本場の味を美味しくいただく、《フランスパン》のたしなみを。


そこで今回は、そんな本場フランスでのスタイルを参考に、パンの王道《フランスパン》の美味しい食べ方について学んでみましょう。近年は⽇本でも本格的なフランスパンを楽しめるお店が増えたので、ぜひ、毎日の食卓に取り入れてみてください。
【バゲット】とは…フランス人にとっての“フランスパン”

実は、細⻑いハード系のパンをすべて「バゲット(baguette)」と指すわけではないんです。⼩⻨粉・⽔・⾷塩・酵⺟のみで作られ、重さは300〜400グラム程度。⻑さが70〜80センチのものが、⼀般的に「バゲット」と呼ばれています。ちなみに、バゲットはフランス語で「棒」の意味。ハリーポッターの杖も「バゲット」なんです。複数形(baguettes)で使うと、⽇本語の「お箸」の意味に。⾷べるだけではないんですね。

本場フランスの方にとって、パン=バゲット。バゲットは毎日の食卓に欠かかせないパンになっています。フランスの夕暮れ時には、こんなふうにかじられたバゲットを持って歩く男性の姿がちらほら…(笑)。帰宅途中のお父さんが家族の夕飯に買って帰ることが多いのですが、美味しそうなあまり、家に着く前についかじってしまうみたいなんですね。そんな微笑ましい風景が、フランスではいつもの日常として根づいているんです。
【バゲット】選び方とは?

フランスでは、よく焼いた状態を指す「bien cuit(ビヤンキュイ)」が、美味しいバゲットだといわれています。パン屋さんに行ったら、全体的によく焼けており、焼きむらが少ないバゲットを選んでみてくださいね。ちなみにフランスのパン屋さんに行くと、よくこの言葉が行き交う場面に遭遇しますよ。
【バゲット】美味しい食べ方とは?

バターで、味わいを調整するテクニックも。バゲットには塩が含まれていますが、お店によってその塩加減は様々。物足りない時は有塩バターを、塩っけが強い場合は、無塩バターをつけるとバランスの良い味になります。

ちょっとお高いチーズでも、日常の食卓に並べて楽しむのがフランス流。パンもチーズも発酵食品なので相性がよく、味わい豊かになります。ワインとチーズとバゲットで、ちょっと贅沢な週末を演出してみるのはいかがでしょうか。
【バタール】とは…バゲットよりもずんぐりむっくり。
【バタール】美味しい食べ方とは?

バゲットと材料は近しいですが、形が太い分、中がしっとりとしているのが特徴。カットした時の断面が広いので、サンドイッチにうってつけですね。バターやチーズはもちろん、スモークサーモンや生ハムなどちょっとした塩気のあるものと、食感が楽しいシャキシャキ野菜と一緒にいただきましょう。
【パン・ド・カンパーニュ】とは…まん丸な田舎風パン

「パン・ド・カンパーニュ(Pain de campagne)」とは、田舎風パンという意味で、このように丸い形をしているのが一般的です。バゲットほど皮が厚くはなく、フランスのスーパーではスライスされているものもよく売られています。
【パン・ド・カンパーニュ】美味しい食べ方とは?

日本では珍しいかもしれませんが、フランスでは焼き菓子などでおなじみの「栗の花のハチミツ」。こちらも香りにクセがあり、バターを塗ったカンパーニュと組み合わせると絶品ですよ。風味の強いジャムとあわせて、タルティーヌとしていただくのもオススメ。
【知ってるようで知らない】保存法&硬くなったらどう食べる?
フランスパンの保存の仕方

あくまでフランスパンは長期保存に適したものではないので、まとめ買いせず、できれば買ったその日のうち、あるいは2日間程度で食べきれる量を楽しむのがベスト。それでもすぐに食べきれないというとき、なるべく早く密閉できる保存袋に入れ、冷凍するとよいでしょう。
“失われたパン”を蘇らせるフレンチトースト

フレンチトーストがフランス語でパン・ペルデュ(Pain perdu)、“失われたパン”という意味で呼ばれていことをご存知でしょうか?食べ残って硬くなったパンはもはや別のもの。なので“失われたパン”なんですね。それゆえ、フランスではフレンチトースト=残り物というイメージになっていますが、食べ物を無駄にしない立派なエコ料理。朝食やおやつとして親しまれている国民食です。
本場テイストのフランスパンを楽しめる、東京近郊のパン屋《6選》
メゾンカイザー
PAUL
メゾン・イチ 代官山
AUX BACCHANALES(オー バカナル)
ルヴァン 富ヶ谷店
いかがでしたか?

いかがでしたでしょうか。ヨーロッパでは昔から主⾷として⾷べ続けられてきた、世界的に愛されるフランスパン。シンプルな材料だからこそ、素朴ならではの美味しさを楽しんで、魅力をもっと発見していただたらと思います。
フランスなどのヨーロッパ諸国とって「パン」は、切っても切り離せない大事な主食。そのため街のいたるところにパン屋さんがあり、いつでもパンが⾷べられる環境となっています。