瀬戸内に浮かぶ島へ「アートな旅」に出かけませんか?
出典: 芸術の秋にふさわしい、アートな旅にピッタリな瀬戸内の島。瀬戸内海には大小合わせて数多くの島が点在しており、アート活動に力を入れている島が多数あるんです。また風光明媚な景観や島の暮らしも見どころのひとつ。
この秋のおでかけは、自然とアートの両方を楽しめる「瀬戸内の島」に行ってみませんか?
出典: 穏やかな海と言われる瀬戸内海に浮かぶ島々。今回は、のんびりとした島の暮らしや風景とアートが共存している「直島」「豊島」「男木島」「小豆島」を紹介します。
それぞれに個性があるので、自分好みの島を見つけてみてくださいね。
どの島も豊かな自然と、島の人達の温かさに触れることができます。グループ旅はもちろん、一人旅にもピッタリですよ。
出典: 瀬戸内では「ART SETOUCHI」という活動が行われており、「瀬戸内国際芸術祭」という現代アートの祭典が2010年から3年に1度開催されます。
瀬戸内の島々や港を舞台として最近では2016年に開催され、それをきっかけに誕生したアート施設や一部のアート作品が、開催期間外の今でも楽しむことができるんです。
また、「直島」「豊島」「犬島」を舞台に「ベネッセアートサイト直島」と呼ばれるアート活動も行われています。
島を巡っていると、風景に溶け込むような様々なアート作品と出会うことができますよ。
※写真は直島「ベネッセハウス」周辺にある「シップヤード・ワークス 船首と穴/大竹伸朗」という作品。
【小豆島】フォトジェニックな風景が魅力♪温暖なリゾート島
瀬戸内では淡路島に次いで2番目に大きく、穏やかな海に囲まれた温暖な小豆島(しょうどしま)。大きなホテルも多くリゾート地としても最適です。アートはもちろん、映画のロケ地や景勝地など見どころが沢山あります。
出典: 小豆島の名産として有名なオリーブ。公園には約2000本のオリーブ畑が広がり、まるで地中海を思わせるような真っ白な風車が佇んでいます。その風景はまさにフォトジェニック♪
園内には映画「魔女の宅急便」のロケセット、ハーブショップ「コリコ」もあります。映画の世界観を思わせるお店に立ち寄り、この風車の前で箒にまたがりジャンプして写真を撮る人が沢山いるんだそう。
出典: 潮の満ち引きで道が現れたり、消えたりする「エンジェルロード」。とても神秘的ですよね。1日2回の引き潮の時には「余島」まで歩いて渡ることができるんです。
「大切な人と手を繋いで渡ると願いが叶う」というジンクスがあり、恋人達に人気のロマンチックなスポットです。
出典: 小豆島の真ん中にある中山地区には沢山の棚田があり、千枚田とも呼ばれています。日本の棚田百選にも選ばれ、700を超える大小の田んぼが広がっています。黄金色に輝く稲穂の時期もおすすめですよ。
どこか懐かしさも感じる、フォトジェニックな景色をぜひ体感してみて。
出典: 「太陽の贈り物」 という作品。韓国出身のアーティスト崔正化(チェ・ジョンファ)と地元の小学生が協同制作したもの。オリーブの葉を王冠の形に仕立てた彫刻で、「オリーブの島」として親しまれている玄関口にふさわしい立体作品です。
出典: オブジェの葉、1枚1枚に子供達の未来へのメッセージが刻まれています。金色に光り輝く輪の中からは海や空が眺められますよ。
出典: 醤の郷にあるオリーブ畑を歩いていると、突如現れる「オリーブのリーゼント/清水久和」。どこかオリーブの実にも似た白い顔にリーゼントのヘアスタイル。彫刻でありながら、無人売店の屋台でもあり、くぼんだ部分には野菜や果物が置ける仕組みになっています。
出典: 映画「二十四の瞳」のロケ地となった場所。建物は明治35年に建てられ、約70年間、苗羽小学校田浦分校校舎として使用されていました。
当時のままの机やオルガン、子供たちの作品などが残っています。ノスタルジックな雰囲気が素敵ですね。
出典: 千枚田がある中山地区にある「こまめ食堂」。元は精米所だったという昔懐かしい外観が魅力的です。「名水百選」にも選ばれる棚田の上流域から湧き出る水で炊いた米のおにぎりなど素朴で体に優しいメニューが人気です。島散策の途中に寄ってほしいおすすめのお店です。
世界中から観光客が集まる現代アートの聖地、直島(なおしま)。瀬戸内国際芸術祭の舞台になっていることはもちろん、ベネッセアートサイト直島の活動の舞台にもなっています。島内にはたくさんの作品や美術館、アート施設があり、まさにアートにどっぷりと浸れる島。
出典: 直島に向かうフェリーから真っ先に目に飛び込んでくる作品「赤かぼちゃ/草間彌生」。
かぼちゃのフォルムと水玉が素敵ですね。丸くくりぬかれたところから中に入ることができますよ。
出典: こちらも草間彌生さんの「南瓜」という作品。ベネッセハウスの前にあります。青い海と黄色のコントラストが美しく、直島に来たらぜひ見てみたい代表的な作品のひとつです。「赤かぼちゃ」と見比べてみるのもいいですね。
