夜景の絶景スポットとして名高い山は、朝になると街を浄化するように新鮮な空気を運んできてくれます。
六甲ミーツ・アート 芸術散歩のはじまり
”立ち上げからこれまで試行錯誤を繰り返しながら8回目を迎えました。”と話すのは、
ミーツアートを企画・運営する六甲山観光株式会社の広報担当である小林 智美さんと河野 有紀さん。
1995年の阪神淡路大震災以降、復興が進む市街地と比べ、六甲山は訪れる人も減少したままで元気を取り戻せずにいました。
街は、どんどん元気になっていく一方、レジャーで六甲山にやってくる人はなかなか戻って来ませんでした。
何とかその状況を変化させようと色々な意見を出し合い模索するなかで、”六甲山カンツリーハウスに現代アートの展示をしてはどうか”という案が出ました。
とはいうものの、私も含め現代アートに関する知識があまりないスタッフばかりでしたので、専門知識がある外部の方々の力も借り、そこからさまざまなリサーチを行っていきました。
共に展覧会を作り上げていくことで、毎日のように六甲山で過ごす私たちが見過ごしていた魅力に改めて気づかされることも多く、目からウロコという場面も多々ありました。
奥中章人「Inter-World-Sway」2017
〝出来上がったアート作品を六甲山に持ってきてただ置くだけではなく、作品を展示することで六甲山の本来の魅力を引き出してくれるような展覧会にしよう″
というひとつの方向性が決まりました。
六甲山は景観や歴史、文化や様々なレジャーなど多くの魅力を持った山だという事を再認識し、アートの力を借りて魅力を体感してもらおうという事になったのです。
あくまでも六甲山が主役ということで、この場所だからこそ楽しめるアート展を目指して開催に向けた準備が本格的に始動しました。
また、山上には複数の施設がありますが、六甲ミーツ・アート 芸術散歩がスタートするまでは個々にプロモーションを行っていましたが、六甲山には色々な楽しみがあるという事を知ってもらうために現在の施設間を回遊する仕組みになったそうです。
藤浩志「六甲の不思議の森の物語」2017
自然豊かな環境であるがゆえの苦労話も。
野外での設営は、急な天候変化で困難を強いられることもあるというのは実際に訪れてみるとよく分かります。
2015年には開幕直後に台風が直撃し、ケーブルカーの路線で土砂崩れが発生し会期中の復旧が困難になったこともあったそうです。
久保寛子「Sleeping Guardian」2017(制作途中)
会場は、街からドライブやケーブルカーですぐに行くことができる好立地です!
もちろん、秋のハイキングもおすすめですよ。
”アート鑑賞だから...”
そんな緊張感は一切いりません!
お子さま連れももちろん歓迎のアート散歩は、開放的な山ならではの楽しさを発見してもらえるでしょう。
「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2017」は、六甲山上を舞台に展示されるアート作品を、ピクニック気分で周遊しながら楽しめる現代アートの展覧会です。
- 寒さに負けない体を目指す!ゆらぎがちな冬のご自愛ケアキナリノ編集部
広報担当者おすすめの過去作品ベスト3!
蓑虫なう/角野晃司さん 2010
記念すべき第1回目のミーツ・アート大賞作品。
自分が中に入って作品が完成するという斬新さに多くの人の反響を呼びました。
このインパクト、一度見たら忘れられませよ!
LOST#7/クワクボリョウタ 2012
2012年の大賞作品は、日用品を利用して作り上げられた美しい空間が印象的でした。
これまでにエレクトロニクスを使った作品を多数発表し、国内外で高い評価を得ているクワクボリョウタさん。
鑑賞者は、その世界観にあっという間に引き込まれました。
無題/加藤 泉 2012
アートシーンの中で活躍しているアーティストのひとりである加藤さん。
”おや?”っと思わず見入ってしまう作品は、六甲山の樹木のように季節の移り変わりと共にさまざまな表情で楽しませてくれました。
ミーツ・アート2017の見どころ
秋が深まり、10月下旬から11月上旬にかけては木々の紅葉も見頃になりますので、また作品の表情もさまざまな捉え方が出来そうです♪
今回のメインビジュアル作品のさとうりさ「あべちゃん、なんかついてるよ」2017。
自然体感展望台 六甲枝垂れというナイスビュースポットの、ふんわりと癒し系の展示は必見です!
六甲ケーブルの六甲山上駅に到着すると愉快な音楽が聞こえてきます。
こちらの作品は、明和電機「ひっぱれ!六甲ケーブルカー」2017。
六甲ケーブルを陰で支え運営する運輸部の作業員にスポットを当てた作品です。
真っ白なカフェスペースに釘付けになります。
その名も、開発良明「スペース・ホワイト・カフェ(SWCafe)」2017。
街中では出会えない異空間で、実際にカフェタイムを楽しむことも可能なんです!
メニューも真っ白です!
スタッフさんおすすめのホワイトカレーは、食べるのがもったいないくらいの色彩です。
期間中は夜間に紅葉と作品鑑賞が楽しめる限定の催しも人気なんです♪
こちらは、昨年の「ザ・ナイトミュージアム」の様子。
紅葉が色付きはじめる10月20日(金)~11月12日(日)まで、六甲高山植物園と六甲オルゴールミュージアムの営業時間を延長します。
ライトアップされた、夜の植物とアートの融合にはため息がもれるほど。
2017年は、はじめて神戸市立六甲山牧場がサテライト会場に加わりました。
小さなお子様にも人気の施設ですので、ぜひお立ち寄り下さい。
なんともいえない表情の作品は、さとうりさ「The Parallel」2017。
※神戸市立六甲山牧場での作品鑑賞は、別途入場料が必要です。
※11月中は火曜日休場
Instagramもワクワクがたくさん
公式Instagramでは、アートイベントならではのセンス溢れる写真が投稿されているので、チェックしてみてくださいね!
こちらは、きむらとしろうじんじん「野点」の様子を実況されています。
お茶碗の絵付けや、お抹茶の提供だなんてユニークで楽しいですね。
ケーブル六甲山上駅の展示から飛び出してきました!
作品を制作された明和電機さん、本物さながらに当日限定のメンバーで再現されました。
ライブパフォーマンス「メカニカル★ディスコナイト2」は、満員御礼の大盛況だったそう。
展示だけではなく、もっと楽しめる企画が盛りだくさんなのは嬉しいところです。
ピクニックの準備はOKですか?
六甲ミーツ・アート 芸術散歩は、普段着でピクニック気分でいつでも出発可能です!
気軽にアート鑑賞を楽しめるイベントなので、あなたもアートを通して六甲山の魅力を体感してはいかがでしょうか。
川島 小鳥「昨日の君、明日のあなた」2017
六甲ケーブルカーに揺られていると、秋の景色の彩に心穏やかになります。
もう、そこから”アート鑑賞”は、はじまっているのです。
西村正徳「新型メガメガホン=オオゴエの吹き出し」2011