愛され続ける特別な器【イッタラ フローラ】
“フローラ”シリーズのこれまで
北欧フィンランドで最も古いガラスメーカー「Nuutajarvi（ヌータヤルヴィ）」から1966年に発表されたシリーズ、「flora（フローラ）」。デザイナーOiva Toikka（オイバ・トイッカ）の代表作のひとつであるこの繊細なガラスの器は、職人がひとつひとつ“マウスブロー（吹きガラス）”で手がけたもので、立体的なエンボス加工でデザインされた木や花などのモチーフも愛らしく、多くのファンに支持されてきました。
1988年、ヌータヤルヴィはフィンランドのリビングウェアブランド「Iittala（イッタラ）」社と合併し、フローラシリーズも1991年まで生産販売されましたが、その後は残念ながら廃盤に。復刻版も限定的に販売されたものの、ほとんどはマウスブローではなく機械による生産だったようです。
2004年にはその限定販売も終了し、25年間という長きに渡って生産が続けられていたフローラシリーズは、その後入手困難な状態が続いていました。
そして2014年、ヌータヤルヴィガラス工場の閉鎖が決定。
しかしその一方、嬉しいニュースが飛び込んできました。
北欧インテリアがお好きの方ならおなじみのショップ、「scope（スコープ）」さんの情熱的なアプローチにより、フローラシリーズの復刻版がリリースされることになったのです。
復刻版は製造当初と同じマウスブローで作られることになりました。【Nuutajarvi】の青いシールは、職人技によるハンドメイド品質が蘇った証と言っても過言ではありません。購入したフローラシリーズにこのシールがあると、なかなか外せなくて…というファンの方もたくさんいらっしゃるようです。
復刻されたのはタンブラー、ピッチャー、ボウルの3種類。タンブラーには2サイズ、ボウルには4サイズのラインナップがあります。2015年には何十年ぶりかの新色としてセビリアオレンジのシリーズが登場。優しい色合いでこちらも人気です。
また、2017年には淡い色ガラスが美しいアートフローラシリーズがリリースされました。すべて手作りのため、色の入り方は一点ずつすべて違います。ネット購入の際は、サイトで個別写真を見てお気に入りの一点を選ぶこともできますよ。
食卓とフローラ
光の中に置いてあげると、映り込む影までこんなに綺麗なフローラ。冬の寒さが弛み、春のぬくもりが近づくこれからの季節は、独特の愛らしい意匠が明るい日差しに煌めいてさらに美しくなります。まずは春を彩るテーブルウェアとしての活躍を見てみましょう。
朝のテーブルを賑やかに
こちらのテーブルでは、ヨーグルトの小鉢としてフローラボウルが活躍しています。フルーツをたくさんトッピングしても余裕のサイズなのが嬉しい。
少し大きめサイズのボウルはサラダにぴったり。ガラスの透明感にグリーンが映えて爽やかです。
グラノーラにミルクをたっぷり注ぎたいときにもボウルが便利です。深さがあって口も広く、安定感抜群のフォルムが用途の幅を広げてくれるんですね。
タンブラーはドリンクをいれるだけでなく、こんな使い方もできます。グリッシーニをここからちょっとつまむのもいいし、スティック野菜を入れるのにも重宝するそうですよ。
一番大きな250mmボウルにはオレンジやバナナなどの大ぶりな果物を入れ、フルーツボウルに。テーブルにいつも彩りを添えてくれる、ちょっとしたインテリアになります。
タンブラーでドリンクを楽しもう
暖かくなってくると、いよいよグラスで楽しむ飲み物たちの出番です。こちらは黄色が爽やかなレモンの蜂蜜漬けのドリンク。繊細な色合いが光に透ける様子にうっとりするのも、クリアカラーのタンブラーならではですね。
小さなボウルにいろいろなフルーツを用意して、好きなものを好きなだけ選んで自分のタンブラーへ。ソーダやシロップを注げば、デザートとドリンクの間のような、目にも鮮やかな美味しいスイーツの出来上がりです。
家族や友人とドリンクを囲むなら、ピッチャーが活躍します。天気のいい日に、お庭やテラスでのんびりお茶を楽しみたい時などにぴったりです。
ティータイムを華やかに
春といえばいちごの季節。ボウルを手に入れたら、一度は作ってみたいのがこのグラスケーキです。スポンジとクリームといちごを重ねるだけの簡単スイーツですが、フローラシリーズのボウルならではの寸胴フォルムでなければ、この魅力的な見た目にはならないのです。
もちろん、ティータイムのとっておきスイーツを入れるのにもボウルは欠かせません。カラフルなマカロンがさらにキュートに見えてくるのは、フローラのほのぼのとした模様とマッチしているからでしょうか。
少し大きめのボウルに、お気に入りのクッキーをたっぷり。
みんなでつまみながらおしゃべりする楽しいひとときです。
……まあ、たまには独り占めしたくなることもありますよね、わかります。
フローラのタンブラーとミルクという組み合わせが好き！というお声、結構多いんです。ミルクの白でフローラの模様が浮き立って見えて、なんだか可愛いんですよね。
花々とフローラ
ほんの少しのお花でも、フローラボウルに飾っておくと、水とガラスのキラキラがお花の魅力をより引き立たせてくれます。こちらのようなトレーに乗せてあげると、木のあたたかみも感じられてより優しい印象になりますね。
花びらだけを集めてボウルを満たせば、生けた花とはまた違う表情を見せてくれます。陽の光に少し透けた花びらが本当に綺麗！
ボリュームのある大ぶりの花を豪華に飾るなら、ピッチャーを使うのがおすすめです。たくさんのチューリップも、ピッチャーに無造作に入れておくだけでなんだか絵になるのが不思議ですね。
こちらはライラック。フローラのデザイナーであるオイバ・トイッカが「フローラに一番似合う花」だとおっしゃっていたそうです。このもこもこっとした春の花は、フローラに刻まれた模様にも似ているせいか、確かになんだかしっくりきます。
毎日のテーブルに、日常使いの宝物
一つ一つ微妙に厚みが違ったり、小さな気泡が入っていたり。こだわりのマウスブローで作られているからこそ、フローラシリーズにはそんな個性も愛おしく思わせる独特の魅力があります。ガラスの器はつい扱いに慎重になりがちですが、やっぱり棚にしまい込んでいてはもったいないですよね。
宝物のように大切にしつつも、毎日の暮らしに使ってこそ心ときめく器。この春はそんなフローラの魅力をもっと満喫してみませんか？
テーブルウェアとしても、フラワーベースとしても楽しめるイッタラのフローラシリーズ。春らしい素敵な使い方がいろいろありますよ♪