出典:www.flickr.com(@準建築人手札網站 Forgemind ArchiMedia) 「地中美術館」は、その名の通り、建物の大半が地下に埋設されています。地中でありながら自然光が降り注ぎ、一日を通して、また四季を通して様々な表情を見ることができますよ。
建物は安藤忠雄さんの設計。アート作品と建築家のコラボが素晴らしい空間です。
出典: 館内には、クロード・モネ、ウォルター・デ・マリア、ジェームズ・タレルの作品が展示されています。
こちらはウォルター・デ・マリアの作品。直径2.2mの球体と金箔を施した木彫があるアートスペースは、天井から降り注ぐ自然光のみで鑑賞します。
出典: 美術館内にある「地中の庭」。所蔵作品作家であるモネが自ら造園したジヴェルニーの庭に植えていたとされる植物をベースに、約200種類の草花や樹木が植えられています。まるでモネの絵画のような美しさです。
出典: 世界的に評価の高い李禹煥(ウー・リーファン)の初の個人美術館。こちらも建築家、安藤忠雄さんとのコラボレーション。海と山に囲まれた谷あいの地形を活かした建物と石や鉄板などを使った作品が響きあう美術館はダイナミックでかつ静寂も感じる不思議な空間です。
出典: 美術館の建物そのものもアート。自然と作品、建物の調和が見事です。美術館には李禹煥さんの自然石を使った彫刻や絵画などが展示されています。五感で感じることのできるおすすめの美術館です。
出典: 直島の家屋や寺社などを改修し、空間そのものを作品化した「家プロジェクト」。現在7軒が公開されています。作品がある本村地区を散策しながら見ることができますよ。
写真はプロジェクトの1軒である「はいしゃ」。「舌上夢/ボッコン覗」という大竹伸朗さんの作品。
かつては歯科医院兼住居だったそう。屋内外に廃材や看板、ネオン菅などがコラージュされています。
出典: こちらは実際に入浴することができる美術施設です。先程の「はいしゃ」のアーティスト大竹伸朗さんが手掛けており、外観や内装はもちろん、浴槽や風呂画、モザイク画など大竹さんの世界感が随所に広がっています。
中には番台があり、オリジナルグッズも販売。お風呂に浸かりながらアートに浸ってみてはいかがでしょう?
出典: ベネッセハウスは、美術館とホテルが一体となった施設のこと。敷地内のいたる所でアート作品が見られますよ。
写真は「オーバル」と呼ばれる棟で、わずか6室の為に設計された贅沢な宿泊棟です。こちらも安藤忠雄さんによる設計。施設には宿泊者しか見られない作品もあり、せっかくなら宿泊してどっぷりアートに浸るのもいいですね。
直島に次いで美術館やアート施設が充実している豊島(てしま)。のんびりとした空気感も魅力です。豊かな自然も見どころのひとつ。自転車をレンタルして、ゆったりと巡るのがおすすめ。
出典: アーティスト・内藤礼と建築家・西沢立衛による美術館。一滴の水が空から落ちてきたようなユニークな外観の「豊島美術館」。
広さ40×60mのコンクリートでできた建物には柱が1本もなく、大きな開口部から自然をダイレクトに感じられる造りになっています。
内部の床には断続的に水が湧き上がる「泉」があり、水の動きを観賞するという珍しい体験ができますよ。
また、天井の開口部から入ってくる風や光、小鳥の声などを感じ、自然と一体になったかのような感覚を味わうことも。
寝転んだり、座ったり、自分の好きなように空間を楽しみ、静かに過ごすことのできる美術館です。
出典: こちらは美術館に隣接するカフェ。独特のデザインの中で食事や飲み物を楽しむことができます。開口部からは自然光が降り注ぎ、時の流れを忘れてしまうかのような落ち着いた空間。隣にはオリジナルグッズなどが販売されているショップもあります。
出典: 美術館前の坂からの眺めはまさに絶景。豊島の人気のビュースポットです。小高い丘の上から見下ろす瀬戸内海と青空が目の前に広がり、思わず言葉を失うほどの美しさ。道路の横には棚田が広がっています。
出典: こちらも「豊島美術館」の周りにある棚田。美術館開設時に地元の人々が中心となって再生したそう。約9ヘクタールもある広大な田園風景も必見です。思わず目を見張るような豊かな自然の風景が豊島の大きな見どころでもあります。
出典: 世界中の人の心臓の音を採録し収蔵している不思議な美術館「心臓音のアーカイブ」。自分の心臓の音を採録することもできるんですよ。採録された心臓音はメッセージとともに作品の一部になります。瀬戸内海を望む美しい場所も必見。
出典: 豊島には島の自然に溶け込んだようなアート作品が数多くあります。こちらは塩田千春さんの「遠い記憶」。
旧集会場に、使われなくなった約600枚の建具で制作されたトンネル状の立体作品。トンネルは建物を貫くように伸びていて、正面に水田が、振り返ると海が見える造りに。
出典: こちらはまるで空に粒子が舞ったかのような、円形が美しい青木野枝さんの作品「空の粒子/唐櫃」。青空に映えますね!
