森で遊ぼっ!
【常磐木落葉】ではないけれど。 春に落葉する常緑樹たち
ツバキ(椿)
椿の木自身が古葉を落として適正な葉数になろうと対応している途中です。
キンモクセイ【金木犀】
市町村がシンボルとしている花木のうち、全国9位の人気だそう。
おしまいに
落葉樹のように花や紅葉が注目されることは少ないけれど、厳しい冬にも緑を湛える常緑樹=『常磐木』の存在は、日本の自然に不可欠なものの一つ。よく見ると、その緑は同じトーンのままではありません。
春のクスノキは透明感のある新緑をまといながら根元にたくさんの葉を落としますし、秋に紅葉して落葉、さらには新芽の頃にも葉を落とすスギやマツもあります。
春の終わりから初夏にかけては、『常磐木落葉』を目の当たりにできる年に一度の機会。お散歩や旅の途上に見つけたら、常磐木たちの一生に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?
春のクスノキは透明感のある新緑をまといながら根元にたくさんの葉を落としますし、秋に紅葉して落葉、さらには新芽の頃にも葉を落とすスギやマツもあります。
春の終わりから初夏にかけては、『常磐木落葉』を目の当たりにできる年に一度の機会。お散歩や旅の途上に見つけたら、常磐木たちの一生に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?
参考サイト:
スギ木立と常緑樹の深い緑が山門に格調と落ち着きを与え、アジサイを際立たせています。栃木県栃木市・大中寺山門。