昔から使われてきたものたちには、使われ続ける理由があります。

もしかしたら、現代の日用品と比べると、不便さを感じる品もあるかもれません。しかし、不便を楽しむことで見えてくる、大切なこともあるのではないでしょうか＊

昔から、そして今も変わらず愛されている日用品をご紹介していきましょう。

美しい反射を見せる銅のやかん。熱伝導性がよく、素早くお湯を沸かしてくれます。また、素材自体が軽く、水をたっぷり入れても軽々持ち上げられるところもいいですよね。

ぴかぴかの銅のやかんは、使い込むことでだんだんと酸化し、飴色に変化していきます。ふっくらと優しいフォルムを眺めていると、ついついお湯を沸かしたくなってしまいます。

どっしりとした安定感のあるフォルムの鉄瓶は、お湯をまろやかにして、旨みのあるお茶を要れてくれます。また、鉄分がじんわりと溶けだすので、毎日の鉄分補給にも最適。サプリなんてなかった昔の人たちは、こうして鉄分を補給していたんですね。

一目ずつ刃を立てていく銅おろし金。微妙に不揃いになっているので、軽い力でもスムーズに大根やワサビなどをおろしていくことができます。本物のおろし金を使って作った大根おろしはふんわりとして、適度な水分を含んだ優しい美味しさを感じられるのです。

厚めの銅板を使って作られた玉子焼鍋は、全国の料亭やお寿司屋さんも愛してやまないという名品です。焼きムラや焦げがつきにくく、一生ものの鍋として愛用していけます。

日本酒やワインの瓶、水筒や玉ねぎなどを運ぶのにぴったりのびんかご「いかご」です。時間が経つにつれ、いぐさが茶色くなってくるのも味わい深いですね。手仕事の良さが実感できるアイテムです。

フラットな形状のざるがひとつあると、おそばを食べるのに便利です。水分の膜ができにくい竹は、水分の多い食べ物を盛りつけるのにも適しています。ざっくりと編まれた縁模様が美しいですね。

通気性の良い竹の弁当箱は、サンドイッチなど適度に風を通したいおかずにぴったり。きれいに編まれた竹なので、蓋もきちんと閉まります。和風のお弁当だけではなく、洋風のものにもよく似合うのが竹の弁当箱のいいところです。

石川県山中の職人が、表面に鉋をあて、丁寧にろくろ挽きした茶筒です。均等に入った筋が滑り止めの役割りも果たし、使い勝手もよく、年配の方へのギフトとしてもおすすめです。

昔から座敷箒として愛されてきたシュロの箒。しっとりと油分が含まれているため、埃が舞い上がりません。畳のお部屋だけではなく、フローリングの床でも活躍してくれる箒ですね。

1718年創業という老舗中の老舗である江戸屋さんの羽払いは、ふんわりと優しいタッチで埃を払ってくれます。手元に置いておけば、ささっといつでも手軽にお掃除しようという気持ちになります。

銭湯でおなじみの籐かごです。だんだん色みが深くなる、経年変化を楽しめるのも、籐かごの魅力。

つるりとした手触りが心地よい藤のかごはちょっとしたものを置くだけで、穏やかで居心地のいいスポットを作り上げてくれます。大切なものを丁寧に扱いたくなる藤かごです。

脚付きの脱衣籠は、かがまずに使えますし、床から離れているので衛生的です。脱衣所だけではなく、リビングやキッチンでも便利に使えるアイテムです。

竹のランドリーバスケットは、繊細な細い竹が整然と編まれて、きちんとした印象を受けます。日本が古くから大切にしてきた細部にまでこだわりのある整えられた雰囲気をしっかり堪能できます。

樹齢200年という、長い年月を経た木曽ヒノキで作られたお風呂セットがあるだけで、おうちのお風呂が上質な温泉旅館のように思えてきます。使い終わったら、きちんと水を切って、しっかり乾かす。そのひと手間さえも愛おしくなります。

和紙に柿渋を塗ることで強くしなやかに仕上げるという渋うちわ。自然の色合いを大切にした淡い茶色もシンプルで素敵ですね。経年変化で徐々に色合いが変わっていくという育てる楽しみもありますよ。

しかしそうしたものに囲まれていると、手間暇をかけることの大切さや、丁寧な暮らしの原点に触れられることでしょう。ぜひ、あなたの日常にも取り入れてみてくださいね。