出典: 安部 良さんが設計した、半屋外にテーブルがある開放的なレストラン「島キッチン」。
東京の丸の内ホテルのシェフと島のお母さんたちによるオリジナルメニューが食べられます。地元の食材をふんだんに使った温かみのあるご飯にほっこりしますよ。随時、イベントやワークショップなどが開催され、島の交流の場としても定着しています。
【男木島】猫とアートに癒される徒歩で周れる小さな島
まるで迷路のように入り組んだ集落の風景が魅力の男木島(おぎじま)。瀬戸内国際芸術祭の作品が数多く残されており、アートが楽しめる、知る人ぞ知る小さな島です。また猫の島としても有名で、のんびり気ままな猫たちが島を案内してくれますよ。
出典: 島に到着してまず目に飛び込んでくるのは、「男木島の魂/ジャウメ・プレンサ」。半透明の建物で貝殻をイメージしたという白い屋根は8つの言語が組み合わさってできています。日中には文字の影が海面に映り幻想的。
今は「男木交流館」として、食事やお土産、レンタサイクルの貸出などを行っている島のシンボルです。
出典: 「歩く方舟/山口啓介」。男木漁港にある島の代表的な作品です。旧約聖書に出てくるノアの方舟をヒントにした立体作品で、4つの山がある方舟が海を渡ろうとするところを視覚化したそうです。
災禍を鎮めるという思いを込められた作品は、空と海に溶け込むように白と青で着色され、どことなくユーモラス。
出典: 「オルガン/谷口智子」。島の路地のあちこちに張り巡らされた90mのパイプを使った作品。
パイプの穴からは、オルガンの音や風の音、遠く離れた人の声も聞こえる楽しい作品です。パイプの先は潜望鏡や望遠鏡になっているところもあり、思わず覗いてみたくなりますね。
出典: 「男木島 路地壁面プロジェクト wallalley/眞壁陸二」。島で集めた廃材などに風景のシルエットをカラフルに描き、民家の外壁に設置された作品。島の路地のあちこちで見ることができますよ。散歩途中にこんな風景に出会えるなんて素敵ですよね。
出典: 屋内の作品も日によっては開放されており、鑑賞することができます。
こちらは「記憶のボトル/栗真由美」。島の人たちの思い出を小瓶に封印し、灯りをともしたという作品。どこかノスタルジックでほっこりした気持ちになりますね。
出典: 男木島は「猫島」と呼ばれるほど、たくさんの猫が暮らしています。猫好きな方にとってはたまらない島ではないでしょうか。
島のゆったりした雰囲気の中で、気ままにくつろいでいる猫の姿に癒されます。
出典: 島を訪れる際は、猫に勝手にエサを与えないようにしましょうね。マナーを守ってかわいい猫たちとの交流も楽しんで。写真は豊玉姫神社の境内。男木島で人気のビュースポットです。猫と島の景観のコラボがたまりませんね。
出典: 男木島の見どころのひとつ「男木島灯台」。明治28年に建てられた、御影石造りの珍しい灯台で「日本の灯台50選」にも選ばれています。レトロでどこか可愛らしい灯台は映画のロケ地にも使われたんだそう。すぐ横には砂浜があり、灯台からの眺めも最高です。
出典: オンバとは「乳母車」のこと。坂道や細い路地が多い男木島のおばあちゃんたちの必需品です。
そのオンバをカラフルにペイントしたり装飾したりして日常的に使えるアートしています。「オンバ・ファクトリー」はその工房です。
出典: 工房にはカフェスペースがあり、手作りケーキやドリンクも頂けます。ちょっと休憩するのにおすすめですよ。屋外にあるテラス席からの眺めは素晴らしく、ずっと居座りたくなる心地よさです。
出典: 都心の美術館もいいけれど、たまにはアートを楽しむ島めぐりに行くのはどうでしょう?島ならではの豊かな自然とゆったり流れる時間に身を任せるのもいいものです。現代アートに浸れる「瀬戸内の島」で芸術の秋をぜひ体感しましょう♪
※写真は男木島
芸術の秋にふさわしい、アートな旅にピッタリな瀬戸内の島。瀬戸内海には大小合わせて数多くの島が点在しており、アート活動に力を入れている島が多数あるんです。また風光明媚な景観や島の暮らしも見どころのひとつ。
この秋のおでかけは、自然とアートの両方を楽しめる「瀬戸内の島」に行ってみませんか?