「バーンロムサイ」とは?
バーンロムサイは、HIVに母子感染した孤児たちの生活施設として1999年12月、タイ北部のチェンマイ郊外に設立されました。当時タイではエイズが猛威をふるい治療薬も行き渡らず、たくさんの人が感染し亡くなっていきました。この病気により両親を失い、自らもHIVに母子感染した子どもたちが増加、バーンロムサイには国立孤児院からそのような30名の子どもたちがやってきました。開設から3年の間に10名のこどもたちがエイズを発症し命を落としましたが、やっと普及し始めた抗HIV療法を取り入れた後、2002年10月以降はだれ一人亡くなっておりません。
~中略~
バーンロムサイでは、自立のための事業としてNPO法人バーンロムサイジャパンの支援のもと、縫製場とゲストハウスを運営してきました。この事業がいわば“家業”となり、子どもたちの将来の職場や職業訓練の場ともなることを願い継続してきましたが、嬉しいことに3人の子どもが見習いとしてゲストハウスと縫製場で働き始めました。また2名がホームの大工さんとともに働き始め、修行を積んでいます。事業やホームの中での仕事が子どもたちの就労と結びつき始め、これは活動の大きな成果と実感しています。
「バーンロムサイ」のものづくり
バーンロムサイのプロダクツはホーム内の小さな工房で、地元の縫子さんや少数民族の女性達とともに作っているのだそう。自然豊かな環境のなか、じっくりものづくりに取り組んでいます。
「生きるをつくる、ものづくり」
バーンロムサイは、寄付だけに頼らず、少しでも自立した運営を目指して事業を行なっています。2000 年、敷地内の植物を使っての草木染めから始まった<ものづくり>。それを製品化するために縫製場を設け、今ではチェンマイの気持ちのよい布や少数民族の古布、手織の布などを使用した衣類や雑貨などのオリジナルプロダクツを製作・販売しています。
日本のお客さまを念頭に入れ、洗練されたデザインと丁寧な縫製、しっかりとした商品管理を心がけてのものづくり。お客さまに「気に入ったものをお買い上げいただく」ことが結果として地域や山岳民族出身の女性、縫製場で働くHIV感染者の支援ともなり尚かつ、バーンロムサイの子どもたちの命をも支えてくれています。
リス族、モン族など少数民族の女性たちが、その伝統的な手仕事を継承する意味も込めて、ここで働いています。ホームページの写真日記には、そんなスタッフたちの様子がちらほら。
財布ひとつひとつ、取り付けるスパンコールやビーズ、そのデザインも異なります。
こちらはお財布のビーズつけの作業。ひと粒ひと粒、キラキラと光るビーズが手縫いでつけられていきます。
工房のなかでは布の裁断中。ホームで育った子どもたちのなかには、ここで仕事をして自立しようと奮闘中の子もいるのだとか。
ホームの縫製場で服を縫製した後に残った端切れ布をどうにか生かせないかという考えから生まれたのが「裂き織り」。リボン状に裂いた端切れ布をつなぎ合わせて「裂き織り」のリボンを作り、それを織り機で丁寧に織り上げます。織る順番、色味や幅などを細かく決めて……
ビーズ、羽、モールや毛糸などを時折加えながら、丁寧に織り上げていきます。どんな美しい生地が仕上がるか、うきうきしてしまいます。
忙しくなると、ホームの子どもたちが札つけなどを手伝ってくれることもあるのだそう。お姉さんチームが頑張ってくれていますね!
美しい手仕事が光るアイテムたち
バーンロムサイの大人気商品。華やかで美しい刺繍の古布をリメイクした長財布は、ため息のでるような美しさ。タイ北部やベトナム、ラオス、ミャンマーなどの山地に広く暮らす少数民族の女性が一針一針刺繍をした古布の衣装を使い、ステッチやビースなどをあしらったハンドメイドの一点ものです。内側は仕切りがあって実は機能的にも◎。
こちらは、少数民族の民族衣装だった古布を使ったパスケース。緻密なステッチワークや独特のデザインが美しいですね。ポイントはスパンコールつきのタッセル。このタッセルももちろん手作りです。色柄だけでなくタッセルとの組み合わせなど、かわいすぎて選ぶのに迷ってしまいそう!
