毎日変わる天気のように変化のあるお店
蔵前にある古き良き時代を彷彿とさせるレトロなビル。その2階に上がり、硝子がはめ込まれた木製の扉をそうっと開けると広がっていたのは、開放感に溢れた居心地のいい空間でした。
大きな窓はそれぞれ格子の大きさや数を変えてあるというこだわりが
SUNNY CLOUDY RAINYは、今年の3月にオープンしたばかりの衣・食・住を扱うセレクトショップです。店の名前になぞらえて、“毎日変わる天気のように変化のあるお店”がコンセプト。店主である秋山香奈子さんによって選ばれたこだわりのアイテムが並びます。
「もともとお洋服が好きで、オンライン上で衣類や雑貨を販売する会社にいたのですが、実際にお客さんと接することや、その日その日の空間を表現することをしてみたくて。香りや手触り、味などインターネットの中で伝えられることには限界があります。でも実店舗だったら可能性が無限大に広がっていくと思いました。やっぱり自分のやりたいことはお店を持つことだという気持ちが、働いているうちにむくむくと湧いてきたんです」
思いを形にするために、昨年の夏に9年間勤めた会社を退社。その後、5ヶ月をかけてやっと理想の物件と出会うことができたそうです。
「もっと早く物件を決めたいというのもあったんですけど、気持ちばかりが焦ってしまってなかなか決まらず。この時期が一番大変でしたが、決まってからはあまり大変という記憶はありません。全部が楽しいという毎日でした」
内装はスペシャルソースに、ロゴはパピエラボとそれぞれ秋山さんが昔から信頼している方たちに依頼。どちらも「200%満足の出来」と胸を張ります。
「私がやりたいことや、好きなものを理解してくれて、想像以上に素晴らしい形にしていただきました。ここからは私自身がお店を続けていくために努力していかなければいけないと思っています」
「もともとお洋服が好きで、オンライン上で衣類や雑貨を販売する会社にいたのですが、実際にお客さんと接することや、その日その日の空間を表現することをしてみたくて。香りや手触り、味などインターネットの中で伝えられることには限界があります。でも実店舗だったら可能性が無限大に広がっていくと思いました。やっぱり自分のやりたいことはお店を持つことだという気持ちが、働いているうちにむくむくと湧いてきたんです」
思いを形にするために、昨年の夏に9年間勤めた会社を退社。その後、5ヶ月をかけてやっと理想の物件と出会うことができたそうです。
「もっと早く物件を決めたいというのもあったんですけど、気持ちばかりが焦ってしまってなかなか決まらず。この時期が一番大変でしたが、決まってからはあまり大変という記憶はありません。全部が楽しいという毎日でした」
内装はスペシャルソースに、ロゴはパピエラボとそれぞれ秋山さんが昔から信頼している方たちに依頼。どちらも「200%満足の出来」と胸を張ります。
「私がやりたいことや、好きなものを理解してくれて、想像以上に素晴らしい形にしていただきました。ここからは私自身がお店を続けていくために努力していかなければいけないと思っています」
ハニカムの装飾が特徴的な煉瓦張りのビル。この2階にお店があります。
いよいよオープンを迎える前日のお披露目会には、200人にも上る人たちが訪れました。秋山さんの人柄があってこそというのはもちろんですが、このお店への期待の高さを感じます。
「あの時はとてもばたばたしていて、お店がオープンしたことに思い浸る余裕がなかったのですが、最近になって『形になったんだなぁ』としみじみ思うことができるようになってきました」
「あの時はとてもばたばたしていて、お店がオープンしたことに思い浸る余裕がなかったのですが、最近になって『形になったんだなぁ』としみじみ思うことができるようになってきました」
まるでお店の一部のように馴染んでいるドライフラワー。
お店に入ってすぐの場所にディスプレイされているのは、色とりどりのドライフラワー。オープニングの時にいただいた花の数々を「このまま捨ててしまうのは、なんだか惜しい気がして」とドライフラワーにしたものだそう。
「オープンの時にいただいた時の励ましや、いただいた言葉と今も一緒にいるような気がして見る度に気が引き締まります」
