八重山諸島の玄関口となっている石垣島から高速船を使うと約45分で到着する西表島は、島の大部分が西表石垣国立公園に指定されており、豊かな自然が広がっています。島の約90%を占める亜熱帯の原生林は西表島を取り囲む珊瑚礁の海岸のすぐ近く迫っています。そのため、西表島には平地部が少なく、山間部が多くなっており、大小合わせると40以上もの河川があります。また、雨が多い亜熱帯性気候の西表島の河川の河口付近には豊かなマングローブ林が広がっており、上流部には美しい滝など数々の景勝地があります。

西表島の周囲には豊かな珊瑚礁の海が広がっています。亜熱帯の自然林が豊かに生い茂る西表島は、ジャングルクルーズのイメージが強いかもしれませんが、遠浅の透き通る青い海が広がる美しいビーチの宝庫でもあります。

流域一帯には豊かなマングローブ林が生い茂る仲間川は、全長約17.5キロメートルで、西表島を代表する河川です。仲間川のマングローブ林は国の天然記念物に指定されており、その面積は約160ヘクタールにおよび、日本に植生しているマングローブ林の約25%を占めています。

仲間川上流付近には展望台があります。眼下には豊かなジャングルが生い茂っており、まるで緑の絨毯を敷き詰めたかのような景色が広がっています。展望台からジャングルを眺めていると、まるで異国の秘境に足を踏み入れた探検家になった気分を覚えます。

仲間川上流には、日本最大といわれるサキシマスオウノキの樹木があります。板状の根が特徴的なこの木は、圧倒的な存在感で訪れる人を迎えてくれます。尚、遊覧船でサキシマスオウノキの樹木へ行く場合は潮が満ちているときにだけしか辿り着くことができませんので注意が必要です。

南風見田の浜（はえみだのはま）は、西表島の海岸線上を走る県道の終点「豊原」付近にある遠浅のビーチです。陽射しを浴びて輝く白砂、透き通る青い海、抜けるような青空、すぐ近くまで迫る亜熱帯の原生林が織りなし、南風見田の浜では絵画のような景色が広がっています。

由布島は、西表島東岸に位置する島面積約0.15平方キロメートルの小島です。西表島から由布島へは水牛車に揺られながら行きます。水牛使いが詠う民謡に耳を傾けながら、ゆっくりと歩いてゆく水牛に揺られながら風光明媚な景色を眺めていると、まるで海の上を歩いているような不思議な感覚を覚えます。

周囲約2キロメートルの由布島は、島全体が「亜熱帯植物楽園」となっています。巨大な植物園の中を散策していると、まるでジャングルの中を探検しているかのような錯覚を感じます。

由布島では昆虫館も併設されています。ここでは色鮮やかな美しく珍しい蝶をたくさん見かけることができます。

由布島には、水牛車の非番となっている水牛たちが休憩している水牛池があります。ここでは、間近で水牛を見ることができるほか、タイミングが良ければ水牛の仔牛にも会えることができます。

支流を含めると全長約39キロメートル、河口付近の川幅が約500メートルにもおよぶ浦内川は、西表島はもちろんのこと、沖縄県最大の河川です。河口付近には仲間川と同じく豊かなマングローブ林が生い茂っており、川に架かる浦内橋の展望台からはマングローブ林を一望することができます。

浦内川では、たくさんの遊覧船が出航しているほか、カヌーで川登りをすることができます。遊覧船やカヌーからは間近でマングローブ林を眺めることができるため、まるで秘境に足を踏み入れたような気分を味わうことができます。

浦内川河口から上流の方へ上ってゆくと、「日本の滝100選」に選定されているマリュドゥの滝があります。轟く水音、白いしぶき、エメラルドグリーンに輝く滝壺、滝を覆う豊かな緑の森が織りなす景色は一枚の絵のようです。

マリュドゥの滝のおよそ約250メートル上流には、「神の座の滝」という意味を持つカンピレーの滝があります。約200メートルにわたって、小さな滝が折り重なるように流れてゆく様は、「神の座」という名に相応しく、神秘的な雰囲気を醸し出しています。

西表島の北端には、有孔虫の殻が堆積してできた星の形をした「星砂」がたくさん落ちているビーチ、星砂の浜があります。ここでは、浅瀬の場所でもサンゴ礁が広がっているため、海水浴だけでなく、シュノーケルスポットとしても人気がある場所です。

星砂の浜の海中では色とりどりのサンゴの間を可愛らしい熱帯魚たちが優雅に泳ぎ回っています。ここでは、魚たちの楽園を垣間見ることができます。

バラス島は、西表島北部にある上原港の沖合にぽっかりと浮かぶサンゴ礁州島です。この島は、「バラス」と呼ばれるサンゴのかけらのみからできています。どこまでも続く透き通る青い海と陽射しを浴びてキラキラと輝く白いバラスのコントラストの美しさは格別で、ここでは楽園のような雰囲気が漂っています。

サンゴ礁に囲まれたバラス島は恰好のシュノーケルスポットとしても人気があります。海中では、様々な種類のサンゴ、熱帯魚たちを見ることができます。

船浮集落は、「日本の秘境100選」に選定されている西表島の中でも“秘境中の秘境”という感覚を味わうことができる場所です。ここは、西表島内に有りながらも、西表島の玄関口となっている上原港、大原港へ通じる道路がありません。そのため、船浮集落へ足を運ぶ手段は、白浜港から出航する定期船が唯一の交通手段となっています。

2018年のトリップアドバイザーによる「日本のベストビーチ　トップ10」で第6位に輝いたイダの浜は、船浮集落内にあるビーチです。ここは抜群の透明度のうえに、遠浅で波も穏やかな海なので、恰好の海水浴スポットです。