美肌へのカギは『正常なターンオーバー』
「古い細胞と新しい細胞が入れ替わる」「最終的に垢と一緒に剥がれ落ちる」など、なんとなく聞いたことはあるけれど、お肌のしくみに関してはあまりよく知らないという方も多いのでは?
- 寒さに負けない体を目指す!ゆらぎがちな冬のご自愛ケアキナリノ編集部
よく聞く『お肌のターンオーバー』って?
部位によって異なりますが、皮膚の厚さは大体2ミリ程度。その中で表皮は、わずか0.2ミリという薄さ。表皮の一番外側に位置する角質層は、たった0.02ミリしかありません。
表皮の中の一番下の「基底層」で生まれた新しい肌の細胞は、成長しながら徐々に形を変えていき、新たに生まれる細胞によって上へ上へと押し上げられていきます。
成長した細胞が表皮までいくのに14日間、さらに角質層を形成し、垢となって自然に剥がれ落ちるまでに14日間と言われています。この肌の生まれ変わりを“ターンオーバー”といいます。
ターンオーバーが乱れるとどうなる?
本来ならば、基底層で生まれた細胞は約28日間をかけて垢となって剥がれ落ちるのが理想ですが、年齢とともに新陳代謝が衰えてくると、そのスピードも遅くなってきてしまいます。またそれとは逆に、間違ったやり方の過度なスキンケアなどでターンオーバーが早くなってしまう場合もあり、どちらの場合も肌トラブルを起こしやすくなってしまいます。
ターンオーバーの周期が乱れてくると、様々な肌トラブルが起きやすくなってしまいます。ターンオーバーの周期が長くなると、自然に剥がれ落ちるはずの垢や老廃物が表皮に留まってしまうので、なんとなく肌が硬くなってゴワゴワしたり、くすんで見えたりしてしまいます。
また、紫外線を浴びたり過度のマッサージなどで肌に刺激が加わったりすると、基底層では肌を守るために「メラニン」が生成されますが、これがシミの原因となります。ターンオーバーの周期が遅くなり、この色素がどんどん蓄積されると「シミが濃くなった」「シミが増えた」と感じるようになります。
ターンオーバーの周期が早すぎるとどうなるのでしょうか?生成された細胞が、まだ小さく未熟な状態で肌の表面に押し上げられてしまうので、肌のバリア機能も弱くなってしまいます。皮脂の分泌が少なくなり、乾燥、吹き出物やニキビ、肌荒れが起きやすくなってしまいます。
ターンオーバーの乱れを防ぐために心がけたい《5つの生活習慣》
【1】肌を作る材料となるタンパク質をしっかりとる
肌や髪、爪など体を作るために欠かせない栄養素の一つがタンパク質。豚肉や鶏のささみ、魚介類、大豆や卵、チーズなどに多く含まれています。
一日に必要なタンパク質量は、個人差がありますがおよそ50グラムくらいと言われています。食品に表示されている数値を見ると、簡単に摂取量がわかりますので意識してみると良いでしょう。
【2】朝起きたらお水or白湯を一杯飲む。便秘解消にも◎
朝は体もお肌も水分が不足気味。寝ている間に失われた水分を補給するために、朝起きたらまず一杯お水もしくは白湯を飲んでみましょう。飲みづらい場合は小さじ一杯ほどのレモン汁を加えてレモン水にしても◎大腸が刺激されて、お通じが良くなるでしょう。
【3】軽い散歩やストレッチでOK!血行を良くしよう
血液の巡りが滞ってしまうと、肌の生成に必要な栄養が細胞に届かなくなってしまうので、ターンオーバーのサイクルが乱れてしまいます。冷え性や肩こりなど体にも不調のサインが出ることも。
デスクワークの方は、座りながらできるストレッチや軽いマッサージを取り入れることを心がけましょう。休みの日は近所を散歩するなど、無理のない適度な運動を取り入れるようにすると、気持ちもリフレッシュして血行促進につながります。
【4】寝不足は肌の大敵!質の良い睡眠を
肌のターンオーバーは、寝ている間に成長ホルモンが分泌されることで活発になります。この活動は午後10時から午前2時頃に活発になると言われているので、この時間にきちんと睡眠をとることが大切です。寝る1〜2時間前には入浴をすませておくと、副交感神経の働きが良くなり質の良い睡眠をとることができます。
【5】ストレスを溜め込まない
家事や仕事に追われたり、気分が落ち込むようなことがあったりしてストレスが溜まると、肌荒れを起こす原因に。また肌荒れを起こした肌を見て、さらにストレスが溜まるという悪循環につながる恐れも。ストレスを溜めないためにも、ゆっくり休息を取り、気分転換できる時間を持つようにしましょう。
ターンオーバーを整えるためのスキンケアのポイント
正しいクレンジング、洗顔をする
毎日のクレンジングに加えて、朝晩の洗顔で与える肌への刺激は思っているよりも大きいものです。ついゴシゴシと力を入れて洗ってしまいがちですが、皮膚はとても薄くてデリケート。クレンジングはメイクや肌の状態にあったものを使用しましょう。
洗顔料で顔を洗う時は、キメの細かい泡をたっぷりと泡立ててから、優しく顔を包むようにしてなるべく肌への刺激をなくしましょう。
たっぷり保湿する
ターンオーバーを整えるためには、バリア機能を正常にすることも大切。化粧水は、肌が柔らかくなるのを感じるまで3回くらいに分けてたっぷりなじませましょう。化粧水で肌にしっかり水分を入れたら、乳液やクリームなどの油分を与えて、水分が肌から蒸発するのを防ぎます。
私たちの肌は、上から「表皮」「真皮」「皮下組織」の三つから成り立っています。一番上の表皮は「角質層」「顆粒層」「有棘層」「基底層」という4層構造でできています。