と話す瞳には今にも溢れ出そうな涙が。
「すみません、その時のことを思い出すと今でも泣きそうになってしまって。本当にありがたいですよね」
笑顔と泣き顔が入り混じったような表情で話す秋山さん。お店の心地良さは、単純に空間の良さだけではなく、店主である秋山さんの温かい人柄があってこそ生まれているものなのでしょう。
「オープンの時にいただいた時の励ましや、いただいた言葉と今も一緒にいるような気がして見る度に気が引き締まります」
と話す瞳には今にも溢れ出そうな涙が。
「すみません、その時のことを思い出すと今でも泣きそうになってしまって。本当にありがたいですよね」
笑顔と泣き顔が入り混じったような表情で話す秋山さん。お店の心地良さは、単純に空間の良さだけではなく、店主である秋山さんの温かい人柄があってこそ生まれているものなのでしょう。
本当にいいと思ったものを伝えていきたい
扱うものは器から洋服まで実にさまざま。
5/14(木)まで“MARCOMONDE 日傘とソックスとスカーフ展”を開催。
オリジナルのハンガーカバーは愛情がたっぷり込められた秋山さんのお手製。
お店には洋服から日用雑貨まで、秋山さんが実際に暮らしの中で愛用する「いい」と思ったアイテムが並んでいます。
「良さをきちんと伝えられるものしか置かない、ということを心がけて物選びをしています。お店のセレクトは一見バラバラに見えるかもしれませんが、“私”というフィルターを通して全て集められているので、知り合いから見ると『秋山さんの顔が思い浮かぶ』と言われます。それが嬉しいですね」
では、秋山さんが感じる「いいもの」とは何なのでしょうか?「年齢を重ねるにつれて自分がいいと思うものは変化していくと思うのですが」と前置きをした上でお話してくれました。
「お洋服の場合は、5年や10年経っても着ていたいと思えるデザインというだけでなく、実際にしっかりしていて、丁寧な作りをしているもの。日用品では、普段の生活の中でちゃんと長く使えるものが“いいもの”だと思います。お客様にはどういう風に使ってほしいか、というところも伝えていきたいので、自分の中で着ているシーンや使っているシーンが思い浮かぶものを選ぶようにしています」
受け売りの良さではなく、秋山さんが五感で感じ、「これだ」と納得できたものがセレクトの基準。「自然とお客様との会話が弾む」というのもうなずけます。
「良さをきちんと伝えられるものしか置かない、ということを心がけて物選びをしています。お店のセレクトは一見バラバラに見えるかもしれませんが、“私”というフィルターを通して全て集められているので、知り合いから見ると『秋山さんの顔が思い浮かぶ』と言われます。それが嬉しいですね」
では、秋山さんが感じる「いいもの」とは何なのでしょうか?「年齢を重ねるにつれて自分がいいと思うものは変化していくと思うのですが」と前置きをした上でお話してくれました。
「お洋服の場合は、5年や10年経っても着ていたいと思えるデザインというだけでなく、実際にしっかりしていて、丁寧な作りをしているもの。日用品では、普段の生活の中でちゃんと長く使えるものが“いいもの”だと思います。お客様にはどういう風に使ってほしいか、というところも伝えていきたいので、自分の中で着ているシーンや使っているシーンが思い浮かぶものを選ぶようにしています」
受け売りの良さではなく、秋山さんが五感で感じ、「これだ」と納得できたものがセレクトの基準。「自然とお客様との会話が弾む」というのもうなずけます。
お客様の声に寄り添っていきたい
日々店に立ち、訪れるお客様と話すことが何より楽しいという秋山さん。その時の会話の中で要望や気になったことがあれば、できる限り応えたいと思っているそうです。例えば、ピアスの商品をイヤリングにしたいという声があったら、作家さんにできるかどうか相談するといったように。
「自分自身、他のお店で要望を言った際につっぱねられて寂しい気持ちになったことがあって。お客様に同じ気持ちは感じでほしくないので、できるだけお応えしていきたいと思っています。もちろん無理なこともあるかもしれませんが、お客様の声に寄り添いながら、そこで生まれる新しい発見も大事にしていければいいなと思っています」