古布の衣装をリメイクした古布ipad miniケース。綿入りなので、アクセサリー入れなど、いろんな用途が考えられますね。
ふんわりかわいい色合いが魅力の裂き織りを使ったポーチ。ざっくりとした風合いがバーンロムサイの特徴です。さき織りの生地はその時々によって異なるので、お気に入りを見つけたら迷わず購入!がお約束。かぎ編みのポンポンチャームもかわいいアクセント。
ファッションアイテムも充実しています。この春に登場するのが、定番素材のシングルガーゼを2枚重ねて仕立てたドルマンプルオーバー。
アクセサリーとの相性も抜群なので、色々アレンジが楽しめそうです。軽くて通気性もよく、肌触りがとても気持ち良いのだそう。
ひざ掛けに、お昼寝時の肌掛けに。肌触りがばつぐんに気持ちよい“ちぢみガーゼ”のブランケットはいかが?汗ばむ季節はべたつかずさらっと、寒い時はあたたかい空気を含んでくれるオールシーズンOKのブランケット。
少数民族カレン族のシルバービーズなどを使って手作りしたアクセサリーも素敵です。こちらは、今シーズンからバーンロムサイのデザイナーとして携わっている、元「チョロン」の店主、菊池智子さんのデザイン。
バーンロムサイに暮らす子どもたちが描いた「ネコの絵」のクッション。こちらは気持ちの優しい女の子、プロイの描いたネコがモチーフ。のびのびと描かれた大きなカーブを生かしたフォルムが特徴です。インテリアに取り入れるのはもちろん、飛行機などでネックピローとして使ってもいいですね。昨年から一部商品の綿詰めと最後の縫い合わせを知的障害を持つ人たちのための施設、鎌倉「ひしめき」と葉山「はばたき」で行っています。
購入することが2つの作業所の支援ともなる、そんな協力の輪が広がりつつあります。
織物の里、メーチェムで織ったヘンプ×コットン素材のコーヒーフィルター。使い終わったら洗って、繰り返し使えるエコなアイテムです。乾かしやすいよう、かわいい色合いのループがついています。
実店舗は鎌倉にあります。ぜひ、鎌倉を訪れた際は、実物を手にとってご覧になってみてくださいね。
※雑貨、アクセサリーなど1点ものの商品は掲載の柄が売り切れの場合もございます。
楽しみながら、支援するって素敵!
バーンロムサイ代表で設立者の名取美和さん。子どもたちとふれあい、向けるまなざしは母親そのもの。バーンロムサイと名取さんの半生を描いた本『生きるって素敵なこと!』『しあわせのハードル』には、その想いやこれまでの奮闘ぶりが描かれています。
「かわいい!」「オシャレ!」そう思って購入することでも、困難な暮らしをしているタイの子どもたちへの応援になるんです。
バーンロムサイの子どもたちは両親の死、差別や偏見、虐待などの体験をしてきましたが、ここを自分たちの「家」と感じ、「大きな家族」となって、安心して暮らしています。
現在生活している3歳から18歳までの30人の子どもたち。彼らには30の個性と可能性があります。多くを望むわけではありませんが、人を思いやれる気持ちの良い大人に育ってほしい、そしてできることなら自分が得意とすることで、将来生計を立ててもらいたい。そんな「親心」から、バーンロムサイでは勉強だけでなく、子どもたちがいろいろな体験をできるよう、様々な取り組みも行っています。
子どもたちが無事に成長し、いつの日か社会に出る時にそうした体験や技術が役にたってくれればと、そしてここがホームを巣立った子どもたちにとって、何か困った事や悩みがあればいつでも帰って来られる実家のような場所でありたいと、願うばかりです。
子どもたちの未来をつくる、小さな一歩を、ほんの少しでも支えることができるかもしれません。