お店としては「できない」と言うのは簡単なこと。けれど、秋山さんは手間や時間がかかっても、お客様の声をすくいとり、作家さんとの架け橋に自らなることを心がけています。秋山さんの「お客様に寄り添っていきたい」という思いは、これからのお店づくりにおいても変わりはありません。
「自分自身、他のお店で要望を言った際につっぱねられて寂しい気持ちになったことがあって。お客様に同じ気持ちは感じでほしくないので、できるだけお応えしていきたいと思っています。もちろん無理なこともあるかもしれませんが、お客様の声に寄り添いながら、そこで生まれる新しい発見も大事にしていければいいなと思っています」
お店としては「できない」と言うのは簡単なこと。けれど、秋山さんは手間や時間がかかっても、お客様の声をすくいとり、作家さんとの架け橋に自らなることを心がけています。秋山さんの「お客様に寄り添っていきたい」という思いは、これからのお店づくりにおいても変わりはありません。
フランスヴィンテージのスパンコールやビーズを使用したtamasのアクセサリー。細やかな手仕事から生まれる美しさが際立つ一品。
秋山さんの生まれ故郷である秋田県男鹿市の天然アカシアのはちみつ。食べ終わった後の瓶も使ってほしいとの秋山さんの思いから生まれたSUNNY CLOUDY RAINYオリジナルパッケージ。
「これから先、私もお客様も、好きなものが変わるかもしれません。けれど、大事にしたい部分はきっと変わらないと思うんです。変化があるお店がコンセプトですが、根底には変化することがない“芯”があるんです。その部分を大事にしながら、お客様と一緒に成長できるお店にしてけたらいいなと思っています」
歳を重ねていく中で好きな物やお店が変わっていくのは当然のことかもしれません。けれどSUNNY CLOUDY RAINYだったら、変化も全て含めてこれから先もずっと「好きなお店」のままでいてくれるはずです。
歳を重ねていく中で好きな物やお店が変わっていくのは当然のことかもしれません。けれどSUNNY CLOUDY RAINYだったら、変化も全て含めてこれから先もずっと「好きなお店」のままでいてくれるはずです。
お店というのは自分自身そのもの
大きな窓からは気持ちのよい風が流れてきます。
ディスプレイはだいたい2週間に一回ほど変わるそうですが、天気によって変える日も。お店の変化を楽しみに訪れてもいいかもしれません。
オープンから今までを振り返り「駆け抜けてきた感じ」だと言う秋山さん。お店に立って2ヶ月が経つ今、改めて感じるのは「お店は自分自身である」ということだそうです。
「このお店には今まで自分がやってきたもの、見てきたもの全てが詰め込まれています。まさに今の自分が等身大で表現されているんです。自分自身であり、もっと言えば人生そのものだと感じています。大変なこともいろいろありますが、それに勝る充実感があるんです。本当にやりがいのある......仕事っていう感じでもないし、趣味でもないし、なんだろう。生活の一部?うーん、やっぱり人生としか言いようがないですね(笑)」
お店で過ごす毎日を「本当に幸せ」だと話す秋山さん。これからも晴れの日、曇りの日、雨の日と刻一刻と変わっていく日々を楽しみながら、秋山さんにしかできないSUNNY CLOUDY RAINYを私たちに見せてくれることでしょう。
「このお店には今まで自分がやってきたもの、見てきたもの全てが詰め込まれています。まさに今の自分が等身大で表現されているんです。自分自身であり、もっと言えば人生そのものだと感じています。大変なこともいろいろありますが、それに勝る充実感があるんです。本当にやりがいのある......仕事っていう感じでもないし、趣味でもないし、なんだろう。生活の一部?うーん、やっぱり人生としか言いようがないですね(笑)」
お店で過ごす毎日を「本当に幸せ」だと話す秋山さん。これからも晴れの日、曇りの日、雨の日と刻一刻と変わっていく日々を楽しみながら、秋山さんにしかできないSUNNY CLOUDY RAINYを私たちに見せてくれることでしょう。
大きな窓が特徴の店内。「晴れの日、曇りの日、雨の日とそれぞれの天気をここで感じてもらえればと思います」